夜 眠ろうとすると
世界中のあちこちから甥がやって来て
カブト虫を探してくれと言う
逃げてしまったらしい
眠くてもしかたがない
夜はまだ長いから
大勢の甥たちと一緒に
カブト虫を探してや ....
豊かなくにの人々は選り好みをする
もともとは貧しかったものだから
それを遠い昔に捨てるため
それとともに
薄れてしまったものが在ることを気付きもせず
豊かなくにの人々は



ある気 ....
風は無い

私と
あなたのすき間には
いくつもの
透明な夜が並んでいる

わたしはマッチを擦る
あなたに語る言葉を
探すために

わたしとあなたが
共にいた時間を
つなぎ合わ ....
事故でしょうか
街は騒ぎ始めて
右手と左手を合わせるカーブは
さよならを言う前に出会ってしまったのでしょうか

空はまだ海になる前で
息継ぎも満足に出来ないまま
底で跳ねるうろこの心音を ....
「本音」という言葉があるけど、それは「真実」とは限らない気がする。

例えば、ある人に「それが本音ですか?」と問い続けて言ったら、最終的には「分からない」と答えるだろう。

答えは、いつだ ....
辛抱堪らんな溜まったまんまだったわ私、ラッカーでも浴びたかのようにして息苦し、
ほら空!
見ててね、荒れてる雲の鱗粉が乱交してんだわ正午っから馬ッ鹿。
ずりい、ずりいのね。
で、
痺れた豪雨 ....
擦り切れた運河の通う右手
醗酵した噛み煙草

泥酔したピッチャーとキャッチャー 砂銀状の阿吽 チタン八重桜の繚乱の下 その然呼
出した舌 聾唖の陶具が飾られた右瞼の桐の棚 是の否の無連奏 擬人 ....
  




 歩道橋の真ん中に
 枯れた花束があった
 しなびて横に傾いていた
 錆びついた階段を
 とにかくのぼって
 誰かが飛び降りた





 歩道橋の下の
 ....
どこまでいっても青い大地。砂漠だと思った
ら海だった。ぼくの生まれた場所では、砂漠
は青く光っていたから。夜が砂漠に寝そべっ
ている。ぼくもいっしょに寝そべった。

海とはいっしょに寝そべれ ....
            祈り と
              と複数の 層に
            たたずむ 一つの祈りの
            音 韻を たなびかせて
        ....
掃除夫は掃除する
私は挨拶しない
掃除夫はいなかった
私はいなかった
私はどこにもいなかった
掃除夫もどこにもいなかった
私はしばらくして
掃除夫の存在を消してしまったことを恥じ
なん ....
ねえ
やぶさめってなに

お馬に乗った人が
走ってるお馬の上から
矢をね
ピューッと射るものよ

やが
ピューッてとんだらさ
あなぼこあくんじゃないの

開いちゃうかもしれない ....
動機もなく、引きずられるがまま
私は石炭を積んで走った。

雨に悲鳴がこだましたかと思えば、
機関車にたちまちかき消される。

私は引きずられるがまま、
声の抹殺に手を貸している。

 ....
愛しきものに残された
僅かな時間が
手出しを許さず
無表情に過ぎて行く

死の匂いのする
冷ややかな居心地に耐えかねて
虚ろに庭先ばかりを見ている

こんな哀しい歯痒さのなかで
無 ....
寒寒しげに 女が 立っていた
六月の 小雨が 女に 施しを
六月の 案山子が 女に 恵みを
共に 嵐の 最中へと 誘いこむ

ともし火が でぃろでぃろと
騒ぎ出す頃
女は 何も言わない
 ....
【1】

紙やすりで折った千羽鶴が親指を磨り減らします。

潰れた美容院の裏のポリバケツの中に、
いっぱいに詰め込まれた髪の毛の上で、
私の未曾有の裂傷が、
思い出と一緒にランバダを踊り ....
この路地裏の
アスファルトのひび割れは
どこかの埠頭の 
それと 
似ている

相槌を打ってもらえる筈が
ここにあるのは
頬を刺す風



見上げる雲の隙間から
一筋の光が降 ....
いつものように
午後をあらいながら
うつむき加減に 軽く
雲行きを確かめる
それもまた いつもの事だけれど
その
始まりの日を憶えていない


寒暖の差を道として 風は渡る
よ ....
はじめに
音が濡れます


アスファルトで
ち、ち、ち、散る、無色透明の
ピエロ、混じる雨の所為で
ル、ル、ル、なんて息してしまう
感化されやすいわたしたちの情緒
そ ....
人々が 散った 後に
残ったものが 花である
とすれば
お前らの 冒涜は
盲目の その先だ

完全に 孤独であるならば
男よ 眼前の 太陽を 見よ!
女よ 足の先から 現れる
古代妄 ....
  先日痔になりました
  肛門の一部が特化して痛い
  と
  医師である友人に訴えたところ
  座薬を数種類渡された
  
  風呂上りに固形化の座薬二本と
  チューブ ....
 サンボマスターの山口隆は、『そのぬくもりに用がある』のMCで、「言葉にならないからギターを弾くわけですよ!」と叫ぶ。この叫びを突きつけられたとき、思わず立ち竦んでしまった。そして、立ち竦んでしまった .... ついに、越えていかれるのですね。


拝啓、海沿い、立ち並ぶ風車に。ごろんごろんと音をかき混ぜる大きな手に、何でもないことを、挨拶のように振舞うあなたに。ここを、越えていかれるのですね。知ってい ....
            
            声を
              かけ て
            声が 睦み合う
            目ざめの息を
          ....
初夏の陽射しは 便りを運ぶ

宛名も消印も
差出人も
見当たらないけれど
懐かしさという
こころもとない手触りに
わたしは ゆっくり目を閉じて
紫陽花のさざなみに
いだかれる
 ....
 
   午前五時 「僕は点滅する」


   、との 君からのメッセージ
   


   最近歩いて仕事に行っている。だいたい40分くらいかかる。
   理由は単に自転車が壊れた ....
ふうふうと
息をのぼらせ
この坂道をのぼってゆく
季節は溶解し
逆転し
暗転し
眠るものの肌を焦がした
ふうふうと
息をのぼらせれば
ふうふうと
あえぐ空 または地

(私はあ ....
{引用=鍵盤を
さわれば
ほら

(ぽろん)

窓から
こぼれてく

(ぽろん)

かなしみは
空に
とかそう

(ぽろん)

青空の
はしご
最後まで
のぼろ ....
いつも眠ることばかりを考えていました
枕の硬さが場所についてを語っているので
少しばかり、指先を開くようにして
眠る場所のことばかりを想っていました

安息は帰りましたか
こちらでは同じこ ....
矢継ぎ早に
新月は降り注ぎ
縫い針がまたひとつ
遠雷に濡れている


吟醸の名を濁さぬ盆は
薬指だけの浸りに あかるい焔を映し
無言の岸辺を満たすのは
衣擦れの波
鈴なりの
 ....
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