いつもの席でいつものように
始めましょうかと手を鳴らす先生の
その指先を見てる
思考は明日のその先を見てる
今日の考え事なんてとっくに終わった
私は明日もその先も生きてる
君だって生きてる ....
当然のことだけれど
誰もがどこか欠けていて
欠けている部分を埋めるものを
死ぬまで探し続ける
それが人生というものだよ
という人もいるが
ぼくはそうだとは思わない
多くの人は
欠けてい ....
帰りの道 車内
ふと傷が疼いてさ
なんだろ 考えても思い出せない
たった今あのトンネルをくぐる
裏切りに似た気持ちと共に
君の顔が浮かぶよ
胸を突く痛みの理由を 気づけない
だけ ....
辺りが突然一色に染まり
耳の奥がボーと音を立てる
これはきっと心に続く道に似ている
考えを吹き飛ばすでもなく
やっぱり今日も想いにふけて
あの時の過ち あの日の怒り
あの一瞬の ....
例えば星の海 遠い世界からの息吹
例えば散る花 終わりと始まり
例えば月光 育む源
例えば落雷 胎動
例えば斜陽 温かさに包まれて
何処にだってある
何時もすぐ側に ....
体を強張らせて震えて
逃げればいいのに
逃げればいいのに
右足が飛んできたときのこと
あたしの左目は腫れ上がって
あたしは悲鳴をあげたけど
そんなこともう忘れちゃった
痛くないの ....
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた
同じころ
父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた
隣の部屋の夫 ....
ゴミ箱のふたには
大きく達筆で
燃えないものは
潰して中の空気を抜き
嵩を減らしてください
と記してある
おそらく読者は私だけだから
あらため ....
詩を 描きました。
小さな詩を 書きました。
相変らずそらは 真っ暗だと言うのに
いきがって 小さな 詩を描きました。
トラさんや タツノオトシゴさんは、
もう ずっと ....
帰り道は
昼の天気予報どおりに
激しい雨
ふと視界に咲いた銀色の傘を求めた
縁取り、白
フレームは銀
それを広げて歩くのが
今日の雨にはふさわしく思えて
....
ぼくらのまちにほりえもんがやってきたよ。
いろんな冒険と計算を乗せて。
勝つためにやってくるんじゃなくて利用するためにやってくる。
それをわかってて加勢するやつ。
つまらない中傷でつぶ ....
ひまわり畑の上を
一羽のペンギンが羽ばたいていく
僕はその意味がわからないまま
男の人と手を繋いでいて
見送るより他なかった
ぎゅっと握ると
男の人の手は少し汗ばんでいて
何 ....
「あとにのこされたもの」
雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで
「月は地球の衛星である前 ....
夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影
しゃがんで見ている子供の私
その一点の風 ....
胸の奥につないだ
遠い思い出の時間は
時折
甘美なひとときを
わたしの中に
もたらしてくれるけれど
つなぎめが
とても痛くて
ささえきれなくて
今にも
ぷつんとちぎれて
....
満月は
あしたから
だんだん萎んでいきます
わたしの満月は
いつだったんでしょう
月は
また膨らみますが
わたしは
もう膨らみません
子どもじゃあるまいし
....
母さん。
初めてぼくが笑ったのは、いつですか。
母さん。
ぼくに初めて友達が出来た日を、覚えてますか。
初めてぼくが熱を出した時、大変だったでしょう。
母さんのお粥は ....
詩は、言ってみれば中途半端である。行の終わりに辿り着かない、或る意味では好い加減な、余白という無駄の多い何ものかである。
詩は、時として散文に対峙させられる。そして、散文とはすなわち物語の謂であ ....
おかあさんのところから
はなされた
とおいところにつれていかれた
いっしょにいたひとは
わたしをおいて
どこかにいった
かえりみちがわからない
おなかすいた
みんながい ....
水平線、午後
手延べそうめん、午後
台所の床、つめたーい
ひらべったーくなって
ほっぺーたをぺたぺた
ひーんやり
ヒヤシンス
春の花
もう夏ですが
横たおしの夏
....
人さし指と中指で
腕についた血を軽くはさむ
もう流れないそのかたち
なかば閉じかけた三本の指のあいだから
口と目のない白い髪の女のにおい
....
大麦小麦の大火事は黄色いラジオペンチでした
訪れたCH地方の緑の丘陵は、M川が西から東へ流れるダーク
グリーンのライン、N3が東から西へ切り込む水色の線。
天地分離南風 ....
春の色よ
飛び出すのは今だ
それは、今だと叫んでいる
春の景色よ
きみはやさしさに包まれる
そよ風にのって
きみの命は、はばたき ....
さびしくて
ねむれずに
ぽけっとのなかをさぐると
にんぎょうがゆびにふれた
さびしいって
ことばにするたび
つぎからつぎへと
にんぎょうがでてきた
つくえのうえにならべて
ひとりずつ ....
ひとしずく、
ひと掬いの時。
誰も振り返らない。
人しずく、
ひと救いの時。
誰も振り返らない。
ほら、
また落ちた。
....
白い胸に
その小さな胸に脂をぬりこんで
肉体の陰を分泌した皮膚が
蛍光灯に反射している
緩みきったくちびるを
うるさい胸の
ぼんやりとした亀裂にあてがい
だらしなく
涎を垂らし
指で ....
私は望む。
――何を?
私は願う。
―― 何の為に?
私は思考の中で
重要な事に気づくだろう。
自分という重要な人と
他人という重要な人に。
私は群の中のひとりで
それと同じに
自 ....
ふっ、
ふっ、と、
ふれてゆく。
静かすぎる夜に、
綿毛の意志を運んでゆく。
日にさらされて、
火にあぶられて、
またもやさえぎられて、油っぽい焦りだ。
ふう。
....
熔け出した夢の錆び付いた夜
カタカタと軋んだ音をたてて
綴られていく 砂色のあした
とわの眠りを 誘い出す
渦巻く 幽玄と無限の境
砂漠に花など咲き ....
わたし 3年前にメル友募集を したんです
その時 メールくれた人が居て
わたし 東京 その人 九州
ありがちな話なのに 笑えないのは 自分のことだから
目を閉じてごらん みるみる季節が変わりま ....
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