きみの両目は、何も
見ることが
ないまま、記憶した、何も
働きかけることがないまま、きみは
我に返った
かもめが旋回する、その
時間、いかなる
記憶もなく、きみは
目を覚ました、朝
くだけていった、多くの
もの
光が生じた、刻々
きみが
跳躍するのが、見える
のは
ここで、死と同じ速度で
きみが走っている
夜が
くだけた鏡によって、きみを
うつして、目から
零れ落ちていく
すべてに、きみは
泣いていた
 別に、泣く事を堪えていた訳じゃないと思う。感情を押し殺して生きていた訳じゃないと思う。ただ、感動する事が、少なくなっていたんだと思う。何事にも動じない、と言えば聞こえはいいが、結局は無感動と言う、あ ....  生ぬるい風が、ジャケットを抱えた脇の下を通っていく。ションベン横町と呼ばれる薄汚い通りの入り口にある喫茶店を出て、俺は人気の少ない方に歩き出した。咄嗟に良い場所が思いつかないが、とりあえず駅から離れ .... 「いえ、そういう事でも無いんですが、違わなくないような」
 俺は返す言葉に詰まり、珈琲カップを持ち上げてから、さっきその珈琲を飲み干した事に気付き、汗だくになったグラスの水を、一気に飲み干した。氷 ....
 特に面白い事も無かった今日の業務を終えて、ロッカールームで着替える。館内全面禁煙、路上も全て禁煙なので、早いとこ駅前で煙草を吸いたい。何度か、外に出た瞬間に煙草に火をつけて、白い目で見られた事がある .... 雨の匂いは二人の瞳を湿らせる
閉じ込められたつもりのお遊びで
あなたは私を呼び寄せた
きっと些細な戯れで




シーツの波が
まるで逃げ惑ってるかのように見える午前五時 ....
 
何かにすがりたいし
君に逢いに行きたい
これ以上ないくらい丸まって眠って
透き通ったものと
いい匂いのするものと
温かいものを少しずつくっつけたりして
昏鐘が呪文のように聞こ ....
六月の招待状にマルをつけ刈られて強く匂いたつ緑



噛みついた腕から甘い草いきれ雨も恵みにちがいなかった



二人だけの秘密だよってからまった翌朝 夏草ぐんぐん伸びる



 ....
十九、までは数えた
そこから先は途切れがちになった
よく躓いてしまう君の後ろで僕は
ありふれた、馴染まないままの歌を歌った
スモールタウン、僕らがかたちになりかけた頃
この腕に抱ける言葉が、 ....
彗星が氷塊だということを
私はわりと気に入っている
いいとか
わるいとかいう話ではないけどね

氷塊なら
何だかひょうきんそうだし
つまらぬ誤解も氷解しそうだ

彗星がもし岩塊だった ....
海鳴りが聞こえたら、それをただの空耳だとは済ませずに海のなかを覗いてみるといい。数枚のレンズが折り重なって一つの層を形成しているのがわかるだろう。波紋はそこを潜り抜けるように細密に広がって幾つもの触手 .... 箱庭の中に
ふりそそぐ春の雨は
ぎんいろの ひかり

松の木の葉の先の 
あの ほそいほそいところまで
全部 ゆるす みたいに
丁寧に 丁寧に降る雨

小鳥が
木の下で雨やみを ....
  日曜日の
  台所
  きみは皿を洗う
  その手はぼくから見えない
  春の水はきっと
  未だつめたいだろう



  形のないものは
  流れる
  痛いほどの ....
  もう静かに語る
  ひとつながりの都会



  夜の新宿を見つめながらきみは笑っていた



  その手のひらで
  やわらかい声がふくらむ



  どこへゆく ....
  まず思考が積もり、
  湿った言語が積もり、
  牢獄のような会話が積もる。

   (一人の自分として生まれたからには)
   (一人の自分として死なねばならない)

   ....
ビーカーのうわずみに春ではない
赤茶けた花のぬけがらが
私)洗浄したアセトンを吸わせてみる
結果は /遅いね、

光のみぞに

名札の傷をはがすと
一番多くあらわれた歌姫がかしいだ
 ....
 

