秋、
そのつぎの
ひめくり

菱形がつらなって
つかめない
光のドロップ

ひらきっぱなしの
本の表面に
ゆらめいて


今が
かたむいてゆく
夏の名残を雨が洗うと
淡い鱗を光らせたさかなが
空を流れ
ひと雨ごとに秋を呟く


九月は
今日も透明を守って
焦燥のようだった熱や
乾いた葉脈を
ゆっくりと
冷ましながら潤ませ ....
夏の終わり、風

やわらかく

それは

肌ざわりも色彩も


二本目の煙草に火をつける

木陰はずうっと黙っている

つくつくぼうしが縁をとる


夏の終わり、風
 ....
昔はよく強風でガタガタ音を立てていた窓
今はすっかり静かに落ち着いてしまった窓
家の所々の窓は割れているものもある
新しいものと取り替える必要はない
割れた場所から外の空気が入ってくる
それ ....
 
 
寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
 ....
 

まったく信頼のおけなかったあなたの言葉たちが

今になって痛い程、頭の中でくりかえされる。


(離さない、すき、 特別、 一生・・)

{引用=ひとりで、食べる 朝食。}
 ....
比べたくなるものがある
幸せの度合いとか
それぞれの人生のありようとか

ひとと比べることで見いだせるものとは

柱に刻まれた幾筋かの古傷は
生を授かった証であり
輝ける未来への歓声で ....
うれしかったこと

悲しかったこと

楽しかったこと

辛かったこと

今日の箱を
棚の奥にしまい込んでくれる
夜の暗闇

どこに置いたかなんて
明日になれば
きっと
 ....
泥を
振り払おうとする腕こそが
いつまでも拭えない
泥かもしれない

確かめようの無いその有様を
透明である、とは
誰も語らない

そこでまた
ひとつの泥の
可能性が
散る ....
こころは

どこか遠くへ

追ってみようか

受け入れてみようか

ぼくらの感想戦


さよならなんて

なんて乱暴なんだ

フェイドアウト、するさ


こころは
 ....
世界で1番大好きな人が、泣きたい程辛い想いをしている

いつでも呼んで

あなた専用スーパーウーマン

この青空を跨いで、5秒で駆け付ける
(ことはできないけれど)


いつでも呼んで



抱きしめ ....
老朽化の進んだ体育館は
二階に観客席が付いていて
死んだ蛾や蝉がたくさん落ちていた
わたしは
つま先の赤いうわばきで
それらの死骸を踏み砕き
空へ近づこうとするかのように
一人でそこへの ....
ぼくには声はないよ

さけんで さけんで
声はきこえなくなってしまったよ
ぼくは、うたえないよ
ただ、卑屈な笑みしかつくれないよ


正直、今日も死にたいと思っているよ
病気と言って ....
後退する夏の左腕をつかまえて
さみしがる頚動脈にあてがい
しずかな熱をからめる

満たされては退いてゆく
寝息の揺りかご
いちばん弱い部分は
あずけたままで

届かないエアメールの
 ....
遠い海から
知らない仲間と
ここまで来ちゃった

場違いでごめんね

仲間がいなくて
僕だって淋しい

だから
お箸でよけないでね
闇、叫び、月、銀、狼、爪の痕ほとばしる血は昴の花弁


月を噛むアカイ目眩に舞いくるう鴉揚羽の鳴り止まぬ翅音(はね)


雷(イカヅチ)の刺さる。蒼きは明星の息遣い。眠れぬ ....
近づいてゆく
風が乾いた草の匂いをはこんで
近づいてゆく
滅んでゆくものの気配を
怖がらないで足をのばし
サンダルを遠くに飛ばして
近づいてゆく
秋のサテンのやわらかな手触り
私はこの ....
ニコニコと笑う君も 好きだけど
口とがらせて怒る君も 好きなんだよ
怒った顔も可愛いから
ついつい怒らせちゃう


