白く輝く
美しい雲の階段が

地平の彼方から
こちらに向かってのびている

ほんのわずかな時間だけ現れる
天空への道は

月へ帰っていった
かぐや姫が

今にもでてきそうな気配 ....
子を産めない僕は代わりに詩を書き
生命の創造

不平を言うのが仕事です
どうしたら満足かわかってない

これは難しいことだよ
要求に際限がない

僕は満足してるので
そうでしょうね ....
ぐるりぐるりと転回する部屋で
私は少しずつ分解していく

痛みは窓にへばりつき
記憶は本の隙間に潜り込み
眼差しは水蒸気となり
哀しみはテーブルの上を滑ってゆく

残された私の 透き通 ....
降りそそぐ朝の国を
友は つくりました、かがやいた希望が
みんなには望まれないまま真実に
ちかづく昼をまつこともなく
友は 死んでいました、なにかつたえたくて
ちいさな国をつくり
わた ....
少しの幸せならどこにだって転がってるって軽くあしらってたらその先の大きな幸せにも気づけなくなってしまう
少しの不幸せでいちいちドン底に突き落とされてたらその先の大きな不幸せに耐えきれなくなって手足を ....
白い駅のベンチに
坐っていると
うつろな心臓を
ひとつの喪が
列車のように通過してゆく

それとは関わりのない
やわらかな事象として
少し離れたところに
色とりどりのチュ ....
鍵を右に回したなら

右の扉の錠が回って

鍵を左に回したなら

左の扉の錠前が回る
あの路地を曲がれば
糸杉の垣根がみえてくる
トマトを見つめる匂いのなかで
ぼくは牛乳を買ってくるのを忘れた
たどった路を戻りながら
牛乳 牛乳とつぶやいた

こんな時間に牛乳屋はやっ ....
喉から風邪をひく君の涙を僕にくれないか
紅茶にいれてくれないか

ヴィーナスの天秤が贋物の金貨を探る

うさぎを追いかけるのは僕の役目じゃないからね
君か僕らの娘に追いかけて欲しい

 ....
あるコックは料理をつくりました。
鍋からはじっくりと煮込まれたトマトの匂い。
テーブルには真っ白に洗われたシーツの上に、真っ白な皿が並ぶのでした。
コックは言いました。
「ひとさじのスプーンは ....
ある時は弟になりました
川に流された弟の
お姉ちゃんとお父さんを励ましました
お母さんはいなかったので
お父さんは一人で子どもたちを育てました
お姉ちゃんはお嫁さんになって
 ....
なにものでもないけやきを伐採
わたしの血はながれないでほしい
いろいろ恨むことをゆるしたわたしは
どの花もゆるせなくてころされた


嘘偽りないものをさらす日々
恥しかない
生きても生 ....
私は 赤

おれは 青

僕は 緑

君は 黄だね

まだ 透明 生まれて 3か月

これからどんな色に染まってしまうんだろ
もしも今夜が最後の夜なら、

誰に知らせるだろうか。

どこに行くだろうか。

どこにも、だれにも、

帰る場所が解らなくなってしまって。

もしも今夜が最後の夜なら、

そん ....
泣くほどの事なのでしょう
向かいにたっている鏡に映る
ただ形でしかないものを見る
泣くほどの 事 なのでしょう

つらいからと逃げられない
逃げ切れないと 千切れて行く
いずれ 切れ切れ ....
淡彩の日常
点描の細かな作業で生きて行く

萌黄色から浅葱色に
いのちを明滅させる蛍

人や物
言葉にぶつかりながら生きる
自分とも

いつでも陰影を想うのです
単純で複雑そうに ....
五月は 人が たくさん死ぬのできらいです。

 ほら、あの人
  むかし
   わたしのあたまをこづいてわらっていた つりめがちの 白い顔
    (彼女は大きな輪っかのうえ 飛んでいって  ....
澄み切った青い空の真ん中で
誰かがきっと泣いている

私はいつも測れずにいる
空想の両手を天秤にして
小さくついた溜息と
少しだけ擦り切れてしまった
透明な羽毛の内包する
輝くよう ....
      あつい雲に夜空は覆われ
      月の光がとどきません
      それでも夜空をみあげ
      かすかな光を探すのです
      愛を謡う千の夜がありました
    ....
臙脂と茜 間の袂が ひらりひらり
本当の気持ちは金が走る襟の下
黒い帯締めや大きな花が散る白い帯で
殺している

