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(喪失の物語)
彼女の胸には心臓がなく
代わりに小さな箱が埋まっていて
願いを唱えながら手を入れると
どんなもので ....
空きカンの残りは
あと二つ
小石を拾いあげては
投げつける
くり返し
とんでもない方向に
消えていく
おおい
こっちだよどこ投げてんだよ
投球フォームを
親切に教えてくれるあな ....
手のひらで
右目をふさいでみる
知らないだれか
が笑っている
手のひらを
左目に移してみる
知らないだれか
が笑っている
手を下ろすと
二人が重なり合って
あなた
ができあが ....
おしまいのひ
がやってきた
おきにいりのふくをきて
しっかりごはんをたべて
にゅうねんにはをみがいて
あたらしいくつをはいて
いってきます
そとへでた
きもちのいいかぜが
ふくた ....
さびしくて
ねむれずに
ぽけっとのなかをさぐると
にんぎょうがゆびにふれた
さびしいって
ことばにするたび
つぎからつぎへと
にんぎょうがでてきた
つくえのうえにならべて
ひとりずつ ....
いれものが
ふたつありました
ふたごのようにそっくりでした
どろみずをひとばんためておくと
いっぽうはどくみずに
もういっぽうはのみみずになりました
のみみずは
ひとびとののどをうる ....