僕を信じてる君も 好きだけど
僕を疑ってる君も 好きなんだよ
安 ....
テーブルにばんそうこうが貼ってあった


また3歳の娘がイタズラしたな、


と思って剥がすとそこには


小さな傷があった
青や緑の絵の具を
うすくのばして
あの透明をあらわそうとして
さっきから
なんども失敗している
{引用=
手をひいて
石を渡る
ぬらりとした光沢に滑らせた足を
からだごと、ぐいと引き ....
良くできたうめぼしは
故郷の懐かしい味がする

すっぱさのなかから
忘れかけていたものが顔をのぞかせて
こんなんだったよね
と問いかけてくれるような

ほどよく皺くちゃで
秋アカネの ....
人工の光に
月の灯も跳ね返る夜

微弱で脆弱な
こころの明かりは
それでも柔らぐことはなくて

この眼では
見えなくても
月の瞳に
海が映るのか
海の鏡に
月が潤むのか

旅立ちはいつだって
こんな夜の、ブルー

マストを背にした
ひとつひとつの心に
青はなにを
語りかけるのだろう



 ....
なにかが欠けていたのだろう
あなたに伝えること

いま
全裸を隠そうとしている
この月のように

僕があなたを
少しずつ愛していった
はずなのに

あなたは
不信で覆われていく ....
吐き出して
吐き出して

郵便局の薄暗がりが頬を撫でる
自動ドアをくぐると
体内時計から螺子が一本
逃げていく
逃げていく
減速度に身を任せ
力を抜いて深呼吸

過呼吸になりそう ....
きみには哲学がない
思想も理想もない
あるのは希望だけ

ボウルいっぱいのシリアルに
冷たいミルクを注いで
シルバーのスプーンで掬い上げる

きみの未来は
とても清潔でひんやりとして ....
かたちのある世界は

祈りのまえでは

透明人間のようなものだ

祈りは

かたちのない世界にある


かたちのある世界で

かたちのないものに祈る


かたちのある ....
夕暮れのバス停で
鳥になるの、と
呟いたきみの背には
小さく
ほんの小さく、翼が生えていて
ぼくは思わず
溜め息を吐いてしまった
 
砂時計の砂を飲み込んで
時を止めようとしたことを ....
器の
壊し方を知っている
けれどもわたしは
外側にいない

器の
壊れ方をおぼえている
けれどもあなたは
内側にいない


 朝と呼ばれるものや
 愛と呼ばれるもの
 ....
君の夏の中に
向日葵は咲いた
去年よりも太い茎で
大きな花を咲かせて

はっきりとした向日葵は
これからしおれてゆくだろう
けれども君はそれを
悲しんではいけない
それが自然なのだか ....
小原あきさんのおすすめリスト(2431)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
午後二時- 美砂自由詩8*07-9-12
浜辺のうた、かた- 銀猫自由詩34*07-9-12
夏の終わり- 吉岡ペペ ...自由詩307-9-12
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寝台車- たもつ自由詩1807-9-12
うそつき- 哀詩自由詩207-9-12
- 恋月 ぴ ...自由詩31*07-9-11
今日の箱- 乱太郎自由詩16+*07-9-11
透いてゆく- 千波 一 ...自由詩22*07-9-11
ぼくらの感想戦- 吉岡ペペ ...自由詩207-9-11
へるぷみー- 携帯写真+ ...407-9-9
赤いうわばきとたいくかん- 吉田ぐん ...自由詩2507-9-7
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ごめんね- 北大路京 ...自由詩23*07-9-5
ちいさなおもいやり- むむ自由詩1707-9-4
夏のあとがき- 佐野権太自由詩28*07-9-4
うめぼしの秘密- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-9-3
この夜- 風音携帯写真+ ...1*07-9-2
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呼ばれている- 千波 一 ...自由詩36*07-8-30
君の夏の中に- ぽえむ君自由詩13*07-8-29

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