明・暗
アハウ

東に開かれた 窓があった
ソファーにもたれて
書物に目を落としていた

部屋を採光された 光が
うねり 本を照らす

読み継ぐ事に 少し疲れ
目を空へと あげる

陽光は石をも貫き 
大地を蹴る
常緑樹のほてり
クモは密かに糸を吐き
銀糸は幾何学に織られている

陽光は なお 語るように
その強弱を波状的に生き
部屋は呼応する 光の乱舞
光と闇が交錯する

読み止しの本は 
活字が輝くそして暗く消え行く
明と暗が争う
小さな部屋

今 天空では
日輪と雲が
ダイナミックに照応して

二者が踊っていて
雲が日輪に会話し
光が闇が増減する

この 空にも この地にも

東に開いた 
小さな部屋でも
明るみと暗さは
渦巻いている


自由詩 明・暗 Copyright アハウ 2007-10-17 20:43:31
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