夫の背中には口がある。
だから夫は、
背中を向いて、
わたしにしゃべる。

夫の丸い背中はいつも白いワイシャツに包まれている。
背中は、
わたしがご飯です ....
ほとんどの人は、もう
溺れているの
誰も気づいていないだけ

澄んだ指さきが
アルカディア、と答えて
空の一角をさす
新しい風景、新しい秩序
それは
見たことのない宇宙

(行け ....
朝になると
夫が焼き上がるいい匂いがしてきて街へ出荷されます
街ではどれも似たような顔の男が売られています
売れるまで帰ることができません
早く帰って焼かれたいと夫が思っている頃
窯の中では ....
浅い眠りのなかに
潮の匂いと砂を踏みしめる音がして
わたしは海辺にいるらしかった

裸足に海水は冷たくはなく
貝殻の欠片を拾い上げても
その尖った先は指を刺さない

(きっと夢なの ....
 
採石場の跡地を
ヒトコブラクダが
ゆっくり歩く
かわいそうな気がして
コブをもうひとつ
描き足してあげた
耳の奥を覗くと
夜が明けるところだったので
慌てて帳面を閉じた
 
ぎんいろの折り紙で
鶴を折る

ぎんいろ
それは
わたし自身を惑わす窓辺の色合い

ぎんいろの街で
あなたとの足跡を探してしまう
例え人違いだったとしても
あなたに良く似た後姿に
 ....
  「アリュール」

{ルビ汚=けが}れならば五月雨川に流せりと誘ふその手は{ルビ梔子=くちなし}に似て


  「ブラック」

黒髪に触れし指先奏づるは重なる肌のあつき旋律
 ....
広島への出張なんて
もう馴れたと思ってたけど
今日は新幹線の
閉まる自動ドアが恨めしい
これから会議だっていうのに
君の涙の理由ばかり
そればかりが気がかり

  帰り道、駅までの路地 ....
東京、ぼくの見た東京
髪や服に滲みついた煙草と、酒と青春と


01/06/2007
イヤフォンは四六時中、質問を繰り返す
だから答えばかり眺めている
きみのいないところで
間違い ....
 
 
 /雨が降ってる
  小さな砂漠なのだと思う
  講師は教壇に立ち
  黒板に自分の名を書く

  「倉持康雄」


はじめまして、倉持です
皆さんにとって実りのある研修 ....
夜の闇の 
海の 曲
無辺の潮が 
樹々を揺らす
光は踊りを忘れ 
抱かれる胸を喪った
荒れる雨も風も 
行方を知らず
破れた帆船は
宙空を彷徨う


  ....
軌道を外れて落下する雨
待ちこがれる傘
からだを露骨に紅潮させ全開となった傘を
雨が狂ったように激しく打ちつける
すべてが終われば傘は
からだに付着した雨を丁寧に振り払い
雨は何事もなかっ ....
先日、祖母の誕生日でした。
80歳になりました。
「傘寿」というらしいです。
「傘」の略字が縦書きの「八十」に見えることから、そう呼ぶのだとか。
来年は「盤寿」だそうで、その後も「卒寿」「白寿 ....
もしも オレが困ったときは    遠慮なく 頼りに行く

だから つねに 心とサイフに  よゆうを持っておけ


信じる 未来のために 立ち向かうのがオトコ

落ち込んで 逃 ....
               2007/06/07



困るんです
困るのです
困ります
困る


こら!
逃げるな!
逃げてはいかん
逃げては困ります
にげてはいけま ....
スプートニクという鉄の塊が
かつて 一匹のライカ犬と 
七日分の酸素と水
わずかな食料と 強い願いと 
未来への可能性を積み込んで
秒速8kmで地球の外に放り出され ....
バケツは横たわって喉を渇かしている
思いっきり蹴られて宙を二、三回転しても
着地のやり方はまちがってしまう
あれほど着地を練習したのに
いざ蹴られてみたら本番に弱いので
側面にへこみばかりが ....
愛すことを忘れた
曖昧な笑みで
あなたに似たあたしは
赤い糸を
あちこち千切っている
 
