夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
はやい
から

きれて
とんでる
けしきが
ちかくの
草むら
なんて
もう
線だ
恐ろしいくらい
長い
線だ
空気が
固い
いま
どれだけ
もう
壁みたいで
い ....
七分袖のボーダーTシャツに
リネンの濃紺ジャケットを羽織り
干して乾いたチノーズを穿いているけど
やっぱりチノパンは塩水に濡れて
少しダボダボになったやつが好きだナ
 (不自然に重いし、
 ....
遠い昔の夏の夜
通りすがりに見た花火
ちりちりと音を立てながら花が咲く
光を見つめているうちに
いつしか音が消えてゆく
赤や緑の光だけが
思い出になってゆく

遠い昔の夏の夜
二人で ....
アイツのこと好きだったのは

別れても好きだったのは

アイツがおれのこといちばんだと

そうだと思ってたからなんだ


選挙のたびに

電話をよこすようになって

もう三年 ....
梅雨の合い間に晴れた空
光が大地に降り注ぎ
静かな時の始まりか
風も涼しく穏やかに

白雲浮かぶ青い空
豊かな緑浮き立たせ
夢見る時の始まりか
心鎮まる和やかに

畑の作物採りに行 ....
真っ赤な帽子をかぶって 
自転車に乗って
川沿いを走る
そのあとには
くちづけだけが残る
彼女は 詩だから

彼女は 詩だから
窓辺にアリスとかハートのクイーンを飾る
 ....
おやつを我慢しては 花火を買った

刹那の輝き 一瞬の煌めき


向日葵が枯れ始め 陽が落ちるのが早くなり
セミの声がヒグラシに変わる

緑の山も夕焼け色に 少しずつ染まっていく
「 ....
今日見えたものが
明日も見えると信じてるから
生きて行けるのですか?

さながら私たちは
籠の中の鳥にもなりきれずに
開け放たれた扉を
行ったり来たりの繰り返し

振り向けば ....
お前のやはらかさに埋もれて死にゆくなら
それでも良いなと
硝子越しに
笑う人間らしい貴方
 
ただ揺られて生きるのみのわたくしなどは
あすはるとでは
直立できないと言うのに
 
見つ ....
短冊の白まぶしくて愛の字を書けないままに無地で結んだ


黄色がいい君が選んだ一枚は願いじゃなくて歌をつづろう


霧雨に耐える紙縒(こより)が話さない青の祈りは「海にあいたい」
 ....
 
流れ流れて
何処へ行く
 
ふわり、その瞳で
何を見た
 
出逢いて何を
思うのか
 
 
 
あてなき旅路
続けては
 
忘れえぬもの
また増える
 
 
 ....
水はグラスに包まれ
グラスは両手に包まれ
あなたを包むのは誰ですか
水が包むのは、何

泣いているのは
瞳だけ幼い老人
その掌に
日溜まりのような優しいぬくみ
その額にま新しい水を注 ....
やっと貴方に会える
我慢をしていた。
雨が降っていても
雲の上では会ってる

いつ結ばれる日が
来るのやら
いつも一緒にいたい
いつも僕の味方

牛飼いとはた織り
毎日仕事をして ....
だからたとえば犬のように
白黒でしかものが見えていなかったとしても
濃淡の薄れゆくところ
色彩の変わるところが
あたらしく欲求がなりかわるところで
ぼくが輪郭と呼んでいた ....
ちいさいころ熱が出ると

お母さんはよく桃の缶詰を開けてくれた

白くてやわらかい桃はもちろん

スプーンで飲ませてくれる甘いシロップも

冷たくてとてもおいしかった


お母さ ....
インターネットは平面ではなく
地球と同じように
丸いものかもしれない

地図で見る地球は
右端と左端が遠く感じるけれど
実際はつながっていて
ものすごく近くにある
カナダとロシアは
 ....
少年は靴を履いていなかった
ぼんやりとした瞳で
橋の上から
流れゆく川を見ているだけだった

少年に親はいなかった
預けられる場所はあるものの
そこは少年のいる場所ではなかった
少年は ....
ボケも受け入れて
昼食べてないと
言われれば
まあお茶でもと言い

恥も外聞も捨て
がっぷりよつで
カッコも気にせず
柔軟に対応する

お年寄りの求めるものも
最終的には愛情です ....
私の体を キノコが 侵食する
菌糸は腕をからみとり
足をからみとり 心臓をからめとり
やがて 脳に達し
心すら からめとる
私は キノコと同化し
静かに 眠りにつく
やがてキノコははい出 ....
あの子をふりむかせるなんて
どうしたって不可能なんだから
いっそのことぼくを
短冊にしてください
あの子のねがいをかなえる
短冊にしてください
いっしょうけんめい
がんばりますから
おねがいします
 ....
               07/07/05

驚いた!
変わったわね、
と言われて
鏡を見たら
知らない人が
こちらを見ている
顔を盗まれたのかと思ったが
盗まれたのは記憶のよう ....
今日もまた この店に来る
昔から栄えていた 商店街の一角

日が沈むと 
怪しげな ネオンが点滅して
どこからともなく もれる
男女の笑い声 娼婦のささやき

この店は 不思議
深い ....
?.


星を
呼べるんだね
あのロバ
ほら
また流れたよ

願い事三回は
いじわるだね
静かにしていよう
叶わないよ なにも
どうせこれ以上

たどり着こうとして
 ....
タマゴをパックから取り出して

卵子焼きを作ろう

1個目 割ると オッサン入っていた

2個目 割ると またオッサン入っていた

まさか3個目は ないだろうと 割ってみたら

や ....
一筋の夢
指で先を足していく
空には届かない
私の背伸びでは届かない
そのまま
ぷつん と途絶えた
音信

首元がさむざむするから
結っていた髪を切った
ただそれだけのこと
今朝 ....
幻想をリアルにするために
リアル以上にリアルを表現すると
それは異常なのかもしれない

恐怖は見れないところにあり
見えるのは醜さだけなのかもしれない
暗い
暗い暗い海の中で
私は浮かんでいる
浮くことも沈むこともない
そのときの私は
長い髪で
白いワンピースを身に纏っている
ゆらゆらと
私は漂い続けている
そのと ....
ずいぶん
魚らしく
なってきたね

キラキラ
泳いでいるね

みんな早く
大きくなってね

でも
そうなると

またお池が
ふえてしまうね
「ありがとう」

「いただきます」

「ごちそうさま」

ちゃんと気持ち込めて言う
感謝とか 幸せだとか




「まいど」

「おおきに」

「どこ行かはりますの ....
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