足りないものが多すぎて
失くしたものが多すぎて
僕には分からないんだ
*
急に空が晴れて
そう思ったら曇って
変な天気が続いているよ
....
ある日
耳を失った少年は
歩いている道で翼を拾った
少年はその翼を背中につけて
ふわふわと自由に飛んだ
何も聞こえるものはなかったけれど
少年は音を取り戻した
ある日
目を失った少 ....
雨が降る
傘をさす
そのときだけは
携帯をさわらないで
ひとりごとを
熟成させていた
接待でつかれたからだ
ぎこちないあしどりで
曳いてゆくわたした ....
朝のバス停に
雨が降っていた
傘一本だけで
自分の身を守っていた
バスは来ない
時折り
普通自動車が勢いよく走りぬけ
傘を前にして道路の水を避ける
気づけば
髪の毛が濡れてい ....
万華鏡
おつきさまをみた
おつきさまもみてる
そちらから見た世界はどうですか
くるくるまわっております
言ノ葉を
発したならば
責任を
出ていったソレは
発信者の意図に関係無く
縦横無尽に動きまわる
言の葉を
発したならば
責任を
あなたに覚悟 ....
埃を拭いて
窓を開ける
三日月が夜を飛んでいる
夜についてる窓を開ける
少し欠けた宇宙が
ずっと故郷を目指している
その故郷の窓を開ける
木の下で誰かが
手を振っている
....
あたしは河だった。
両岸の、
親族と参列者を満たす河だった。
あたしは、
泣いて、
泣いて泣いて泣いた。
やがて涙は両岸に溢れ、
氾濫し、
洗い流した。 ....
吸いかけのタバコを押し当てた
心の奥底に住む陰険な目つきで
こちらを睨み付ける邪心に押し当てた
ジュウっと音が鳴るわけでもなく
肉の焼ける嫌な臭いもない
ただ邪心の高笑い ....
さよならは、さびしいことだ。
だけど、かなしいことじゃない。
お別れは、さびしいことだ。
だけど、かなしいことじゃない。
かなしいことなんかじゃないから、
ぼくは上を向いて、空を見るので ....
寝る前に 歯を磨く
やっぱり「恋」なんてものは 男よりも女のほうが似合うものだと
鏡の中で 奥歯を磨く自分を見て思った
ふたりいっ ....
太陽が安らげる場所を
雲がそっと作り上げ
それに気付いた夜空が
そっと目隠しをする。
荒野だと思えば
ここはそんなところだ
悲しみは哀しみに
それが営みというものだ
ひとりではないのに
ひとりに酔いしれ
それが生身であるということだ
七月の ....
空 海 山 風 水 土
どんなに沢山の言葉をならべてみたって
一文字に思い浮かべるイメージに勝てやしない
解ってるけど
決して止められない
伝えたいのは景色じゃなく感動
....
東京を越えてのどかな場所へ行こう
東京駅からなるべく遠くへ行く電車に乗る
初めは美しいコンクリートの建物ばかり過ぎていったが
だんだんと水田や畑がぽつぽつと見えてくる
終電に着くと ....
いつも誰かを笑わせている人気者のきみを
静かな水色のカプセルの中に
とじこめてしまいたいのです
そしてそのカプセルを
ごめんなさい
誰にも見られないように
てのひらのあいだ
そっと そ ....
暑い夏だと、手がひとりでに動く。
発せられなかった声も、潮風の涙腺にとけて。
装飾のための深い窪みまで、
透き間なく、枯れている、古い桐箱に眠るフィルムを、
年代物の映写機に備え付ける。
....
ほたるがりしたら
おりひめとひこぼしをつかまえちゃった
うちではかえません
とママの怖い顔
しかたがないから
どうぶつえんにあげた
来園者数はうなぎのぼりで
....
淋しさを知らなそうな
青い空に染まろうと
重いペダルを
さらに力をいれて漕いで
汗がぽとり
四十八色の折り紙で
継ぎ接ぎされた丘が
さらに
進めと囃したてて
ぽとりと ....
乾いた灰を
ふるい積もらす
都市の息吹
鋼鉄とガラスの高層ビルの輝き
ターミナル駅の喧騒も
ジーゼルエンジンから吐き出される
車酔いの成分も
灰として積もる
夜の煌びやかな ....
ひとりきり頬杖ついて
ため息つく雨の午後
紫陽花の青い花びら
みつめては悲しくて
まるで報われない恋に落ちた
悲劇のヒロインみたいに
あなたが好きよ
くもりガラスに書いてみても
このせ ....
ビルに横になる 空と心がくっつく
様々な角度から見た景色がビルにくっついていく
巨大な塊となって宙に浮かんでいる
まるでルネ・マグリットのピレネーの城のようだ
どの方向から見ても二次 ....
仕事を終え
パソコンを終了すると
そこには何も無かった
テラテラと光る黒い画面の中に
僕の顔がただ映ってた
三十歳を過ぎた僕がいた
白黒割り切れない僕がいた
....
おまえがまっすぐまえをむく
なみだこらえてつよいかおをしている
わかれのくるまのなかでおまえはないた
おれもはじめて
おまえにきづかいもせずにないた
さいごのひ
さ ....
ぼくたちの先生はいつも
ぼくたちにはできないことばかり
言っていて
ぼくたちができないと
何をしてんだと
いつも怒ってた
隣のクラスは
優しくて人気のある先生
楽しそうに過ごしてる ....
ちょっと足らないだけだものね
八時二十分を指している
あなたの眉毛の上に
ボールペンかざしてあげる
いざ出かけようとしたら
小糠雨降り出して
傘を差そうかどうしようか
迷うのにも似て ....
{引用=
くろ、ぼくら くろになる やまどりと まつばやしが
よるに のまれて しずみ ささやく 「いいか、めを その高音域の 大きな歌が
とじる かんかくを きく ....
満天星というと
ドウダンツツジのことだったり
するのだが
いつだったか見た夜空は
まさに満天星という感じで
あれはいったいどこの
キャンプ場だっただろう
キャンプ場の中に
アーチェリー ....
あたしを土壌にして
きみの心を蒔いて
あたしは水をあげて
とけて
てのひらかざすみたいで
自由の光りは湾曲して
吸い込まれて
それって
ふわふわで
白いの息だよねって
....
すべてのロールプレイングゲームをクリアした後に
俺たちは眠い目をこすらないまま
ラストオナニーをはじめる
すべてのロールプレイングゲームのエンデイング
すべてのロールプレイング ....
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