美しが丘5丁目の
Y中学校脇の坂道の頂上で
朝日を、夕焼けを、月を、
もう10何年も眺め続けた
朝日は時に足取りを重くし
夕焼けは時に涙を流させ
月は時に孤独を連れてきた
それでも今日も ....
遠いのは
距離じゃなかったのに
測ろうとしてしまうから
道のりはわからない
暗闇をいいわけにして
風に吹かれる案山子
守る実りは刈り取られ
朽ちていく
それが老いるということだと
思 ....
ふと嘘が
口からこぼれた
あ、いけないと
拾おうとした
その手を
かずみがふんづけた
あれは、小学校3年生のときだったね
兄弟が欲しかったんだよ
ただ
それだけだ ....
敵の居場所は知っている
私の中の私自身
不細工な顔でこちらをみてる
敵の居場所は知っている
私の中の私自身
敵が憎い
敵が嫌い
敵は無力
....
ものがたりをしよう
こんな淋しい夜更けには
ものがたりをしよう
青いペアグラスは粉々にくだけ
私の心は深く傷ついた
銀のスプーンを強く噛んで
一人ドアを閉じ貝になる
永遠などない ....
永遠に
きみの唇は光って
そこにいる
恋をしている
ぼくは親切になる
首をまっすぐに
遠いしたを見つめて
肩も足も
ひとりじゃ動かない
に ....
森林の中
ひっそり潜む
小さな月
あさい眠りの
はざ間を泳ぐ
黒い魚影が
ゆらり と
身体をしならせ
ついばんでいく
冷たい魚の接吻に
吸いとられていく
....
初夏〜秋
初夏よりも光る男が耳に触れそっと私のピアスで遊ぶ
瑞々し背中に並ぶ脊椎を一つ一つ数えて眠る
マスカラをしない瞳が好きだというそれは誰の瞳の話?
背中から ....
恋がまだ私に生きていたころ
私は
夏の校舎を一周する
鼓笛隊のパレードだった
恋がまだ私に生きていたころ
私は
夕暮れを味方につけた
見えない星だった
恋がまだ ....
愛だの 恋だの 騒げるのは
地球が青いうちだけだ
飛んでく、
夜には虫が飛行機が
わたし
女の子じゃないって
いいたかった
鳥が
飛んでいく
ぼくの
夕日の上で
電線と
電柱が、足元に垂れてきた
電気色のコーヒーに
「こんばん ....
便器の水面に浮かぶ吸殻が
ジブラルタルを指している
生きる事は苦しむ事だと教えられた
人に生まれて幸福なのだと教えられた
善い事を重ねれば
来世も人として生まれると教えられた
でも何処 ....
私は眼鏡をかけてよく負ける、無重力を味わうかのように。
鳩尾に鈍痛が走るように、断腸のように、そのように。私の泣かない場所が、
糸巻貝のなかで爪を噛んで噛んでいる。私という肉はすぐに罅割れ、れ ....
悔し涙ほど純粋で美しい涙はないと思っています
悔し涙ほど人に感動を与える涙はないと思っています
熱のこもったキラキラ光るその涙を垂れ流すほど無駄なことはないと思っています
おとなはみんなこまった
あるいは
憐れむ目をしている
幼さは無垢である
無垢は無罪ではない
うつくしいことばを
どれだけならべても
乾燥しきった
血色のない唇から
つたう おとの ....
遠くの空からやってきたものが
通り過ぎていったから
私の体は水を含んでしまった
かさを閉じて空をみあげる
灰色のくもが笑いながらうたっている
ついてくる雨音が聞こえる
歩いても歩いても ....
黒い道路を
雨が流れて
激しい雨が
夜を始めて
光が映って
楕円に歪で
激しい
雨が
降って
鍵盤を
両手で
駄目な
両手で
ちぎれ
....
悲しいくらいに青い青に泣きそうになった
忘れられた様な鉄道の線路
遠くまで見えるその先に浮かぶ海
空とと混ざり合った青は
果てし無い奥行き
永遠に届かない青
銀杏の並木
ならんで歩いたのはいつの日か
木洩れ日落ちる夕方に誓った愛
人の心は天気予報のように
目まぐるしく変わり
思いもしらない街に僕達を誘う
サイレントムービー
君との ....
美術館前の石畳は冷たい雨に濡れ
慌てて開く折り畳み傘は
夢のなかから引き摺りだされたのを
ごねてでもいるのか
機嫌の悪さを隠そうともせず
冷えたこころをあたためてくれた
あなたの背中が ....
大地と空が
触れ合い
お互いを確かめ合って
一つに溶けている
横たわる夜は
静かな寝息が
そっと 部屋から漏れていって
夜景の街を満たす
夢 追うように
ベランダから
夜を ....
ベランダと猫
ある事情のために
彼は夏の終わりの
しばらくの間
川の近くにある
見晴らしの悪い
アパートで
猫と暮らした
そのアパートの中で
生活、という
よく ....
砂糖は山盛り三杯
白くなるぐらいミルクを入れて
少しぬるいぐらいの温度で
こんなコーヒー僕はまさか飲めないよ
甘党で猫舌な君のためさ
あたし ....
青空にみかん
青空にティラノサウルス
青空にプログラム言語
青空にまだ読んでいないラブレター
青空に西新宿
ああ今日も、東京都庁はお空の色に染まっていらぁ
サイレンがゆく
都会ではあたりまえの
田舎ではとてもめずらしい
いのちに象があるならこの音だろうか
いのちが鐘の音であった昔のもっと前から
一羽がはばたいてあとはただ盛り上がるだけの鳩の ....
ちいさな惑星に
ぼくのナカミを移住させ
きみのナニカを移植する。
396の世界で
たくさんの遺伝子を
おどらせて
きみとぼくは
似たものどうし ....
それは 驟雨
我々は 再び
時空を追い越さなければならない
足早に車道を突っ切れ
大気の重々しい臭い
揮発油は燃焼を続けているから
注意深く
荒野の自然から学びなおし
そし ....
詩なんて書けないと泣いた T
恥ずかしがりながらも書いた H
出逢う前から詩的な言葉をこぼしてた M
言葉の代わりに花を生けて返した N
綺麗な声で唄った Y
....
(彼の手によってもたらされる気持ちの悪さは、少なからず私の子宮辺りで産声を上げていた。
それらは私が芯から疼く度に鼓動を募らせるのだが、しかし、その心臓である彼の脳髄 ....
俺のスペアが要らないように
お前のスペアも必要はない
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