空ばかり見ていたからあなたは空になった
わたしからはもう届きようがないからわたしは空ばかり見てる
空に伸びる道が世界にひとつだけあるとしたらその道のその名前は「少女」
空ばかり見ているけれど少女 ....
魂の一粒を失ったひ
そらがうみを吸収した
愛したそらも愛したうみも
愛の意味も変わり果てたのに
同じ青だけで泣いているのか
魂の一粒をうしなったひ
夜と朝とが入れ替わった
流れ いき ....
梅雨の少し前何度目かの再会をした
あいつは
元気にまた違うサイトを荒らしていた
前回とは違う小さな個人サイト
荒らしがいも
また格別だろう
わるいとかただしいとかは
もう
自分で決 ....
時は平成十七年
四川風中華大学三年
{ルビ六九五十六=ろっくいそろく}
優勝できたのもみんな
ランナーズハイのお{ルビ公家=くぉげ}ですと
ぬくゎるむ
{ルビ帰=くゎえ}りのバスで
家路 ....
僕がまだ販売員だったころの話だが、一人の女性客に「30分くらいで戻るので、良さそうなのを適当に三つくらい選んでおいてもらえるかしら。」と頼まれたことがある。おいおい、商店街の魚屋じゃないんだからとあっ ....
どこかですれ違っているとしても
ただほんの少しの我がままで
月が昇るまで、
朝陽が昇るまで、を繰り返した
無言の目が
今にも刺さりそうなほど
すれすれに突きつけて
僕はそれを見ないふ ....
ペスカトーレ きみは
きみはそれから遠い
遠い
遠い目をしたその先に
ルルル
ペスカトーレ はじまる
蒸し暑い夏またはじまる
君と歩いたのは確か
はるか
はるか遠い一日ルルル ....
朝 ・・・・・・酷く 説明つかずの
朝 早朝の 鶏が 絞められている
その 狭間に 巨漢の 狂人が
雑音の 泥を かぶり
弁財天の 嗜虐に
下劣な 感情は 捨てたと
悪魔は 人を ....
映画のポスターが貼ってあって
黄色い文字で
「瀬戸物の縫い目を飲みほして」
って、うわぁ、どんな映画だろう
楽しいことはまだあって
お父さんの真っ黒い名刺
とか
公園の植え込みに倒 ....
首を左に小さくかしげ 閉じた瞼の毛細血管に透かして
− あなたはいつも気まぐれに人を愛したり、出て行ってしまったり
− あなたが受けた傷の分だけ、貴方も誰かを傷つけたのよと
− いくら ....
軽蔑の笑いとひそひそ話とが四方を取り囲んでいる
白目を剥き出しにした形相が唾を飛ばしながら迫ってくる
一切は耳を塞がれ受け容れられずに拒絶される
正面背後上下左右に立ち塞がり穴が開く ....
おみなごは 瞼を伏せて
差し出した 手の先の
細く長く しかし
硬く乾いた 指の淵 私を 呼び止めないで
縦に小さく 裂けて たとえ 私の
深い紅 滲む ....
青空に
ふとキリンが
浮いている
なんという
虚ろな空なのだ
ああ青空
縞模様を辿ってついにここまで来ました
ここまで来た
ふと
振り返るキリンの眼には
何も映らな ....
時計が
ストロボみたいな一瞬の瞬きで
一回転したりするものだから
慌てて飛び起きる
格好だけして
頭では遠くの花の群れるイメージを
深さで
あくびと一緒に出た言葉が
つららの丸さで凍り ....
後ろを振り向いたなら
雪が降ってくる 腫れ物を引掻いて
little 雪が吹かれている
....
燃えるものがない
燃やすものがない
燃えようとする心だけが
かろうじて生き残ろうとするとき
ぼくの指先はペンを握りしめる
ああ白紙には危険な文字が溢れている
白紙を汚そうとするとき
....
なぁんにも期待しないから突然に欲望だけを素直に告げる
ライバルを口説きたがるの悪い癖知っております言われなくとも
ねぇ蛇さんわたしはイヴよつややかな知恵の木の実を手にする前の
パソコ ....
空を
どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている
今、この辺りで
いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
ガラス瓶に入ったら
出られなくなった
壁は透明で
外のようすはよく 見えた
きれいなものが見えて
手に入れたいと思った
愛しいかたちがあって
触れてみたいと思った
透明な壁 ....
ダヒテ。
ダヒテの発音は砂のようで
ダヒテの腕はいつもきみどりいろな気がする。
僕の魂は重みにつぶされたりはしない
青梅線を走る送電線に巻き込まれたりしない
そうなったら
....
■宮澤賢治
さて、先日図書館で宮沢賢治を借りてきたのです。ネットで詩をはじめた自分にとってあんまし本てのは食指が動かんかったわけです!!!!(ダメすぎ)面白いくらい詩を読んでないわけなのですが ....
中国の内陸の小さな村にはまだ電気も家もなく
超級市場なんていうものはなかった
村人は畑を耕し、隣町まで徒歩30時間かけ
物々交換に行かなくてはならなかった
村では若者たちがばくちやけんかにあけ ....
帰る家がない ほんとうに帰る家がない
廊下しかない 部屋がない 電気が点かない
真っ暗な廊下しかない 歩いていても帰れない
帰る家ではない
動物が居る 百万匹居る
五月蝿くて仕方ない
....
雪が溶けたら
やわらかい地球の黒土花壇に
「火星たんぽぽ」の小さな名札をたてよう
ひとが植えたわけでもないタンポポが
好き勝手に咲いてるような
そんな花壇がいいだろう
そこから芽吹 ....
目を閉じれば暗闇
その中にも色は
ぽつり、ぽつりと
置かれている
....
一九八七年八月五日、暗い森を抜けでるとそこは水門だった。水門は二重の柵に囲まれていた。水門を見つめているうちに私は携えていたノートブックとペンを川に投げ捨てていた。呼吸が乱れ歩行に苦しさが増す。私は ....
夜も構わず降り続いたんだ、雪。
梢を伸ばした櫻の木が
両腕いっぱいにそれを受けて
しならせて垂れる
....
目を閉じると遠い
なにもかも
くるまの行き交う音が波音のようで
ぼくをここからひきはなす
....
きょうのひがおわる
おんなじように あなたのひもおわる
きょうもいきてるよ
だって ....
ぼくの短い両腕じゃ
半円だって描けない
手をつないで欲しいんだ
き ....
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