黄色の花は枯草に足元を譲り
冬の陽だまりが
影もつくらず
土に隠した春の気配を
内緒で温めている

霜を忘れた僅かな緑は
十二月の大気に身じろぎもせず
去年のうたや
 ....
―ほしかった、
―わたしも、
―何がほしかったの、
―あなたが、
―俺の何が、
―あなたの指も、手も、舌も、それから、
―それから?
―いま入ってるもの、
―入ったり出たりしてるよ、
 ....
夕日の丘で
お母さんとお父さんと
それからおんなのこがひとり
小さな家で暮らしている
夜はみんな一緒くたに寝転がる
ほんとに小さな家だったから、
(だけど、お菓子の家みたいにかわいらしい) ....
空に挟まった三日月が目覚めて
非常階段でぼくはお腹のあたりを気にしてる
睫毛に乗っかるすばやい冷たい、風速は冬
あいかわらずきみは頭上に世界を背負ってるんだろう
右肩にだけ残る重み
まばたき ....
東京で買ったお洒落な服を着て街を歩く。
けど、通り過ぎる女の子の
誰も俺を見てない。
むかつくから母に下駄を買ってくるように命じ(海で裸足で遠くまで歩いてたら盗まれた。)
下駄を履いて街に出た ....
夜の神が言う
「眠れない人は手をあげてくださーい」
最初は皆息を殺し、ふとんの中から辺りの様子をうかがっていたが
もっとも臆病な少年、インバビロニアの血を引く息子パテロモスクベスクァテイルが
 ....
 朝方、工場へ向かう男たちの吐息は白い。
いないも同然、止まらない車のそれよりも、
高笑いする煙突の煙よりも、みぶるいしながら
道路の向こうでその身をこごめて掃除している、
女の吐く息こそが彼 ....
 、

         とおん


                    とおん



                              
   とおん



 ....
その手紙には
「ムーミン谷の近くから見送ります」

書かれていた
さよならのつもりは無かった
けれどあなたは駅には来なかった
わたしは
ぺしゃんこになった
まだ雪の残る街を出て
雪 ....
1珈琲
2バニラ
3ミント
4チーズ
5スパイス全般
6緑茶
7メンソール煙草
8杉に近い種の木を焼く匂い
9雨が近いときの匂い
10森の土の匂い
11灯油の匂 ....
三つの詩に共通するものetc.(3)― バイオセンサー たける・kaz・山崎 風雅の詩

今日取り上げた詩3つはどれも共通した問題を提起している。よく言われる現代人の疎外であるように思う。
 ....
 ピセラン ポエリア 鳥の歌


あたしが夢の扉を叩けば
ピセランポエリアが 眠りのはじっこを
嘴でついばんで そのままぐんぐん飛んでいく



 ピセラン ポエリア 鳥の歌

 ....
雪をひとすくいすると
そこには
南のきみたちの
あこがれが埋まっていた
冷たいぼくの手と
冷たくないきみの手

(手袋あげようか)
(いいよ、雪があたたかいから)

雪があたたかい ....
今すぐ空を解体せよ
今すぐ空を解体せよ
今すぐ空を解体せよ

人を恐怖に陥れ
不安と断絶に叩き込み
安楽を希望とし
不快感を絶望とする
空を解体せよ

孤独でうち震えている一人の少 ....
緑色が斬れた錯性の心音に高鳴る、生きたひかりを探してなんかいなかったから、今いつまででも澱み終わらない昨日と同じ寝床を燃やしながら、観る夢が今夜を殺しに来る、、、燃やしてくれはしないのだろう、 .... 空が、泣いています
山が、泣いています
川が、泣いています
雲も、泣いています


海は満ち干き
太陽は昇り降り
川は上から下へと流れて
風は、自由自在に気の赴くままに


ど ....
ゆるい風が脇をすり抜けてゆく
今ごろ地球の裏側で
こんな風を感じている人が
いるのかもしれないと思いながら
わたしは今日も歩いている

平和を願える君が
うらやましくてたまらない
平和 ....
この日のために用意した
黒いミディアム丈のドレス
トルソーに着せてみる
そして
足が少しでも細く見えるよう
一時間マッサージ
ベッドに寝そべって
ナイトテーブルにグラスを置いて
就眠の ....
休耕田に群生する
セイタカアワダチソウをかきわけるように
一両の気動車が港の方へと走っていく

スズメガの幼虫にかじられた痕のある
サトイモの大きな葉が
その風に揺れている

排水 ....
★そんな毎日
恋情に就き密かに書き綴ったらしい。文章は作者の手を離れると独り立ちをするという、詩も例外ではない。
 新しい時間を目の前にしたとき
こどものように泣いてしまったら
そこからど ....
  膨らんだ真っ赤な少女が綻べば真綿の雪に椿がぽとり

  体内で春を待ちきれずに芽吹く血潮に染まった椿のつぼみ

  花びらを散らさぬように雪の上そろりと歩くも染みが点々
 
  赤い紅 ....
自らを
道化に例える人がいるけど
そんな勇気は
私にはない

アルルカン
存在するだけで
笑ってくれるそんな場所なら
私は
いつまでそこに立つ

いまや
私そのものが
風前の ....
 三つの詩を読んで
 現代詩フォーラム、を初めて訪れた。わたしは詩をかなり書いた。なにか詩を書くことに飽きたらず、他の人の詩をもっと見ようと思った。それで自由詩の欄を開いてみた。ポイントの入っている ....
煙草はポリシーだよ。
38歳になった先輩はそういう。
黄色い歯もポリシーなんすね。
僕は答える。

疲れが取れねーよ。
38歳になった先輩はそういう。
老いですね。
僕は答える。

 ....
何度も書いてきたのですりきれて穴が開きそうになってきたが、私は悪人になりたいのだ。それも大嘘つきの大偽善家の大悪人に、である。できれば新興宗教の教祖みたいなのがよろしい。しかしたぶん私にそこまでの才能 .... 百万本の薔薇
咲きほこっている
そう言ったところで
それが造花であることをあなたは知らない

一匹の狼が 肉をはんでいる
そう言ったところでしかし
その肉が何の肉か
あなたは知らない  ....
  やさしさと、            
  いつも呼んでいた
  傷つきやすいその心を
  やさしさだと、
  呼んでいたあなたの
  傷つきやすい心


  秋の終わりの
  ....
真っ黒なレイチェルの瞳の奥には
何が映されるのだろう

秋の深まる頃だった
色づいた木の葉があふれる坂道で
これからを知らないけれど一歩一歩踏みしめて歩く
腰まで伸びた長い髪を奇矯とも言え ....
コーヒーカップの横に、本がある。
『「待つ」ということ』 そう本がささやいている。
私の心に問われた。私は何を待っているのか?
コーヒーをかきまぜてみる。
耳が頭がカラダがざわざわしている。
 ....
ママ・マーギィ・マァリーは
その日も揺り椅子で夢を見た

100を越えた年の春頃から
毎日のように見る夢



   扉は三回ノックされ
   あたしはベッドにいて

   肩越 ....
るかさんのおすすめリスト(2359)
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