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気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ

夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを

縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
駅東端の改札を抜け昔ながらの踏切を渡ると
南口商店街の低い軒先を飛び交うツバメ達に出逢った

桜は散ったばかりだと思ってたのに
あっという間に日傘手放せない季節となってしまったんだよね

 ....
糊の効いた藍染めをくぐり抜けると
石鹸の香りがいらっしゃいませと迎えてくれる

散歩の途中でみつけたお風呂屋さん
モクレンの香りに誘われて迷い込んだ小路
朝夕通っている駅前通りとはさほど離れ ....
爪を立てないようお気に入りのレギンスを下ろしながら
一瞬の冷たさに身震いなんかして

いまどき珍しいよね
ウォシュレット付いていないなんてさ

ちろちろと可愛い音させるのも粋よねとは思いつ ....
あの上り電車で何本見送ったことになるのだろう
別に数えている訳では無いし
有り余った時間を費やせればとストールの毛玉など毟りながら
外界と隔絶された待合室の硬いベンチに腰掛け
あの夜の顛末でも ....
お正月ぐらいはと帰った実家で
思いがけず伯父さんからぽち袋をいただいた
幾つになっても嬉しいものは嬉しい

おめぇにもやっからよ

おとそ気分全開な赤ら顔は楽しげに
崩したあぐらはすっか ....
私がまだサンタクロースを信じていた頃
父方の祖母と同居していて
私たち兄弟の面倒をみてくれていた
今にして思えば幼さ故とは言え
彼女には随分と理不尽ことしでかしたものだと悔いる

それなり ....
手首の傷は癒せたとしても
こころの傷は癒せない

ずきずきと痛むこころの古傷は
まるで親知らずの発する悲鳴のようで

嘆いているわけじゃない

こんな季節の溜め息は
寝付けない台所の ....
(一)

「ぴーちゃん、ぴーちゃん
トイレってどこなのぉ」

河原の石をひっくり返しては
何やら探していた
まーちゃんが突然立ち上がったと思ったら
おいらの元へ駆け寄ってきた

こ ....
{引用=玉子の親じゃ、ぴよこちゃんじゃ、ぴっぴっぴよこちゃんじゃ、アヒルじゃぐぁーぐぁー。}


(一)

「兄ちゃん、コイツをくんねぇ」

カーバイトランプに照らされた
みか ....
今日も一日誰とも話さずに終わってしまう
仕事柄何十本もの電話をこなし
お昼には職場の友だちとランチなんかしたけど
それで誰かと話したってことにはならない

パソコンの電源落として
机のまわ ....
(1)

掛け声と干物の臭いに押し流されるようにして
昼下がりの賑やかさに身を委ねてみる
所狭しと商品の並んだ店先を覗けば
一見かと値踏みする手練の客あしらいに
思わず半歩後ろへ下がりつつ ....
(1)

明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
* 1

愛無しには生きられない
わたしは本気でそう思っていた


* 2

あの水着もそうなんだけど
これもなんだよね

目新しさは常に外側からやってくる
そんな時代になった ....
みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた

その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする

「みんな」
そして「わたしたち ....
(?)

久しぶりのドライブは仲直りのしるし
お正月に学生さんの駆け登る急坂をアクセル吹かしながら
ふたりを乗せたクルマは芦ノ湖畔を目指す

車内にチェックを入れてみても
知らないおんな ....
(1)

あなたにはじめて出逢ったのは
この廃屋が未だ駅舎として機能していた頃のこと
夏草の浸食に怯える赤錆びた鉄路と
剥がれかけた青森ねぶた祭りのポスターが一枚

この駅を訪れるひとと ....
両の人差し指でぱたぱた
ニワトリが餌でも突いているようで
思わず吹き出しそうになるけど

なにやら真剣に打ち込んでいる
あなたの横顔
見方によっては男らしいとも言えそうで

古いやつだ ....
天涯孤独だからさ…
それは、あなたの口ぐせ

帰るべき家があって
待っていてくれるひともいる

それなのにどうしてそんなことを言うのだろう

こころの空白を満たそうと
終わりの無い旅 ....
はじめての出逢い
それは父親に肩車されてのこと

ガラスの向う側で
愛らしそうな顔して笹を食べていたっけ

何時でもいるのが当たり前
そんな存在でもあったような気がして
パンダってまた ....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた

