黎明は午睡の中
夜明けを望まず
覚めない夢を見る
もう目覚めないで
『眠れる森の』
知人が交通事故で
植物状態になった
あまり親しくなかったが
....
とある人形師が
水晶と真珠と白金を使つて
一体の絡繰り人形を作つた
(キリキリキリキリ)
人形は命も無いのに
笑顔で首を動かして
(キリキリキリキリ)
....
それだけじゃどうしようもない
どうしてあの時それに気付かなかったんだろう
どうして誰も悪くないことを
私は未だに納得できないんだろう
ころん
ころん
こ ....
ねえ、君よ
扉を開けば
いつもの顔でいるんでしょ
返事をしてよ。
動いてよ
こんな現実見せないで
冷たい君など抱きたくない
動かぬ君など見たくない
君よ、君よ…
また君に会い ....
ぼくはキミの七色の天使
キミが笑ってるときも悲しんでるときも
怒ってるときも泣いてるときも
ずっとずっとキミの隣にいた
人間はぼくのことを気付いていない
キミもぼくの存在 ....
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
ほとんど死んでる
みたいなぼくは存在も危うく
ここにいる
さっきも目の前を横切った人はいたけど
ぼくを助けにきてくれたんじゃない
月明かりにてらされ
少しわれを忘れ ....
とうめいのくま
くまくまと
ぼくのそばにきて
ほほえんだ
でも とうめいだから
そんなきがしただけ
とうめいのくま
くまくまと
さっていった
....
1陣の風突っ切って
2つ目の角を曲がったら
3軒隣りの奥さんに
4度もくしゃみをプレゼント
5秒の間に
6里を走り
7つの海をまたにかけ
8コの街に季節を告げる
9【く】労もしたが ....
浅草の古い映画館が
今年いっぱいで閉館になる
その知らせを聞いたのは
年も暮れかかっている師走だった
『映画館の恋人』
祖母は映画好きな人だった
忙しい母に代わ ....
貴方のことが好きでした。
それこそ好きで好きで好きで
貴方のためなら何でもしてあげたかったです。
自分よりも貴方の方が好きでした。
私だけのもので居てほしいと
何度望んだ ....
僕はペンギンのおなかが気になる
あれはかたいの?
それともやわらかい?
ペンギンがやってきて
僕をみて ほほえんだ
おしてもいい?
ペンギンは駄目だという仕草をして
帰っていった
....
最期の最期で
酷いことをする私を
憎んで下さい
私は明朝に死にます
信じられないことかもしれませんが
ちょうど三年前
死神が枕元でそう言ったのです
死 ....
暗いはずでした
起き上がっても
見えるわけがないと
思い込んでいました
ふすまを開けて
階段を 見下ろすと
一段 一段
角も はっきり
見えるのでした
外に 降り ....
メロスが走っていた頃
大半のメロスは
走ってなかった
セリヌンティウスが王に囚われていた頃
大半のセリヌンティウスは
自由に街を往来していた
少年の青白く細い指は
ページをめくり続け ....
シリウスが綺麗になったから
息子と一緒に
夜の海へ出かけた
星の匂いが鼻をつく
息子の手には
骨董レベルの携帯が握られていて
それは
息子の母親の持ち物だった
....
最近寝ても夢が見れなくなった
夢テレビが壊れて何も映さないらしい
町に買出しに出かけた
毎晩毎晩使うのだから
やっぱり今の時代夢はカラーだと思ったり
....
{引用=私と奴は 僕と奴は
お世辞にも お世辞にも
仲良しとは言えなかった 仲良しとは言えなかった ....
てらてらひかる 満月の夜
年老いたゾウは 檻の外を見ている
外はすっかり 秋の装いだ
どおりで最近 足の筋がしくしく いたむわけ
長いはなで 鉄柵に触れ
静かに眼を 閉じてい ....
僕はスプートニク2号
地球初
気密室を搭載した
宇宙船
まもなく
僕は
他の兄弟と同じように
宇宙の塵となる
鉄の塊
その日
僕の部屋に来たのは
いつ ....
幼いころ ダンゴ虫をくるっと丸めて
小さい 小さい指で ぴんっと 弾かせて
ぐしゃっと 潰れてしまった
命の大切さを 知らなくて ごめんなさい。
中3のころ {ルビ休憩人= ....
結婚しよう
と君は言った
僕がコップを洗っているとき。
いいよ。
バスの回数券を一枚ずつ切り離す
私たちの遊びは既に失効している
終わりがないプレイルームで
延々と始まりだけが続き
つまるところ距離が無いという意味の部屋で
初めて見た虹を汚らし ....
サツマイモもらった。ついついさっきまで土の中にいたサツマイモだよ
サツマイモ食べるよ。土から掘り出したばかり、今度は体に入れるよ
サツマイモ、アルファー化した澱粉の色かな。きれいなレモン色 ....
オモチャ箱には
彩り鮮やかなブロック
そのひとつひとつを
あちこちから眺めては
思うがままに積み上げる
時にはいびつな格好に積み上げては
夏の終わりを告げる土用波に
あっさり崩さ ....
地球はキミの為に回っているんじゃないと
言われた夜
ワタシは地球の為に生きているんじゃないと
川にサラダオイルを3本流した
地球を壊しているのは
人の心を壊している人の心だ
ちっこい奴がいます
ちっこい奴は大きくなろうと頑張っています
けれど・・・
ちっこい奴はどんなに頑張ってもしょせんちっこい奴なんです
だけど・・・
ちっこい奴は大きな夢が ....
きのうの僕はつらかった
きのうの僕はかなしかった
だけど めざめたばかりの僕は
一枚の白い画用紙
つらい色をぬらないでおくれ
かなしい色をぬらないでおくれ
....
朝 それも早朝に 昼の風景を見出せるように
昼 それも真昼間に 夜の風景を見出せることが出来て
夜 それも深夜に 朝の風景を見出すことが出来た
はやくから干された洗濯物には 昼の ....
{引用= 愛の言葉 一つだけ囁く
ポタリ}
これこそが 線香花火の 悲しさよ。
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