朝に疲れてしまった
あたしは、そっと
新しい夢を見る
明日を、探している
 
 
飽き ....
花弁を剥きだしの裸にして、白い水仙が咲いている、
その陽光で汗ばむ平らな道を這うように、
父を背負って歩く。

父はわたしのなかで、好物の東京庵の手打ち蕎麦が、
食べたい、食べたいと、まどろ ....
  タクシーに乗って
  道を歩く

こんな時間までお仕事ですか?
運転手が尋ねるので
ええ、まあ
と答える
今日は暑かったですね
暑かったですね

  本当に暑かったのだろうか
 ....
朝日影にふくまれた わたくしの陰影が
ありのままの白い骨格で
よるべなく
この家に嫁いで来たのです。

その
わたくしが、
わたくしであるが故に、
わたくしを焼べねばなりません。
そ ....
鍵盤が風に舞うとき
心の奏でる音色がある
生まれなければと嘆くには遅すぎて
涙を宝石にして差し出したあの日
音律だけがいくつも身体を打ち抜いた

もう戻らない帰らない
かすんだ心で先は見 ....
友達同士は
そのとき気分で

だなんて
なんだか寂しい気がするな

友達だと思っていても
困ったときには知らんぷり

お釈迦様の蜘蛛の糸。とっくに切れてしまったよう

ファイト・ ....
{引用=


一、星が生まれた日


  少年が落としてしまう、
  それは
  あまりに
  優しいもので
 
  いつまでも思い出は
  少女のかげをしています


 ....
ぼくは巨大なレゴを前にして考える

ぼくはその塊をバラバラにして

ブロックひとつひとつを手にとって

マジックで名前と番号を振る

そしてまたブロックを組み上げる

ぼくはだんだ ....

放たれた矢は射手の胸に刺さる
ゆえに詩は死
死は史にも通じ
後者は一般に過去を記録した事象を示す名詞である
詩が死であるところの史とは死の記録
過去とは死者の王国である
つまり どん ....
肩が外れた
外れた肩を持って闇市に行った
拾ってきた新聞紙を広げ
粗末な店を開き肩を置いた
たくさんの人が前を通り過ぎた
みな急ぎ足だった
しばらくして
職業軍人らしき人が買っていった
 ....
  

抱きしめたもの
全部ひっくるめて
冷蔵便で送るよ
君にとってはもう
要らないものばかり
かもしれない




{引用=fromAB}
            2007/06/05

かりんとうを
長万部で買う
駅の待合室には
仕事にあぶれた人たちが
冷えた弁当をストーブに載せて
暖めている
ヤカンから湯気が出てい ....
夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして

滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街 ....
かおるさんのおすすめリスト(4124)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_夫の背中。_」- PULL.自由詩4*07-6-11
アルカディア- 佐野権太自由詩27*07-6-11
- 小川 葉自由詩2*07-6-11
夢の浜辺にて- 銀猫自由詩17*07-6-10
- たもつ自由詩2407-6-10
ぎんいろ- 恋月 ぴ ...自由詩59+*07-6-9
パルファム- Rin K短歌32*07-6-9
麗ちゃんで「7番」- たりぽん ...自由詩8*07-6-9
東京無音日記- はらだま ...自由詩32*07-6-8
雨音- たもつ自由詩1607-6-8
海賊の星は墜ち- まどろむ ...自由詩8*07-6-8
雨音- 小川 葉自由詩6+*07-6-8
祖母のこと_2007年6月- 北大路京 ...散文(批評 ...22*07-6-7
弟よ- 北大路京 ...自由詩12+*07-6-7
固まらない- あおば自由詩9*07-6-7
放課後の音楽室からのピアノの音と想い出の中の時間の流れ方は良 ...- 我辣波饅 ...未詩・独白207-6-7
ラストシーン- 小川 葉自由詩407-6-7
- 山中 烏 ...自由詩10*07-6-7
森番—透過する森のなかへ- 前田ふむ ...自由詩38*07-6-6
- たもつ自由詩1607-6-6
薪_(たきぎ)- こしごえ自由詩26*07-6-6
幻想回向- アマル・ ...自由詩607-6-6
どうし- 恋月 ぴ ...自由詩19*07-6-6
小詩集【金貨のためのオルゴール】- 千波 一 ...自由詩16*07-6-6
ぼくはモンスター- 知風自由詩107-6-6
Poesie- The Boys On ...自由詩3*07-6-5
東京パック- たもつ自由詩1307-6-5
東京パック- AB(な ...自由詩1007-6-5
東京パック- あおば自由詩28*07-6-5
夜の飛行場- Rin K自由詩43*07-6-5

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