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詩のおっさんは夕暮れ帰り道を歩いていると後ろからちゃりんこで
追い抜いていく。そしてしばらく進んでから「追い抜いたらあかん
がな」とひとりつぶやくのだが再び戻ってくるほど律儀ではない。
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あの頃、君に告げられなかったことを今
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ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
校舎に含まれる
散漫な光景ひとつひとつに声がとどかない
1. 朝
起立
礼
いっせいの着席にびくともしない
この校舎の設計は強度においても欠陥がない
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僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた
同じころ
父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた
隣の部屋の夫 ....
水平線、午後
手延べそうめん、午後
台所の床、つめたーい
ひらべったーくなって
ほっぺーたをぺたぺた
ひーんやり
ヒヤシンス
春の花
もう夏ですが
横たおしの夏
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