ふとした瞬間に
還ってくる彼らの声
意味もないことで
笑い合ったね
支えあうとか
本当の意味も分からずに
薄っぺらい情愛が
僕らを包んでた
本気、だったよね
かりそめ ....
最近。
エレベーターで夜遅くに帰ってくると、エレベーターが1階にまで来てることがある。へーこんな夜中でも出かける人いるんだなあ、自分みたいに、とか思ってたけど、ちょっと違うかも。帰宅した人が、エレベ ....
その中で 支度をする
なお、ひかる
くるしいまばたきに
ゆびのすきまからあふれ
染みを
のこして
あの日
髪をきってほしいと言った
初冬だった
あさひがの ....
わたくしの髪をくすぐる寒風に
ゆれた気持ちはときめきなのに
あの頃の夢見た時は永遠の零度の夜空キラリくっつく
こいびとの櫛をいざなう輝きは
....
グーテンモルゲン
お岩さん
飛び込んじゃったので
隣家の井戸が走り出す
通訳探してくるかもしれないね
朝は、おはよう
昼は、こんにちは
夜は、こんばんは
ぐっすりお休み ....
すきだとか きらいだとかと いうけれど もとはといえば みんなおんなじ。
ふいにはじまり
ふいに終わり
悲しくそこにとどまるもの
晴れた夜の無灯火の群れ
光をちぎり 与える誰か
ちぎれる前の 光のありか
地に倒れた外灯が
赤い星を聴いている
青に ....
嘘つきの午後に いる僕たち
嘘つきの夜も落ちてきて 建物は暗がりに隠れたつもりの輪郭です
そこの建物を一枚めくると フラミンゴがうたた寝し
ピンクは 建物の稜線からしたたり落ちるのですか
....
肌をすべる泡が灰色に変わりはじめ
見下げて
乳房から続く白い曲線や
つま先の綺麗な花色に
絶望する
口紅を塗らないのは
ちいさな爪を伸ばさないのは
この隙間を
みつけてほしいんだと ....
世界の四隅まで
呼吸の音が染み渡っている
君の耳にも届くだろうか
この交響曲
生き物達は静かに とても静かに
生き死にの分裂を繰り返している
潮の満ち干きのようなその静かな喧騒を
愛 ....
母が癌で去って六日目に父が倒れた。
病名は白血病だった。
父は門限や勉強に、容赦しなかったので一時確執のような物も
生まれた事も有り頑固で頭の固い父だと思っていた。
その父が入院したの ....
昨日 男が欲しかった
非常に発情しているのがわかるの、”らん”は左側から排出されていてよ。
けれども赤く、流れてしまった
あなたが早く来ないから、流れてしまった
お会いできるの ....
子供が
消えて
雲と、雲以外のものの境界が
曖昧になってゆく
遠い飛行機の轟音と、鼓膜とが
混同されてゆく
昼なのか、それとも
冬なのか
子供は
過ぎる為に走るのだっ ....
ギンガミ、ギンガミ 金呉れた
傘の花が開く頃 ギギギの尊が肯いて
平和の意志杖 おっぴしょる
ギンガミギンガミ 鳴り響く
オタカラ、チカラの揃い踏み
春の日永の暮れ六に
土俵を ....
くらげに刺されて
手がしびれ、
正座をしていて
足がしびれ、
肘をぶつけて
腕がしびれ、
血を抜いて
唇がしびれ、
眼が合って
心がしびれ、
ニュースを観ていて
頭がしびれ、
....
霧の底は不思議の国である。霧は谷間を埋めて川のように流れる。霧の上に表れている山のいただきは雪に覆われている。霧の流れは谷間の果ての崖にふつかって上昇し、山の斜面を薄いレースのカーテンのように覆うが、 ....
浮遊するのは 短い 手である
切り取られている それらは
いなくなった 僧侶であり
僧侶の 泥の数珠である
浮かび上がるのは 指先である
アスファルトの 教義に
道徳の 邪 ....
こな雪がつもった
前髪につもった
この大都市で
吐息がきこえた
君の
吐息がきこえた
流星のように 突然 君は訪れた
罪と歓喜に 灼かれながら
その夜 世界を夢見る永遠者の 憧れ が
人ゆえの この白熱の炎 であることを 私 ....
栃の木狂う様を見て色めく花のかしら
書く各の板踏みならし心に塞き止める
此花のいろどりを曇らせることのない
ように手直し、夜中、
友の寝息と話し声駆け巡るなか
える字の板にカタカタ ....
枯葉を踏むように
ことばを
かさかさと
私たちの記憶の下で
何かが
くだけ散っていく
それは
再生への営みと
私たちは知っている
枯葉を
振り向いたりしないのは
そん ....
わたり鳥の光のかたむき
水と草とに散ってゆく声
拾う者なく散ってゆく声
あたたかな隙間ある冬のはじまり
器にはまだ水があり
夜の雲を映している
緑を覆う緑の暗がり
....
「久しぶり」
っていう笑顔が曲者
あのときはずいぶんいいようにあしらってくれたね
あのあとすぐに結婚したって聞いたよ
それで少し泣いちゃったことは秘密
「電話番号教えてよ」
教えない
「 ....
爆音と情事を
3つずつ交互に重ねて
その上から別れ際のキスと
夜の高速道路のオレンジの光を
少しだけ散りばめてみる
本当は
やさしいモノとか
フワフワした心地よいモノとか
ぬくもり ....
こんなにも高い こんなにも深い
世界の間で 君の夢を 見た
美しい鳥よ そのとき たしかに
僕 は 君を見る 方法 だった…
....
知っているのですか
あなたと
わたしが
手を合わせる
その意味を
つなぐ、と
つながれる、の
隔たりをあなたは
まるで何も
知らないかのように
この寂しさを
知ってくださ ....
ちょっと こっちへおいで
ふすまのあいだから
まるで骨のような
青白い手を
くらり くらり と
招いて
貴方は 僕を呼ぶ
おかしを あげようね
ちり紙に包んだ
....
いつからだろう
その存在に気づいたのは?
私の中に巣食う胎児
人知れず老いの速度で嵩を増し
禍禍しい誕生の日を待っている
(それは私の終焉の日でもある)
蓮を被った哀れな子供
血まみれの ....
犬の尾の振れ幅が 小さく小さくなってゆく
そういう空気が あなたにはありました
あの時
冷たいつもりの温もり、と 私は呼んでいて
そういう ささやかな反抗は
それでも水面下にいつも ....
家に帰ると、人がいた
一人暮らしの僕の家に
彼は、僕だった
僕は彼だった
仕方がないので宅配ピザを取って
二人で食べた
僕の好きな音楽を聞きながら
僕の趣味の話をし
コメディ番組の ....
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