外は春を告げる雨が降り出したので
虫屋さんで雨宿りをした
煙草の煙はたちまちに水の向こうへ消えてった
虫屋さんは黙って雨粒を数えていた

外は夏を告げる雨が降り出したので
どの部のかわから ....
君は甘い物が大好きだから
尻尾の部分は僕が食べるよ
それで君が満足するなら

君が風邪を引いた時には
掃除当番を交替するよ
ゆっくり休んで元気になってね

手を繋いで道を歩き時には
 ....
僕は簡単に逃げ出す性格だ。

そして薬を飲んで
簡単に死んでしまったみたい。

気が付けば
真っ白な雲の上だった。

あらら。
マジで死んじゃった。

頭をポリポリかいてると
 ....
荻窪の町には昔ながらの駄菓子屋がまだあり
自分の足音がちゃぁんと聞こえてくるのです
ゆっくり道端の雑草や花に目を向けたり
空を音もなく区切る電線に止まるすずめを数えたり
荻窪の町には年老いた夫 ....
それって秘密だよ
思わせぶりに微笑んだ
あなた
ドラえもんじゃないくせに
ポケットから何やら取り出しては
桜の木に振りまきはじめ
(まだまだ寒いよと眠ったままなのに
まだかまだかと貧乏揺 ....
久々にハラピンの所へ行くと
焚き火をしている
煙がもくもくと空に消えていく

声をかけると
慌てて後ろに隠したものがある
あれはまさか
原稿用紙

ふざけんなよ
俺はハラピンを怒鳴 ....
ココロ揺れた。

コロコロ揺れた。

何に揺れた?

青空、揺れた。

珈琲、揺れた。

月も揺れた。

星も揺れた。

ココロ揺れた。

コロコロ揺れた。

揺れ ....
ひとひらひとひらと
空から雪が舞い落ちて
小さな小さなその粒は
一つ一つの言葉のよう

ゆらりゆらりと
空から風が吹き流れ
右へ左へ漂いながら
言葉と言葉をつなげ合う

ひとひらひ ....
背が高くて猫背のハラピンが
丸めた背中の内側で何か書いている

「せいかつのために詩を書いてるんだ」

試しに読ませてもらうと

{引用=「星」  作 ハラピン

星をひとつぶ食べた ....
百の{ルビ眼=まなこ}で見ることができたら

きっともっと自分の可能性に

気づくことができるのだろう


千の眼で{ルビ視=み}ることができたら

きっともっと{ルビ他人=ひと}の ....
むかしむかしの
おおむかし


このあたりはジョーリングという
若い貴族のおおきな私園であった

ジョーリングにはヨニドナという
美しい妻があった

ふたりは清き心と身を持つ
神 ....
ぼくのモンスターにふれていいよ
きみのくちぶえはすてきだから
いいおともだちになれそうだ

ほら、この毛並みとか、どう?
なかなかいいでしょ
とくべつだからね
ひみつだからね

しず ....
草をもふもふかぴばらさん

UFOキャッチャーでみた時に一目惚れ

私の大事な宝物です
汽車に乗って

飛行機に乗って

きみの元へ


卒業したら・・

春休みになったら行こう
そこには誰もいない
そよ風の吹くガーデン
椅子と
テーブルと
お茶セット
バラの花びら

わたしは見ている
風なんか吹かない場所で
誰もいない場所を
見ている
姉ちゃん
ちょっと
大丈夫?・

まぁ
楽しいから
いっか・・

いつかさ
まぁ
いろいろ
話せたら
いいね・

ちょっと
落ち着けよ・・
もう大人なんだから
17歳の春を覚えている
高校二年の春休みの夜
死に気づいた

いつか死ぬんだ

そう思って
胸が締まって
吐きそうになった


生きたいと思った

僕の意識が
僕のカタチが ....
レジに並ぶ
買いものかごには
陳列棚にいた
やせ衰えた犬が入っている
丸まることもできず
横倒しに細長い
耳を澄ませば微かな息遣いが聞こえ
たぶん生きているのだと思う
レジを抜 ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
大空の下
風に吹かれ
また旅立つ
木々は揺れる

大海の中
泡を吐き
沈んで行く
気持ち良い

波の音
心が休まる
心が純粋になる
心に平安が訪れる

無になる
空にな ....
例えば100メートル走なら
パンッてなるピストルで
例えばオーケストラの演奏なら
スッと構える指揮者で
例えば私たち人の誕生なら
オギャーッていう泣き声で

たった刹那に起こるそれで
何かがはじまる
プレゼントには


口紅を買って頂戴




貴方に少しずつ、少しずつ


返してあげるわ
お父さんがくれた

真っ黒のカメラ

聞いたら

おじいちゃんからもらったんだって

おじいちゃんに聞いたら

おじいちゃんのお父さんからもらったんだって

ひいじいちゃんはもうボケちゃって

私のこ ....
{ルビ都会=まち}のなかで

電線に絡めとられた満月がわたしを見下ろす
おまえは自由なのだとでも言いたげに

「ほんとうのしがらみは見えないものなんだよ」
とつぶやいて

蛍光灯のした ....
  1.永遠の序章

(総論)
一人の少女が白い股から、鮮血を流してゆく、
夕暮れに、
今日も一つの真珠を、老女は丁寧に外してゆく。
それは来るべき季節への練習として、
周到に用意されて ....
{引用=
クラヴィ・ヴィエイヤールは小さかった

どのくらい小さいかというと あなたのまぁ 半分くらいで


俗に 小人と呼ばれる 種類の人間だったのかもしれなかった

けれど

 ....
やさしいひとはすぐに
かなしくなる

やさしいから
かかえこんでしまって
もっともっともっと
かなしくなるのに

だれかのことばかり
おんなじこころに
しまってしま ....
私たちが住んでいるこの地球は

大気があり

水があり

そして生物がいます



太陽系の9つの惑星と60個以上の衛星のどこを探しても

そんな星は地球だけです
 ....
人生ばら色の花を
咲かせましょう
咳を一つしましょう
人の気持ちを感じましょう

ほとばしる愛は
絶えることなく溢れ出て
一緒に泣きましょう
一緒に笑いましょう

常に笑えるような ....
風とは

速さでもなく
強さでもなく

遠さです


風を思うとは

遥かの遠くを思うのです
小原あきさんのおすすめリスト(2431)
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