家に帰ると、人がいた
一人暮らしの僕の家に
彼は、僕だった
僕は彼だった
仕方がないので宅配ピザを取って
二人で食べた
僕の好きな音楽を聞きながら
僕の趣味の話をし
コメディ番組の ....
眠れぬ夜すがりつきたくてうたを詠む取り残されし寂しさ身にしむ
静けさに想いが頭にのしかかり忘れていく日々迫る来る明日
安らかに眠るあの子の見る夢を静かに見守る深夜のひととき
....
ギターの弦にピタリ張り付く小判鮫は、振るえる乞食の手足が招く一人前ごひゃく円の弁当と声だけが歩く車内の埃を吸い込んで、みんなで声を合わせて見つめる菊人形の羽根飾り、走る土人の顔、人形のような天使、日曜 ....
はためくスカートで幕をあげる
ベロアのような息、ぼくはいつでも肩を竦めて
ほどほどに甘いカフェオレ、プリーズ
折角だからコールミー
白っぽくつるつるした手触りの街で
コールド!
い ....
パッケージが
破かれてゆく
微かな期待に
苛立った指で
どこにも
何も
入っていない
ということが
からだに向かって開け放たれ
明らかになっても
明らか ....
私はもともとマンガが書きたかったヒトなんだけれど、絵がぜんぜん描けないのでやめてしまった。しかたないので小説を書こうとしたけどうまく行かない。どうしてうまく行かないかとゆーと、10枚くらい書いたとこ ....
瞼裏、無数に散らばる星のくず此処にも体内宇宙が在った
行きますと勇んで飛び立つ君の性ロケット一台操縦者の君
破かれた宇宙の入り口塞ぐ君リモコン押せ ....
本国に打電
ほんごくに住む者は
サボタージュを好み
レシーバーを放り出していた
聞く耳を持たない
本国は無慈悲に栄え
使い道のない
トランシーバーを輸出して
外貨を稼ぎ
トランジスタ ....
あの海の家はどこにあっただろうか
夏の
暑すぎる昼下がり
そこで笑っていた太陽のような人びとは
どこに行ってしまったのだろうか
時というものが絶えることなく
いつも継続して流れてゆくとは
....
ひとつ
数えている間
雨の中を子どもが走って
ひとつ
明かりがともると
夕餉をかこむ
その間取調室で
自白がひとつ
強要されている
息をしない人の形が凍え ....
わたしが眠っていると
ドアを開けて神様が入ってきて
わたしの口の中に何かを突っ込んできました
なんだろうと思ったけれど
眠くて何がなんだかわかりません
そのときわたしは
大昔のローマの
....
髪手足もえるもえるわあたしたち 赤やオレンジや黄色になって
べにをさす ゆびでまぶたをとじてやる 花にかこまれて きれいよあなた
Я ворона Я же, ....
青空の
窮み
藍
星空
孤独だった少年のころ
走っても
たたずんでも
振りかえっても
吹く風は 仰 ....
曜日だけはおぼえている
寒いから季節だけはようやくわかる
閉じたままの傘が傘入れにちゃんと入ってる
雨が降った日はいつのことか
雨のせいで色が変わったジーンズの裾が
....
死ぬときはひとりでいたい
本当にひとりで
見守るものもなく
見捨てるものもなく
星が
星の瞬きが
気づかれないうちに黒く
黒く輝くように
かなしいとか
なみだとか
そんなも ....
霧雨のなかを
朝ぬすびとは帰る
愛するひとのもとへ
かれこれ三日もなにも
食べさせてあげることができない
ついできごころで
ぬすんだほしを
返してしまったせいだ
俺のこころも
俺のゆ ....
毎日 違う朝なのに
ありきたりと
つづられる
こいこがれて うごかない
待つだけの 人は さておいて
違うことを みつけるめは
たやすくないようで
単純で
今 生まれた
....
白いノートに
木を三つ書いたら
それが森になりました
空を支えるように
枝の真似をして手を広げれば
わたしもまるで木のようでしたが
何かが足りない気がして
淋しくなりました
....
目を閉じる
瞼を、それは落ちていくのかもしれない
いつもより低い世界で目を覚ます
見上げることしか出来ない
そこから始まる一日が
そこにある
青空に
誰かが口笛を吹く
開いた本 ....
連続して
肉体がはじけ飛ぶ
上半身の亡命である
そうして足だけの感覚が
地表と交感し溢れ
浮遊しつつ
重力へ向かって
疾走する
おはよう。昨夜はよく眠れたかい? 夢の中で、変なものに追いかけられて、脅えて目を覚まして、朝食を食べながら、その夢がもしかしたら詩に使えるかもなんて、君は思っているかもしれない。
それとも、こん ....
わたしたちが
忘れていった
どこか
土の
道の
上に
座り込んでいる
それ
凍えるように
広がって
悲しみを
押し殺す
息を吸う
(ゆめ など、おぼえてい ....
まだ言ってなかったかもしれないけど
きいてなかったんなら覚えておいてくれ
共感はいらない
そんなもんいらねー
私の言葉なんか
ぶっとばしてくれ
ティッシュがわりに鼻かんでうっちゃってくれ
....
君の知らない深い悲しみを
僕は背負って生きている
そして君も僕の知らない過去の残骸に
足をとられては涙を流す
この街のプラタナスも深まる秋の気配に
すっかり色づき始めたよね
....
認知症 笑われつづけ 希望した その内はてる 真っ白な顔
鬼の顔 美容整形 やつれ顔 出来る腫れ物 口にしつつも
浜辺でね 帽子を脱いで 浮かべれば どこか異国へ 落ち沈み行く ....
赤いランプの吊り下がる
あらゆる街の角に這いつくばり
わたしたちは歌を待つ
それは煉瓦の隙間から流れくるものであり
それは男の外套から聞こえるものであり
わたしたちは何も知らない
....
今、わたしはたぶんかなり調子が悪いんだとおもう。体調じゃなくて。頭?うん。そうです。たぶん。
さっきまでHANA−BIを見てた。やっぱりいいな。わたしはあまり映画を見ないんだけど、気に入ると場面ほ ....
あんたの前に立って
おれは握り拳で構えるから
当ててみなよ そのウラナイってヤツで
おれがあんたを殴るか殴らないか
あんたなんかにおれの心がわかるわけがない
あんたな ....
あの日は
いつもと同じ穏やかな日差し
ほこり風も吹かず
糸杉の葉摺れの音も心地よく
乾いた空気は風となって額を吹きすぎる
貴重で平和なひととき
ただ それは
カナンの地ではありふれた初夏 ....
人になった人魚は毎夜
海を見て泣くという
そうだろうか
脱ぎ捨てた過去には
もう2度と
袖を通すことはない
どんなに
やさしくあろうとも
もしも
私が人魚な ....
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