風の金属、高音域の。
線状の宙、引っ掻き傷の。
あなたの心が難しい
というシーンを走れば
眼を閉じてもなお白いスピード、
止まらない、
破けたように白いガードレール ....
そう そうして 今日が 来た
(平和と 悪意に 満ちた 今日が)
ましてや 疾患の 不動明王よりも
早く 平和を 奏でるものは
あの 銅鏡の 月!
私を 笑っている
げそげそと
下品 ....
欠けている
それだけで思い悩む
砂のようないのち
たとえば
ふたつの石を打ち合わせて
火をつくる
そのために
石が欠けたとしても
かまわずに石を打つ
ただ
火をつくる
それだけの ....
ああ 晴れてきた
孔雀の 模倣である 傘よ
折れろ 私の手を 打て
私の手は 姦淫を 弔う
決して 汚れない
孔雀は 空を 飛ぶ
がぁがぁ 鳴いては
暗い 谷間などなく
眼前には ....
ややこしいのは得意じゃないや
僕は自慰行為のためだけの性(セイ)だけでは生きていけない
あなた無しでのセックスはありえない
癒し ....
先を歩く彼の
黒いコートの背中に猫の抜け毛がたくさんついている
みゃあちゃんの毛まるけだね、と言うと
ちょうど、指で挟まれたグミみたいに笑うから
なんだ ....
朝になりかけた夜、
わたしは
わたしとあなた以外のすべての存在に(当然そのとき窓の外にいた月や引力にも)
気がつかないのだった
あなたの吐いた
荒れた ....
{引用=映写機の音がする}
彼は 人のいない小さな劇場の
古く湿った 客席に座り
白くぼぉっと光るスクリーンを見つめる
{引用=ただ、かたかたと廻 ....
(えーーーーーーーゴホンゴホン)
(アーアーアー (コンコンコン))
(せんえつながら歌いまーーーーーーーーーーーーーアアアアアアア)
(うるさーい)(早ク歌エ!)
(♪電気〜アンカで〜ま ....
それでも、朝、目を覚ましてみたら、やっぱり君が好きでした
あなたが わたしの心の奥まで 突いてくれないから
奥まで届かない 性の不一致で別れましょう
あなたは短くて わたしは深いの
サイズが合わないのよ 浅はかな わたしたち
コップには液体 ....
鉛色の空には黄疸の冬陽が宙吊りになっている
丘のうえには十階建ての団地が陣どっている
そして時折団塊の世代とおぼしきかげが蟻のように蠢く
それはまるで巨大なニンゲ ....
{引用=街}
街は
灰色にかじかんで
遠くを見る
{引用=鳥}
丹念に編み込まれた
木々のレエス
鳥が壊す
{引用=画廊}
画廊の扉は
今日も閉じられて
あの絵も ....
12月3日付の某朝日新聞に、小野十三郎賞贈呈式の記事が出てました。そこで、選考委員でもある詩人の金時鐘(キム・シジョン)さんの講演の要約が、本人の寄稿として載ってます。これをみて、(あーまたこれかー) ....
今日はこういう日
ざわめきの わけわかんない ピアノ線で かこまれた
ただ ながめるだけなら 許せるんだけど
まえに 進めないジャン
寝ぼけた原色の 雲が あしもとで小さく立ち上がる
....
簡易なグラスに
少しだけ
少しだけでいい
けだるい夜の
インディペンデンスに乾杯を
天文棟は退廃
ブルジョアを嘆く
疾走のエレガントドレス
頬風を斬れよ
サザンカ
十字 ....
私なりの扁桃腺のアール
を、愛でて。
鈍痛にあなた接吻するネ。
何も感じてないことないから。
明けるまで四時間。
明けてから八時間、私は
髪を切るような手つきで触れる陰茎に ....
永劫の「時空」を甘受しているかように
風雨に耐えながら
並木の根元で寄り添い
やがて大地に帰る
枯れ葉たちょ
....
生み落とされた
四畳半
明けの明星
宵の明星
明星チャルメラ
「お前はヒーローじゃないんだよ。」
会社の上司によく言われる。
芋焼酎の甘美な力を借りて。
人生について語るとしばしば指摘を受ける。
積極的にヒーローになろうとしては ....
休日のような匂いの中に
形骸化した飛行機が置いてある
両翼に子供がぶら下がっている
彼らほどのエネルギーが伝われば飛ぶかもしれないのに
エメラルドでできた細長い棒は
長さを50億倍したら太陽 ....
ふとしたきっかけで
王様と知り合いになった
漫画喫茶だった
王様は玉座に座るように
リクライニングシートにもたれ
隣のブースに居たわたしに
飲み物を取って参れ
と言った ....
その ほほえみは 生理と いわれる
世に 生まれ 立った きみは まだ 3箇月
歓喜の 波が 寄せる と “ にこ ” と わらう
ときどき 声が 洩れるのは 成長が こ ....
場合によってはあなたのぎこちない指よりあなたの声の方がはるかにわたしを乱す
ぐっとなってそっと言ってもっとぎゅってなんてうっそ
ずっと待ってたってだってきっとやっぱほん ....
触るのいやだったから
紙コップかぶせて
動かなくなるまでほっといた
そのあと掃除機ででも吸おうかなって
そういう寸法
ああ、中でぶつかりながら飛び回ってる
あの羽音 ....
おはようあなた
白い部屋そしてキス
眠りは柔らかくて飲まれそうになる
もう2時だわ
小さくためいきとあくびのブレンド
寝ぼけた彼をおいて身支度
近くのパン屋さんでやきた ....
街さえも眠る AM2:45 月が夜空とランデブー
隣室からはママの泣き声 パパは暫く見てないわ
ベッドサイドに置いてある 剃刀を取るのも億劫で
真っ赤な爪をゆっくりと 左腕へと突き刺した
....
わたし、総理大臣のあくびについて観想を述べたいの。あくびの尖端はからっからに観想してますね。あくびはフルマラソンを観想できそうですね。あくびにはどんな観想曲が似合うかしら。
わたし、川に記録され ....
おもちゃをかたづけなさい!
またしてもかおりちゃんちで怒られた
かおりちゃんのおばちゃんはこわい
そしてかおりちゃんは秘密をささやく
「お母さまはほんとのお母さまじゃないの。ごめんね」
....
{引用= 雨上がりの深夜、日田へ向けて車を走らせると、筑紫野市の街中に、ひときわそびえるように、真面目くさった字面の病院名を記したネオンサインがぼんやり灯っていた。生きる意欲をそがれるような光だっ ....
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