?.
眠っているとき
おまえは
ほんとうだから
なあ
なんで
眠っているときだけ
おまえは
本当なのかな
?.
....
また会えるからサヨナラと言った
雪の残る街
いつものように見送った僕を
覚えていますか
赤いコートの裾が揺れ
乾いた風に凛と鳴る
あしたもきっと青空だね
ふたり信じていた
....
となりのひとの
新聞
読むでもなく眺めていたら
恋のひやりはっと
って記事が
目に飛び込んできた
おとこのひとに見つめられ
ひやっとして
揺れるわたしに
はっとするってことかな
....
六月の香りの入った
お手紙
あなたから
お久しぶりです
から
始まって
麦わら帽子をかぶった
七月の夜に
なぜか さみしかった
その日の
星がひとつだけの夜に
かわい ....
よく見てごらん
雨がまっすぐに降ってくるだろ
時折り銀色に光るのが
あれが雨の涙さ
空の悲しみが見えるだろ
よく聞いてごらん
雨が小さく跳ねるだろ
時折り痛そうな音がするのが
あれ ....
夜はネンネコリン
お月さまのすべりだい
つるつるすべって夢の中
坊やは銀のお船にのって
夜の国へまいります
夜はネンネコリン
お星さまのガラス窓
きらきらひかって夢の中
坊やは銀の ....
夏の氷は透き通っていた
四角いその宝石を
水の中へと入れると
しゅわぁという音が聞こえた
それをじっと見つめる
自分の中に固まっていた何かと
同じようだった
さようなら
この氷の最 ....
死によって別れるいがい
ひとと別れるとは
公共と自我の
ぶつかりあいいがいない
別れたひとからメールがくる
手術まえの胸を
目で、指で、記憶しに来てくれ
....
白い粒が膨らむ 弾けて落ちる 鈍くハネル
-ポップコーンの散らばった並木道
白い粒が膨らむ 弾けて落ちる 鈍くハネル
-ソーダ水のつぶれる気泡みたいに
白い粒が膨らむ 弾け ....
レコォドの針がぐるぐると巡回する
たちまちこの部屋に横溢する
とめどない狂おしい優しい旋律
作者不明の名曲だ
長い瞬きの後で
果てしない音の海に
ダイヴする
息もできない
雨のよう ....
夏の朝
とうもろこし畑の中に溶けてみた
一直線に並んだ黄緑の
甘い匂いが夏だった
気づけば夏の中に溶けていた
黄色の穂先から見上げる青空は
水を見ているようだった
土から湧き出る水蒸気が ....
3.
1415926535
8979323846
2643383279…
君を永遠に取り囲む僕になる。
コンコンチキチン
コンチキチン
コンコンチキチン
コンチキチン
祇園祭が始まるよ
祇園祭が始まるよ
祇園囃子の音がすりゃ
京都の夏も本番さ
コンコンチキチン
コンチキチン ....
静寂が
哭いている、部屋の
隅っこで
うずくまっている
返らない電波を
無意識に、待ち望みながら
瞼を引っ張る睡魔と
戦う
汚れを知らぬ
白い壁に包まれて
私は寝 ....
俺の君へ
すごく強い俺がいて すごく弱い俺がいて
すごく恐い俺がいて すごく優しい俺がいて
すごく甘い俺がいて すごく辛い俺がいて
すごく明るい俺がいて すごく暗い俺がいて
....
place [pleis] 1場所 2空間 3雰囲気
それは電車のドアの横
1人で寄りかかっているのが心落ちつくの
流れゆく景色を眺めるのも
物思いにふけっても
どちらも悪くない
私の ....
空をこんなきれいな青にしたのは
いったい何のチカラなの
ベニバナのあざやかな黄色
苔と杉の緑のコントラスト
清流の鮮烈な透明さ
鮎のうろこの輝き
うずまく私の耳のデザイン
桜貝みた ....
くろに燻ったぼくのいかりと、きのうのゆめが
ちらかったなつのよる、小さなさんぶんをぬりつぶします。
くれよんとかえんぴつをなめて、蛍のうみをえがこう。
あじさいのはなびらが、 ....
毒薬のような願望を散りばめた、
陰茎の夕暮れが、
いちじく色の電灯のなかで燃え尽きると、
ようやく、わたしの夜が訪れる。
静寂をうたう障子は、わたしのふるえる呼気で、
固く閉ざしてある。 ....
さようなら
なんて
言わないはずだったのに
さようなら
ふたりで作った
桜のしおりは
あの日以来 挟んだまま
日記には
もう あなたのことを
書 ....
友達づたいの言葉に
涙浮かばせたって
真実には映らない
鏡
うそつくことなく
映るのは
白いケーキにのった
季節外れの
赤い苺の
鼻
季節外れの涙
瞳に反射するわ ....
閉めっぱなしじゃなくて
たまには窓を開けて
空気の入れ換えをしようよ
そうすればなにか違う発想が生まれてくるよ
だから窓を全開にして
外の空気を吸ってみようよ
あなたと 命を分かち合う 夏だ
二人で出そうとした 文芸誌
この夏の熱気に溶けてしまった
文化祭のため夏休みを燃焼させた 八ミリ映画
これが あなたの遺影
あなたのスナップ写真
こ ....
「偽りの愛なんて いらない」
そう思って生きてきたけど
嘘でも良いから 好きだと言って
あたしの肩を抱き寄せて
あと百年も 生きていようなんて思ってないから
騙し続けてよ
真実じゃなくったっ ....
朝になって
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて
....
言葉に挑んでみる
言葉の世界は広くて深いので
何もしなければ
言葉に溺れてしまう
バタバタするのではなく
全身を使ってバランスよく
綺麗な姿勢で泳ぐのがいい
言葉に向かってみる
言 ....
いつのまにか
溶け込んでいた、世界と
私との接着面に
体温計をさしてみる
ゆっくりと
開いた手のひらと
大気との間
握ることはせず
また、摘まむこともない
少しずつ ....
悲しく零れそうな梅雨空に、ハグを。
ムカつくくらい綺麗な夏空に、キスを。
在り続けなければいけない僕たちに、ラブを。
恋をするなら
声の素敵な子猫を飼って
恋しい 恋しいと啼かせます
一人の夜に膝に抱いて
小さな頭をやさしく撫でて
恋をするなら
おろしたての靴を履き
街をあてもなく歩いてみます
....
鳥はいいなぁ
と誰かが言った
鳥のどこがどういいのか
説明こそしてくれなかったけど
何となく理解できた
きっと空を自由に飛びまわれるから
なんて単純な理由なんだろうけど
....
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