異常気象の年の冬
街に米が降った
街と言っても
そこはかつて
田んぼだったから
不思議なことではなかった

スコップで
米を側溝に流しながら
街の人々は言う

この降 ....
かんらんしゃのまどから
みたけしきをおもいだしている

ひとがありみたいにちいさくて
たてものもおもちゃみたい

ゆいいつおおきくみえたのは
あおいそらとしろいくも

お ....
かなしいときに
ねぎを刻む

そういう物語があったけれど
わたしはじぶんがじゅうぶん青くさい
ことにへきえきしているから
ことさらに平気な顔して大根を刻む
まっしろな朝、まっしろな腕 ....
起こすとまだ寝ていた

いまなん時かを教えて

四十五分にまた

電話すると言ってきった

それまであと二十二分ある


そばにいてあたためていいか
たんぼにたって
まっている

めをとじながら
まっている

いなほをざわめかせて
やってくる

かぜの
れっしゃを
 
 
あのよからやってきた
こどもがひとり

このよのしくみを
しりはじめている

あのよへいった
かつてのこどもも

しりはじめている
おなじそらのしたで
 
 
 
 
きみとはじめてあったとき
きんちょうのあまりしたおなら

きみはこえとまちがえて
えっとききかえした

ぼくはおならみたいなこえで
なんでもないよといいかえした

そのあ ....
水平線に身をゆだねて眠っている
海面は揺りかごのようにゆらゆらと子守唄をうたう
水温はいくらかぬくもりを帯びてわたしを包む
羊水、とは確かにちがう
わたしと海の関係は、母と子という繋が ....
 
 
もう解約したはずの
父のメールアドレスに
メールを送る
すぐに返事がくる
なんだ
やっぱり生きていたのだ

Delivery Status Notification (Fai ....
さっき
セックスをしながら
メールをうってて
いきそうに
なったときに
「イク」

送信
して
しまった
ことが
ある人とは


ひらいて
話しを
しても
いー ....
{引用=憂鬱な目覚まし時計、日常へ旅立つ自転車のペダル、決曜日


ぽっかり空いた胸ポケットに立葵を活ける、華曜日


眠れる森に訪れたファーブルたちの欠伸、睡曜日


静かなく ....
{引用=頂点はさらに、高さを増す。塔の上に塔を
重ね、そのようにして時代はいつも、賑や
かに葬られていく。足元には、無数のメタ
セコイアが植えられ、手をのばして、空を
仰いでいる。道は、休むこ ....
足の裏に雨がついた
足の裏からむこうが水の世界になった
ゆうらゆうらと ひったんひったんと
足の底から水がせまる

私はいっそお願いと
沈むチャンスをうかがっている

雨は惜しみなくふ ....
 
 
詩を書くときは
人間を
あまり書かないほうがいい

どうしても
書かなければならない時は
人間の
うしろ姿を書くほうがいい

そしてその先にある
地平線にまだ
赤く燃 ....
季節風にはためく
夫のシャツを抑え
ベランダで
腰に手を置く
幸せに色があるなら
白かもしれない
ぼんやりと
シミの落ちない白を
眺める
 
 
きらきらと
光が降りている
あれは神さまが
写真を撮っているのだ
という話を
君としたかもしれない
木漏れ日の下で
あの日僕らは
どんな生き物の姿で
 ....
春「許せない春」


桜ふぶきが目に入る
淡く、幼い恋に似ていて
ほろりと涙がでた

花びらをひとつ
つかむと握りしめていた
肩をなでていく、風を感じる

許せるものを
この手 ....
 
 
かあさんが
ぼくをみとった

そのひとが
つまなのだと
きづいていた

かあさんが
ぼくをみとった

そのひとが
むすめなのだと
きづかなかった
 
 
この畑では猿を作るという
春のある朝 まだ暗いうちに
大根のような葉を茂らせた畑から
泡の弾けるがごとき音を出して

猿が飛び出る
猿が土から勢いよく
無言で かつ しかめつらをして
 ....
 
 
やはんすぎから
ふりはじめたあめが
あさめざめると
やんでいる

それはきっと
そぼのしわざだ

まいあさ
ひめくりをめくる
そぼをみていた

しわだらけのゆびで
 ....
 
 
いつからか
りょうしんのせなかに
はねがはえている
まだそらをとべるほどではないから
あんしんしてるけれど
それはすこしずつ
おおきくそだっていることが
あうたびにみてわかる ....
薄暗い放課後の理科実験室で
やさしさの裏側を顕微鏡で覗いている
数名の男子が抱く女子への幻想があるかもしれなくて
もしくはどこか悲観的に
いくばくもない生命のおわりが映るような気もして
 ....
今日は僕の
春の挨拶ってことで
まあ
好きな言葉は
「言わぬが花」
好きな視野は
いないないばあってされた時に
うっすら指の隙間からもれる
あなたの笑顔です


モットーは
しなやかな心
っていう ....
彼ら探偵は真実について何一つ知らない
ただ方便を使うのだ
これらはまやかしであり、例え話である
だがこれでほとんどの問題は解決してしまう
なぜなら人々が持ち込むほとんどの問題も
またま ....
清掃のアルバイトをしながら
陽射しに当たりすぎると疲れるのはなぜだろうとふと思ったとき
太陽は
すべての生命から養分を吸い取って存在しているのかも知れないと閃いた
光のような触手を俺た ....
あの子が描いたはじまりの色は
指で押さえたキャンバスの少しずれたところにぽつんとあって
じいっとそれを見つめていた

描き出された自画像の背景に色をたしてゆく
淡いブルー、またはグリ ....
家に静けさが降っているとき
五人の家族の顔は
お互いそっぽを向いている気がする
わたしはひとりで居間にいて
天気が悪いからって
掃除機をかけようかどうか迷っている

母は体調が悪 ....
しんじまったかなしみは
かれたんじゃあねえ

あるんだよめのまえにあるんだよ
みずがすぐにいくぞとまちぶせている

そこにことばはなにもなかったんだ
{引用=夜の階段を下りて
一階はとっくに海に沈んでいったので
その、密やかな貝を避けながら
水の中につま先をいれる

どこまでも透明な
水晶を重ねて束ねて作った
深海は 魚を飲み込む
 ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ

夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを

縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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その夜- せかいの ...自由詩1410-12-7
いいか- 吉岡ペペ ...自由詩510-11-26
風の駅- 小川 葉自由詩510-11-23
同じ空の下で- 小川 葉自由詩210-11-22
おならの告白- 小川 葉自由詩210-11-21
そら耳- かんな自由詩5*10-11-20
メールアドレス- 小川 葉自由詩810-9-8
「イク」- モリマサ ...自由詩2810-9-5
七曜日_(即興七行詩)- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...30*10-7-5
トーキョー- 望月 ゆ ...自由詩32*10-7-4
水鏡- 朧月自由詩510-7-3
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木漏れ日カメラ- 小川 葉自由詩14*10-5-26
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- 春日線香自由詩310-5-20
空色めくり- 小川 葉自由詩3*10-5-14
とり- 小川 葉自由詩810-4-27
やさしさの裏側- かんな自由詩21*10-4-23
こんにちは- かんな携帯写真+ ...2*10-3-12
詩的探偵事務所- 馬野ミキ自由詩210-1-3
太陽- 馬野ミキ自由詩509-12-31
捨て色- かんな自由詩5*09-12-6
静けさが降る- かんな自由詩9*09-11-11
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水槽- もも う ...自由詩42*09-11-6
抜くひと- 恋月 ぴ ...自由詩39*09-11-3

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