手術自体はあっと言う間ですから

こころにメスを入れる ....
へのへのもへじみたいだねと問いかけたら
「へへののもへじ」が正しいんだと
あのひとは言った

―へのへの

叱られて家に帰れなかった
夕焼け空に
ロウセキで描いた
へのへのもへじ
 ....
先週末に桜が散ったばかりなのに
あなたは
物置から引っ張り出したビーチパラソル
具合を見たいからと
これ見よがしに拡げてみせる

どうやら使えそうだな

アルミパイプの椅子まで組み立て ....
ぼっかり空いたこころの隙間に
あなたの優しさが忍び込む

そのひとに騙されているのではと
友達は忠告してくれた
仮にそうであったとしても
構わないと思ってしまうわたしがいる

ひとの弱 ....
一枚の写真のなかで私
笑っていた
卸したての制服は似合っていないし
表情もなんだかぎこちない

引越しの準備とかで慌しい最中
久しぶりに開いてみた
アルバム
こっちへ出てくるときに母が ....
「ねえ、良いだろ?」

何が良いんだかと思いつつ
とりあえず
あなたの左腕にしがみついてみる

押し付けた胸のふくらみに気づいたらしく
慌てふためく様子が可笑しくて

かまととだとか ....
また後で携帯にメールでも入れるから

あなたの去った
バスルーム
鏡に映るのは恋に疲れたひとりのおんな
乱れきった髪が物語る
しがみつこうとしてしがみきれなかったものへの思い

シャワ ....
ひとは指折り数える

その日の訪れを確かなものにしようと
指を折り
心に刻み込む
自らの身体に刻み込む

いつの日か死は必ず訪れることを知っている
それでも
死に往く日まで知ろうとす ....
紫色のくちびるを震わせ
熱いコーヒーで暖を取るわたしに背を向けて
あなたはストーブに薪をくべている

見覚えのあるチェック柄の毛布
あなたの匂いを胸一杯に吸い込んでみた

冬の嵐の去った ....
虫のいどころでも悪いのか
いつまでも押し黙ったままで
あなたはテレビの画面を眺めるでもなく
そっと箸を置く

テレビのなかには
つまらないギャグに笑い転げる顔があり
テレビのそとには
 ....
小原あきさんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(88)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
抜くひと- 恋月 ぴ ...自由詩39*09-11-3
夢つばめ- 恋月 ぴ ...自由詩25*09-5-12
ぷかり- 恋月 ぴ ...自由詩33*09-4-20
ですなひと- 恋月 ぴ ...自由詩17*09-4-7
臙脂色のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*09-3-1
ぽちなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*09-1-3
つくろうひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-12-25
きしみ- 恋月 ぴ ...自由詩20*08-11-1
渡り損ねたひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-9-19
ひよこなひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*08-9-12
働くひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-8-6
消費されるひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*08-7-30
遠ざかるひと- 恋月 ぴ ...自由詩38*08-7-23
iなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*08-7-17
ホコテンのひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*08-7-10
お隣りのひと- 恋月 ぴ ...自由詩13*08-7-6
無人駅のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*08-6-29
古いひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*08-6-7
支えられるひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-6-1
パンダなひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*08-5-13
待合室のひと- 恋月 ぴ ...自由詩36*08-5-3
もへじなひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*08-4-11
気の早いひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*08-4-5
騙されるひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-3-26
引っ越すひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*08-3-10
断わりきれないひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-2-27
揺れるひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*08-2-22
数えるひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*08-2-17
拾われたひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*08-2-8
ささくれたひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-1-29

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