恩師が朗らかに告げる
あなたはいつまでも鶯ね
そうおっしゃってくださるの ....
懐には
恐るべき毒を忍ばせておかねばならない
ほんの一滴で
誰しもが息絶えるような毒を
一瓶
忍ばせておかねばならない

コルクで栓をして
いつでも取り出せるようにしておかねばならない ....
去年の年末から
喉の異物感がある


『真珠喉飴』



耳鼻科で鼻から内視鏡を入れても
内科で胃カメラを飲んでも

さっぱり原因がわからない

結局
気のせいだと言われて ....
空が俄かに かき曇り
夥しい白波の下で
大口を開けている 黒い うねりに
咀嚼されていた 北への道程で
私が見たものは
岩礁というより 貴女でした

幼い日 貴女の名を 保護 ....
ぽとり、と蝋梅
黄色い窓を覗く
すると向こう世界の隅で春が騒いでいた

「梅、桃、桜の順で咲いていくのよ」
「そうして、春になるの」

白い酒器の表面に落とされた桜
注がれた梅ソーダが ....
 
音だけが交差する 黒い海

波間にキラキラ 海蛍

お願いだから消えるなんていわないで 海蛍



 
君と離れそうで

とてもかなしいのです

宇宙って僕ときみしかいないのに

どうして会えないの?


幼い頃、「またあおうね」の挨拶は会うでも遭うでも逢うでもなく
すべての可能性を包括していた

loveにもlikeにも捕われず
すきだとささやきたい

漢字とカタカナとアルファベ ....
それはとてつもない絶望であり
そして希望となった

手が白い

夜中二時前のピアニスト
ショパンの英雄ポロネーズが無音を切り裂く

何かを彷彿させてから飛び出す高音
低音も楽しみ ....
夜のインターチェンジは光の花がつらなっているように

僕の孤独にしみわたってくるし

それを限りなくかみしめてきた気がする


つれない過去など捨ててしまったほうが良いのかもしれない
 ....
  もう一人の男が
  頭上にぶらさがった紐を引く
  紐は暗闇に続いているから
  暗闇が落ちてくる
  どさりと一斉に
  砂袋から砂が溢れるように



  完璧に渇い ....
愛心さんのおすすめリスト(1740)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かぐや姫の階段- st自由詩621-10-11
騒がしい沈黙- りゅうさ ...自由詩3*21-7-11
Knock- pochitto自由詩118-5-24
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生きて逝く人達へ- 少年(し ...自由詩116-5-20
春の駅- 塔野夏子自由詩6*16-5-1
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喉から風邪をひく君へ- 北大路京 ...自由詩615-9-17
人の孤独- 藤山 誠自由詩1*15-8-29
黒い犬の話- 小原あき自由詩16*15-8-29
花と星と呪い- 榊 慧自由詩415-8-29
十人十色- 佐白光自由詩1*15-8-29
淋しがりやの夜。- 狠志自由詩415-7-30
なかせないのは- 砂木自由詩5*15-7-19
- 梅昆布茶自由詩1114-10-16
五月は_人が_たくさん死ぬのできらいです。- 御飯でき ...自由詩414-4-21
金木犀の祈り- 夜乃 こ ...自由詩13*13-10-18
月光- 石田とわ自由詩16*13-7-25
振袖の秘密- 緋月 衣 ...自由詩3+*13-4-1
- 水瀬游自由詩212-10-24
真珠喉飴- 蒸発王自由詩2+*12-7-27
Mへの_手紙- るるりら自由詩20*12-4-9
十九歳の雛祭り- 緋月 衣 ...自由詩14*12-3-5
海蛍- 殿上 童自由詩25*12-1-28
ありがとうございます- 梅昆布茶自由詩412-1-12
ひらがななおもい(1/2)- 73自由詩912-1-6
夜中のピアニスト- 緋月 衣 ...自由詩10*11-12-29
夜の漂流と光と孤独- 梅昆布茶自由詩23*11-12-27
もう一人の男- 草野春心自由詩9*11-12-26

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