飲み干した酒杯のそこに
月が映りこんで
もっといっしょにいてほしかった

すきとおるようなさそいをなげかけています
{引用=私は失敗の多い女の子じゃない。}
生々しく映えている淡い光の中でみっともなくすがりつく、皮膚のたるみなんかでもない。
大きな椅子の中で眠りについて教えてアリス。
時間はまだ探せないの?
 ....
 寝る前に、一日が終わる前に、鳥が死ぬ話を書こうとしたが、鳥の死ぬ姿を見たことがないので手が止まった。鳥の死体はいくらでも見てきたが、鳥の死ぬ瞬間は見たことがない。いつでもどこでも鳥は死に続けているの .... 吹き上がる

地下鉄の風

はずしたネクタイが

飛ばされる

それをつかもうとして

右手が顔をぶつ


蛍光灯の白が

やさしい色のように

ぼくらを均質にする

それが不快だ


吹き上がる

 ....
走る。

地面を蹴って。

斜め前に跳ねる。

走る。

そんな気持ちを。

全身で感じる。

走る。

軽快な歌を聴きながら。

口ずさみながら。

走る。

 ....
つまり
どうだっていいんだってことを確認するだけの思考回路
わたしはもういいかげん
大人になってしまったので
バカらしいことばかり増えて
「そんなのどうだっていいんだよ」
って言うためだけ ....
アスファルトに
心臓を打ち付けて
白線に
手を伸ばす
剥きだした 傷跡

           指 は

震 えて

           チェックメイト

後ろ指
指さない ....

起きたら
小さな小さな涙を
見た

きっと
その草は

わたしの変わりに
泣いてくれたのかもしれない
亡き人を偲び 
酒の机を囲むと何故か 

予想外におまけな 
一本のビールや 

皆の和に 
入りたそうな誰かの為に  
余分なグラスが運ばれる 

皿に盛られたつまみはどれも 
 ....
 朝目が覚めると、隣に生理痛が寝ていた。
「…あんた、何してるのよ」
「何って、仕事です。好きでこんなことしてるわけじゃないですよ」
 生理痛はへいこらしながら頭を下げる。
 その日は ....
わんと鳴いたから
「ぼち」

わたしのこと
ほんとは誰も知らないはずなのに
「おはよう」
だなんて声かけて
頭をなでなでしたりする

とげぬき地蔵じゃないんだってば

雪が降って ....
ぼちぼち夜空も透明になってゆく
そんなことを考えながら歩く
田舎の道は
陽射しの衰えを感じさせない。
秋風に道を失ったのではない
私はただコスモス咲くなかを
君を訪ねるのだ。
コスモスと ....
あのころ

小学校五年生だった

少年少女たちが

まわりにはいっぱいいた

みんな同い年だった

同い年ばっかりが当たり前にいた


いまもう彼らは

38か9

 ....
          071214


クジラの物差し
 いらんかね
イランの金持ち
 知らん顔
お金の無い国
 匙投げる
お金のある国
  見えたので
 仕立屋銀次が笑い出す
 ....
年末だっていうのに
部屋を大掃除する気にもなれず

やたらと浮かれ気分の
テレビを見る気にもなれず

かかってきた電話はきっと
夕方会う約束をしてた友人から
留守電にかわったとたん 聞 ....
灰色に曇った窓の雫を
つ、となぞると
白い雨は上がっていて
弱々しい陽射しの予感がする

こうして朝の死角で透けていると
ぬるい部屋全体が
わたしの抜け殻のようだ

だんだんと色が濃 ....
さよなら
風に揺れるぶらんこ

さよなら
公営団地の高圧線

さよなら
クレヨンで描いた
お月さま




さよなら
風にのるシャボン玉

さよなら
水色した幼い約束 ....
いつもなら
真横から朝日を浴びる時間に
ライトを点灯させた車が
飛抹をあげて通り過ぎていく
ふいに
まだ夢が続いているような
不安にかられる

クレーンを折り曲げた重機が
ごうごうと ....
交差点を右に曲がって
2つ目の信号を左折するとおおよそ500メートル先に
ローソンがあるのでそこをipodに上書きされ
ピチカートがブラボーブラボーいうので乗るはずじゃなかった高速道路を東京方面 ....
真っ白い画用紙に
夢を描くな
人物を描くな
風景を描け
風景を描けば
人物は自然と生まれてくる
夢を見るのは貴方じゃない
夢を見るのは 絵の中の人物だ

人物が歩くと
風景は加速す ....
 
 
 
教室のはしっこで
うずまいて溺れた
リボン型の蝶は

 
 
きたならしい
箒はそれを払って
夢ばかりつまった
ゴミ箱に捨てる
 
 
落日になじむよう
 ....
{引用=*

風の遺書



風の遺書を
思い思いに握りしめた
少年たちの
あしあとが
続く

空を
いくすじかの
涙がながれて


いきるって
かなしい?

 ....
 行く年は

 「あい」で
 締め

 新年は

 「うえお」
 目指して

 夢かなえよう
ひかりの葬列のような夕暮れに沈む、
クラチャニツァ修道院のベンチに凭れる、
白いスカーフの女の胸が艶めかしく見えた。
捲り上げられた白い腿は、悲しげにも見えた。

わたしの少し疲れた掌のなか ....
足早に

通り過ぎる

一瞬の



裸の 木々 の

合間から

冬のかけらが

光を 浴びて

き ら き ら

ひ ら ひ ら

舞いおちる


君は 麗し の 華

この つめたい も ....
指専用のバス停に
思い思いの格好で指が並んでいる
やがて指専用のバスがくると
指たちは順番に乗り込んでいく
おそらく指にしか
行けないところがあるのだ
慰めが必要だったのは
本当は誰だっ ....
三日に一度は
インスタント食品レトルト食品

ベッドに広げられたシーツの皺のように
時間は寄せ集められるから
僕は読み止しの本を手に取る

気の利いた中国製の服が
安価で手に入るから
 ....
わざと寄り道をして
今夜
辿り着けないでいる
いちばんほしいものは
まだまだ手に入れないでいよう
おかしな病気に罹って
笑っているのです
あなたは
身につまされる思い
ではありません ....
最後まで
射しこむ視線
うっとりと透ける黄金の光に
浮かびあがる白い顔が沈黙をまもっている
一瞬間、

じゅうりんされた庭に
咲く血の花が
わたしの静脈でかおる午後

いく ....
「忘れた。」
口にすればそれは嘘だと
彼女は気付きながら
繰り返して、繰り返して、

ルーペから黒紙へ
伝える熱は優しくない
温度差のあるアレとソレ
誰も彼もが遠すぎて距 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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