純然たる君の回り続けるスカートに
くるまって君にしかわからない合図を送るから
光のつぶてで冠を編んで
この世界が、目まぐるしいこの世界が
つくづく目まぐるしいので振り返れば泥土でしか ....
夢を見た
あなたはひどく優しい笑顔で笑ってた
明け方の月のような美しさで



私は少し笑っていたように思う
その柔らかい微笑みに
夢の中でも傷が疼いた


 ....
 
 
遊歩道 風化の隅にももいろの雨が逝く午後 そっと手つなぐ




触れられるそばから羽化をした 二度と同じではない スプリング・イズ・ヒア
午後、雪がちらついたので
積もらないと知りながら
見知らぬ人の痛みと
繋がりはじめる
指先ならばよかったけれど
溶け合うようになじんで
本当の痛みなど
知りもしないのに
まるで火を潜り ....
三月も終わりになって
コンビニの
半額ワゴンの
売れ残りホワイトデークッキーを
買ってくれた人がいたのでした

酪農王国デンマーク製
という触れ込みのちっちゃな一包み

ああでも、デ ....
 
 ぼくの働いているコンビニの裏手に、古き良き雰囲気のラブホテルがあります。
 そしてコンビニスタッフ用の駐車場が、そのホテルの入り口とほとんど隣接する
  ような風になっています。
 とき ....
 今まで書こう書こうと思いつつ、一向に書けない「日記(エッセイ?)」のひとつに、「 不良少年、例えばおれが右翼だった頃。 」という身も蓋もない題名のものがある。

 ....
君の目が欲しいんだただ春の日に
    やさしさなんて知らなくていい


叩くたたく野に打つ雨に踏みにじる
    花の弔いこのぴあのソロ


かなしみは街角で吹くシャボン玉
    ....
 
軽やかな装いの男が
日がな一日長椅子に座っている
うららかに、年老いた象の目回りに皺が刻まれ
陽気に溶ける大袈裟な風船どもを
バービーたちが追いかける
とりわけ足の速いバービーが
長 ....
ほの暗い
雲のもとでたたずみ
空をつかむ
透けている火影姿のこぶしから 零れる灰が
無風地帯へかえってゆき
つかみとおすこぶしは
遠い声にもほどかれることはなく
    透明 ....
ヘミングウェイじゃないけれど
何を見ても何かを思う
この街は体に毒だ


記憶の濁流に押し流されて
立ち尽くしたまま泣きそうになる
冷たい風が刺す中で
涙だけが生温かった

 ....
るかさんのおすすめリスト(2358)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
きみの両目は、何も- こもん自由詩109-6-12
かもめが旋回する、その時間- こもん自由詩409-6-12
光が生じた、刻々- こもん自由詩609-6-11
夜がくだけた- こもん自由詩309-6-11
面接(4)- 虹村 凌散文(批評 ...2*09-6-10
面接(3)- 虹村 凌散文(批評 ...209-6-10
面接(2)- 虹村 凌散文(批評 ...209-6-10
面接- 虹村 凌散文(批評 ...4*09-6-6
気づけばこんなに遠くまで- ロリータ ...自由詩509-6-5
黎明- 嘉村奈緒自由詩1509-5-30
セクレット- 石畑由紀 ...短歌9*09-5-6
スモールタウン- 霜天自由詩709-4-26
彗星、わだつみの聖母- 小池房枝自由詩409-4-24
The_first_impression- aidanico自由詩409-4-24
春の雨- 自由詩709-4-21
日曜日の台所- 草野春心自由詩509-4-19
- 草野春心自由詩109-4-15
ハイライトのある風景- 草野春心自由詩209-4-13
ラストスプリング.タイム- 梶谷あや ...自由詩909-4-10
光のつぶてとパッセ- 嘉村奈緒自由詩1409-4-7
KOU- ロリータ ...自由詩809-4-2
_________- 石畑由紀 ...短歌6*09-4-2
(無題)- キキ自由詩5*09-3-31
酪農王- 小池房枝自由詩6*09-3-30
十人日記- くぼた自由詩109-3-28
「_不良少年、例えばおれが右翼だった頃。_」- PULL.散文(批評 ...5*09-3-28
春の日- 石瀬琳々短歌5*09-3-25
春、摘まれたとして- 嘉村奈緒自由詩809-3-23
帰る空- こしごえ自由詩10*09-3-23
時はただただなだらかに- ロリータ ...自由詩1109-3-22

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