蝕んでいく
内からも
外からも
不用意に赤く
醜く膨らんで
わたしをじわじわと
壊していく
慣らしていく
腐らせていく
絶望の色は
必ずしも闇と同じではない ....
居場所を求めた僕に、それは貰えなかった。
心地好かったはずの、あの場所には僕からのサヨナラ。
君は、僕に微笑んでくれた。とてもとても、ゆっくり休めた。
アリガト。
けれど、そん ....
ぬるく湿った風が
渇いた僕の心を撫でる時
蘇る17の記憶
どこまでも尖る
突き破る膜
水の音
夏の匂い
甘いストロベリー
待ちわびた8ヶ月
すぐにはじけた丸い惑星 ....
いとなみのなかの火の合い間に
そそがれる水の熱さを見ている
波に至る前の波
拙いはじまりのはじまりを見ている
橙色が溶けてゆく
水は
話しつづける
霧 ....
身軽な体は躊躇せず
次のターゲットを見つけ
ヒラヒラと踊り舞う
あなたの瞳にうつる線香花火
虫、土のにおい
生あたたかい風
首筋ににじんだ汗
二の腕に感じる体温
濡れた睫
子供がはしゃぐ声
束の間の沈黙
堪えきれずため息
....
イデオロギーの対立なんかじゃない、
みんな、わがままになっただけだ。
政治家も学者も社長も、詩人さえも
伝わらないようにするのに必死だ。
偉い人たちは、みんな
....
もう新しい朝が来た
まだ何も終わっちゃいないのに
どう見えるかは知らないが
ただ祈り続けたいだけなのに
空に煌めく金色が聴こえたら
目覚めることから始めなくてはいけない
可か不可か ....
君が生きていることを嘆きながら
霞んだ視界を憂いてみる
捉えられないよ、君の嘘は
何処にいるの?
見えなくなるよ
不器用な手つきで奏でる日々
悴む指を覚えている
空を飛べる君には聞こ ....
0次元は点
1次元は線
2次元は平面
3次元は立体
…
n次元なら雲を掴めるかもしれない
どこまで行ったら
あなたの心を掴めるのだろう
並んで座っている父が
僕にもたれてくる
落っこっちゃう、と言って
体を預けてくる
床から目まで
わずか数十センチの高さが
怖くて仕方ないのだ
ねえ、お父さん
お母さんや僕の ....
季節を急ぐように咲く
あのブーゲンビリアの花のように
突然泣き出した
あなたは
底なしの悲しみの底に向かって
うつむいている
ブーゲンビリアもうつむくように咲く
けれどそれはうつ ....
ぼくには、会いたい人がいっぱいいる。
それってすごく、しあわせなことじゃないかな。
また会える人、もう会えない人、いつか会える人。
その、みんなに会いたい。
こんなことを考えている ....
この世には
憶えることが多すぎる
虹の色の数 足す
闇の色の数ほどで
いいのかもしれない
瞳を閉じて
耳を塞いで
息を止めて
そして世界を遮断して
残った唇で君にサヨナラを
聴いてる唄に、ノイズがはしったのは。
コンポのせい?
俺のせい?
星が、ゆらゆら、きらきら。
綺麗な星が見えるよ。
ねぇ。
うすむらさきの雲の向こうで
夕日がしずむ
水羊羹の表面を
スプーンですくうように
なめらかな冷たさを泳ぐ
信号機が ぱっぽう、と
くりかえし諳んじて
歩道橋はひとの重みにたわむ
み ....
待っていてね
今、食事作るから
今日は梅雨が旬の鰯で
蒲焼にするから
タレは
醤油とミリンと酒を
同量が
ポイントです。
笑顔の食卓
楽しいおしゃべり
今日は機嫌が良い
....
梅雨の中休み
夏に急かされることもなく
冷房の効いた部屋で
午睡に委ねようかと欠伸をする
いつもよりほんの数ニュートンだけ重力が大きくて
明日また雨雲が訪れたなら
雨粒の重みで紫陽花の ....
白いシャツに反射する
その眩しい光
瞼を閉じても
君の残像に支配される
雪解け水が湧く頃に
キツネの蕎麦菜を食べに行きます
湿原は今日もしとってて
湿原は今日も青い空
キツネの蕎麦菜をからりと揚げて
天ぷら蕎麦をばいただきましょう
店の名前は玉藻亭 ....
海よりも大きく、包み込んで。
見守ってくれる。
大地が母なら、この空は父ですか?
どちらでも良いですが、
あなたたちのおかげで、皆、すくすく育っています。
いつも、本当にありがとう。
きれいな発色
間接照明
心がくつろぐ
天井が高い
広い空間
背の高い外人
有能なカップル
日常から離れた時間
すてきな日曜日
雲もなく
晴れている
お下げの子
目に映る目
わたしの目
わたしを見ない目
片方の帰路
世界は座る
金と緑
光のなかの暗さに手を染め
窓の奥の星に触れ
重なり飛び去る 灰のはざま
崖に ....
鮮やかにアジサイの色満ち満ちて伝道に妻と訪ねし家
水無月の午後の風頬吹きて妻と訪ぬる坂本の街
日曜の会場に人あふれ聖書を語る若きクリスチャン
君が指先に残した温度が
痛みのない傷となって
つま先までかけ巡るあいだに
僕はカップにへばりついたコーヒーの粉みたいな
君の思いを辿る夢を見た
逢いたいと呟いたところで
有限の時間の中 ....
誰の心にも 深い井戸があって
暗い水面からは いろんなカタチが
遠く響いてくる声に形作られ いつのまにか表れ出てくるのです
彷徨っているのはだれ?
さまよっているのは
掛け金を外さ ....
詩に罫線はいらない
その行間に
ボクの音楽が
流れていて
君のことばが
隠されている
詩に地平線はいらない
その文字の歪さが
ボクのココロの
ゆらぎ
....
色褪せたシャツをきて
晴れた浜辺から 沖に ボートをこいだ
水面は
ゆるい上り坂
重たい白砂は
底にしずかに揺れるだけ
ぼくはウミネコに敬礼をし
ウミ ....
私は昔人魚だったのよ
と
全てが終わった後に彼女は言った
確かに
彼女の両足は
かかとから
太ももの後ろにかけて
大きく長い切り傷がある
王子様を捜しに2本の足を作って貰ったの ....
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