もう少し眠っていてもいいと
誰かが低い声で囁くのが
薄暗い夢の中でもわかる
本当にもう少しここで
眠っていてもいいのですか
念を押して訊ねてみると
その人は猫を撫でるような声で
眠ってい ....
秋の蛇口をひねると
空虚がぽとりと落ちてくる
管は水平に都市の闇を這い
水源地は{ルビ紅葉=こうよう}で充たされている


空虚で顔を洗うと
頬がすこし紅くなる
正直な肉の反応に
つ ....
雲間から大首が降りてくるでしょう
まるで惑星ほどに巨大な首がゆっくりと地上に迫り
町は空が遮られたために暗くなります
道行く人々は自分の思いにふけり
あなたも目の前の地面をじっと見つめています ....
夏目漱石の「夢十夜」という小説の中に
鎌倉時代の仏師・運慶が甦り
護国寺の山門で仏像を彫り進める
というエピソードがある
見物人の一人が解説して言うことには
樹木にはあらかじめ仏像が内蔵され ....
頭がビックバンみたいにバーーーンッ!!!ってなって素敵な朝だ
頭のもやもやがとれて、もやもやな髪型がストレートになって、可愛い女の子にでもなれた気分。カーテンがスカートみたいにたなびいて、風を呼ぶ
 ....
海辺に打ち上げられたクラゲを見ましたね
巨人のコンタクトレンズと言うので
笑いました

疲れて適当に入った居酒屋で
出てきた器がどれも美しいので
しばらくおとなしくなった私たち
でした
 ....
寝息が
夜のカーテンを揺らす
いつくしみという
どこかに潜む母性が呼吸をはじめる
白い肌のわが子の
すーっと通る鼻すじに口づける
溶ける音がした気がした
抱きしめるものがある ....
(誰かが見ている)

そんな気配で
窓を振り返ると
一匹のしらすの目があった。
思い出した、
弁当箱いっぱいの
ぎ ....
その日は
お花見の桜より うんこの話のほうが 
うつくしかった
お隣さんが用意してくださった花見弁当を囲んで
いっしょに 盲の方と お花見をした
お洒落な桜色のスカー ....
「もう誰も、必要とは思わないのですね・・・・。」と
黄ばんで染みだらけのまま
段ボールに詰められて家を出る文庫本の呟きが聞こえた。

私は
父の遺骨の欠片をぽっけに入れたときのように
読 ....
夫と言い合いになった日の深夜
冷蔵庫の前に這いつくばって
冷たい床に雑巾で輪を描いた
何度も何度も同じ輪郭を辿って
ただ一心不乱にひとつの輪を描いた

怖い顔で子供を見送ってしまった朝は
 ....
一匹の青むしが
道路を横断している
ゆっくりと
ゆっくりと
(小さな青虫だから)
這っていく

きっと
道路を渡りきってしまう前に
あの青むしは
車に轢かれてしまうだろう

そ ....
           150827

孤独な青年ばかりが集まり
モダンな小学校を建てる
全員個室で授業を受ける
体育だけはプロテクターを着け
乱闘へのスキルを磨く
午後は、エアガンの実射 ....
雨なら外を見たくない
優しい人なら会いたくない

時に多すぎる感情を
いい香りの紅茶で飲み干して

心の中に吹く風は
ふうっと長い息にして吐く

なんでもない
なんでもないよ

 ....
ちちとはは
ふたり
きみがうまれたあとなぜか
はじめててを
つなぎあったひのはなしをした

ゆうこくのうみに
むかってあるきだしたあのとき
べんちにすわってふたり
こどう ....
花はまだ
文字をしらない

文字をしらない花を抱いて
庭に二人ぶんの影を落とすと

わたしもまた、
文字をなくして
おそろしいくらいのすべてに
抱いてもらえます
きみを眠らせない夜の筋書きをにぎっているのはわたしだって

この星のいちぶぶんでいいんだよね微熱を微風がさらうならば

きいてるの?きいているのかいないのかえふぶんのいちにかぜはゆら ....
窓を開けると
知らない動物がいる
手を伸ばして触れてみると
案外やわっこい
あんなところにまで
毛が生えていて
意外ときれいな瞳をしている
どんな声で鳴くのだろうか
孔雀の羽根で撫でて ....
たった今、水とルーだけのカレーをアルマイトの鍋で作ってる途中だ。煮えたら、茄子とキャベツの野菜炒めをそこへぶち込んでやるつもりだが、男の料理だし、丁寧に作るつもりなど初めからまったくない。肉がないので .... 今宵も
インスタントラーメン
大家さんから分けてもらった
鍋から直接すすっていると
ぼろアパートの上空に流れ星
星を見上げる権利は誰にでも

