堤防を歩いた
日差しを受けた
明るい水面が
僕にウインク
ここで新しく始めよう
堤防を歩いた
心地よい微風
足下を見ると
ひび割れたコンクリート
写真 ....
自分をなくしかけたような記憶の中
渡しかけて返されてしまったラブレターに反芻している
夜のすさんだ雨を降りしきる苦悩に立たっていた
そんな世界の中に忘れた彩りのような
ぼんやりとしたスモッ ....
喫茶店のいつもの席で読みかけの本を開いた
「お一人様ですか?」と店員に聞かれ言葉に詰まった
近くの席で若いカップルがコーラを注文した
飲み干した後の氷を噛む癖を彼女が注意していた
途切 ....
千夜一夜
回転しながら
浮き沈みするリビドー。
スルタンの青い宮殿の奥深く
幾重もの厚い石壁に隠され
永遠に閉じ込められた
千人の女たちが抱く
太陽の宝石
飽くなき欲動。
薄いヴ ....
・地平線の夜
適当にゆうごはんをすませて、空気の音をきく
たったそれだけのことを
誰もしようとしないから
・轟音生活の末
誰かの心臓がさよならを告げる
なみだの氷で世界はまた少し、冷た ....
老いさらばえた者の投げる石は
無機物であり卑屈なものだ
若く猛々しい者よ、思いきり石を投げろ
その有機物としての生命をぶつけろ
陰湿な世界を砕き散らせ
俺達こそ ....
今日も笑えていますか?
くせ毛はいい感じですか?
また、考え込んで
難しい顔をしていますか?
筋張った指先。
吐き出す白い息。
きしむ床。
靴と床の摩擦の音。
軽快なリズム。
心地い ....
僕は月夜
僕の飲む
お茶は熱い
氷は溶けて
水の中にある
トーストの切れ目
ジャムを塗り込む
左に茶葉
きっと苦い色
髪をすくう街路からの星
冷たいテーブル
....
日本史の授業、
カゼで教室には二人だけ
先生はつじつまを合わせるために話しかける。
私はそれに乗っかっていく
言葉がやり取りされる中で、
「飴玉」なんだと思った。
止まってべたべたしす ....
遠くでサイレンが鳴っている。
もっと遠くでは、
銃声が聞こえるだろう。
二月のような寒空の下
一寸先の光を手に入れた
何も、何も映りはしないけど
君の喜ぶ顔を思い出す
陥れようと
掘った穴に自分の足を喰われる
ゆかいな事件だが
後をたたない
のさばる犯人の名前は
憎しみ
醜い 顔をして
人を恨んでる
悪意は まるで麻薬
綺麗な心は なく ....
とうめいさを
いつまでも盾にしていられないので
やぶり取られることに怯えている
肉の壁をおしつぶして
いたみと寄り添い
静寂の根本までおちてゆけたらいい
くずれかけた砂の橋も
ほこり ....
初めて外に出た少女は
世界の広さを知らなかったから
庭を囲む高い塀など気にもならなかった
ねずみいろのたかあいかべさん
少し背が伸びた少女は、ある日ふと塀の向こうに気づいた ....
母老いて
ふるさとは雪
冬の星
書きかけの詩を、電源ボタン2回押しで消してしまった。
生まれかけたのに、殺した。
言葉を、
心を、
三十年ぶりに会った母
記憶の片隅にも無い母
けれど会った瞬間に
本当の母なのだと実感した
今まで母(と呼んでいた人)に感じていた
違和感の訳がわかった気がした
何故だかはわからない
....
空が綺麗だったことを、
誰に伝えたら良いか、
解らなくなりました。
いくら口にしても、なかなか伝わらないから。
君にキスをしよう。
僕の溢れる想いを、注ぎ込もう。
きっと、いつもと違う気がするから。
あきれるくらいに騒がしい日々
今日もだるい体を無理矢理起こした
歴史の教科書は重くて
過去の寸劇をかきしるしていた
落とし穴を掘っては自分がはまるのを繰り返していた
更新 ....
虹
少しだけつまずいて 人が見ているうちは
おどけた顔して笑って見せて 誰もいない場所で一人泣いた
何処までも続くストーリー どうやって進めば正しいのか
知らされぬまま旅は続く 立ち尽 ....
ぽたぽた
しとしと
ざぁざぁざぁ
雨が降る
雨が降る
天(あめ)が降る
それは那由多の禊水(みそぎみず)
はたまた無限の荊の矢
あぁ主よ
これは我 ....
僕のこの眼が意味を失しても
君は綺麗な声で唄い続けてよ
逃げ水のような明日だとしても
脈の鳴る場所へ潜らせて
この景色が終わりに向かっても
君の幼げな声で示し続 ....
雪に落ちた足跡を辿り
君を追いかけた
延々と歩きふと気がつけば
足跡は途絶えて消えて
羽ばたきが聞こえた気がして見上げた空から
雪に混じって一片の羽が降る
そう
君は手の届か ....
未来は光より早く進む
知識の海は今日も荒れていた
僕が死ぬ夢を見た
気が付いて目覚めたら帰りかたを忘れていた
約束の時間には間に合いそうになかった
想像は毎回期待していた ....
顔を見たくて写真を見たら
余計にさみしくなりました
涙で溺れはしないでしょうけど
半身浴ならたぶんできます
輝く人に、憧れて。
それでも私には、何も無くて。
何も無いまま、こんな所まで来てしまっていて。
これからの私に、何が出来るだろう。
ごちゃごちゃと、色んな想 ....
空の写真を送ってくれる?
たとえこの空を見上げても、
繋がった空だと知っていても、
天気が違えばきっと、ほら、
心は心許ないし、
天気が揃えばやっと、ほら、
心細さが吹き飛 ....
寝れない夜は
眠たくない夜は
聴き飽きた音楽と
読み耽る文庫本
イメージのその先に
詩を書き留めた
ストックワールド
虚無感
半壊
地球儀を指で回して
ゆっくりゆっくり
昔
昔
祖父が本に囲まれて
座っていた頃
埃
染み
肘掛椅子
今
座ってみる
優しい
懐かしく
泣 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58