      ☆

出発を思い立つ
トラ ....
影はたやすく溶けあって
昼間の声を裏切るけれど
なぜだろうか
あなたを抱くほど
くっきりとわたしが離れていく
みていたのは皮膚
あるいは瞳、うなじの汗
でもみえていたのは
世界

あかるい日
部屋のなかで視界をうしなうようなうす甘い幸福
雲ひとつない空のなかに
探したのは影

あの日あなた ....
きれいなものが結構見つかる
たとえば、スマホを引っ掻いてるお姉さんの青い爪
赤ん坊の透明な耳たぶと、三角形の耳のついた帽子

きれいなものが結構見つかる
たとえば、合わせ鏡みたいに続く、とな ....
だいぶん昔の
ことだけれども
てとてのしわとしわを合わせて、
しあわせ、
なーむーと合掌するという
葬儀屋のTVのCMが
流行っていた

しあわせとは
もっと違うものだと
感じた僕 ....
なんだろな
被災地つらかろに
思って見てたら

こっちも同じ
つらさがあるよ
と思いはじめていた

だから
そこにいたら
あかんよと

いつしか
おしえられる立場 ....
 水は、万象の旅人

 生き物の身体は
 彼等の泊まる、仮の宿

 水よ

 お前が
 笑いさざめくのは
 春の林床に降り注ぎ
 小川を結び、走るとき

 お前が
 咳き込み ....
 詩を読みたい。それはどのような心の状態だろう。詩人はきっと詩を読みたがってはいない。ひどい言い方かもしれないし、根拠はない。間違いかもしれない。詩人が何を読みたがっているのか、私がそれに興味がないだ .... 突然
中1の長女が私の単身赴任先のアパートに転がり込んできた
つまり家出だ
終業式まで後2日

どうしたんだ?

  洗濯 掃除 ご飯の支度 
  全部やるから ここにいさせて
   ....
目がさめて じとしてると
夜のひと粒に 少しずつ
朝が混じってくる

ひと粒ごとに かわった色と音をして
きんきん しいしい
降ってくるのを
わかりたくて じ としてたら
こんな ....
 時計が深夜十二時を知らせると、ひいながたりが始まります。
     ◇
「姫さま、殿が見当たりませぬが、どちらへおいででしょうか」
 三人官女の年長者がお歯黒を三方(さんぽう)で隠しながら上段 ....
小原あきさんのおすすめリスト(2431)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
漬物- 春日線香自由詩716-10-25
秋の蛇口- 白島真自由詩13*16-10-25
後の雨- 春日線香自由詩216-10-19
紙様- やまうち ...自由詩2*16-10-19
もやもや- 水宮うみ自由詩1*16-10-16
- ふるる自由詩7*16-9-9
添い寝- かんな自由詩14*16-1-3
しらす- あおい満 ...自由詩14*15-10-3
うつくしい_うんこ- るるりら自由詩23*15-10-3
本を育てる。- 梓ゆい自由詩3*15-10-2
磨くという行為- 夏美かを ...自由詩48*15-10-1
【_青むし_】- 泡沫恋歌自由詩24*15-9-29
少年の話- あおば自由詩8*15-8-27
笑う街角- ガト自由詩17*15-8-25
あきら/うまれたひ- かんな自由詩9*14-9-24
庭2- はるな自由詩614-8-3
扇風機の口癖_ - 阿ト理恵短歌9*14-8-2
知らない動物- やまうち ...自由詩314-8-2
カレーの庶民_★- atsuchan69自由詩6*14-7-22
四畳半神話- やまうち ...自由詩1*14-7-21
もえる影- はるな自由詩414-7-18
反転- はるな自由詩414-7-16
きれいなものが結構見つかる- 犬大好き自由詩214-7-13
あしとあしを合わせて、あ、しあわせ- りゅうの ...自由詩5*14-6-4
せやな- 小川 葉自由詩914-5-9
透明な声- まーつん自由詩14*14-4-23
【HHM2参加作品】詩の入り口に立つためにー『母乳』ちんすこ ...- 深水遊脚散文(批評 ...10*14-3-20
掛け布団- ichirou自由詩20*14-3-19
きんきん- はるな自由詩314-3-5
春の夜_ひいながたり- そらの珊 ...散文(批評 ...6+*14-3-3

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