指先のその指先の紡ぐ白
伝えたい言葉が先に消えてゆく
自分の主張を伝える手段として安易に詩を使っちゃいけない、とかなんとか、どっかで見たような気がする。けれど、もちろん「僕」の伝えたいこ ....
イディオとサヴァンは瓜二つ
それもそのはず 種ひとつ
フィリアとフォビアも瓜二つ
それもそのはず 花ひとつ
イディオとサヴァンは
フィリアとフォビアとめでたく結婚
だけ ....
きんいろは
かなしいすべだと思います
闇夜のはなは
もっともあかく
ひとみを閉じこめて
火から、
結ばれてゆく、
果実のことなど、
だれもが、
とが ....
わたしはまだ
運ばれてゆける
むずかしい物事を
ほかの名前で呼ぶよりも
ここが峠の途中なら、
そらにまぎれず
澄み渡りたい
あなたのそばには無い数を
おだやかに
....
きみにメールをしようとしたけど
なにを書けばいいのかわからなくて
白紙のままの作成画面をみつめた
液晶がにじむ
ほんとうはずっと
信じていたかったんだ
ばかみたいに
おとぎばなし ....
確かにこの街にいた
お口を使って生きていた
わたしのねえちゃん
お口を使うお仕事
テレアポ
アナウンサー
明日の天気をお知らせします
晴れのち曇り
北風強く
ひゅうひゅう ....
エアー、夏のように
薄い服を着たあなたが
少し口を開けて
世界とつながっている
あなたの唇も手も皺に慣れましたね
前より縮んで
それでもまだ懐かしい
エアー、吸えるものは
たくさん ....
―RIOJAにて
見渡す限りの葡萄畑を歩いてゆく
そこ此処に きれいな花をつけた木が点在している
アルメンドラ!とおまえが叫んで 駆け寄って
木 ....
―RIOJAにて
?.
なんだかこれは
フリーメイソンみたいだ
俺達は深い地下にいる
NAVARIDASというリオハ ....
きみの名前をおぼえた日から
ぼくはふたつを呼んでいる
やさしさは偽らないからね
溢れても
まみれても
ささやかなすべてを
見失わないように
疑うことは
....
ざわめきを聴いていた
誰か、いいえ
それよりもっと
わかりやすいものたちと
孤独を分け合って
ざわめいていた
聴いていた
つばさを諦めることで
繰り返されてゆく、
....
なんのかんの言ったって
春はすぐそこなんだから
モジャモジャ気分じゃ
しょーがないでしょう?
いつも暗いツラして
卑屈なカッコして
ちょっとヤバめに
キマってるフリして
オシャ ....
寒い風が吹いてます
冬が
戻ってきたのです
冬が急いで戻ってきたのです
走ってきたのです
自転車に乗って
新幹線を追い抜くように
猛スピードで
戻ってきたのです
北風が吹いて
寒い ....
君という雨に打たれて
私のあらゆる界面で
透明な細胞たちが
つぎつぎと覚醒してゆく
夏の朝
影に縁取られた街路
やわらかな緑の丘
乾いたプラットフォーム
きらめきに溢れた ....
小高い丘に店を開いた
お客が来た
出入り口なので
お客は出ても入っても良かった
晴れた日は
見渡せることろまで見渡せた
雨の日は
屋根や壁に雨があたった
ただここにいて
何かを待って ....
知らない音がとびらをたたく
ベッドで薄目をあけたわたしは
なにも聞こえないふりをする
知らないひかりが窓からのぞく
つくえでまつげを伏せたわたしは
全部知ってるふりをする
夏と冬が ....
擦り切れた指先でなぞる未来も持たず
一瞬の刺激
読み捨てられる雑誌のように
そのために私たちは在るのではない
愛しているという言葉は
搾取するための言葉ではなく
私たちもそれを望んで口にし ....
冬が終わりそうなので
ひだりの方を向いたら
そこにはひだみがいた
ひだみと名づけられたひだみは
自分が何であるのかわからないので
大そう困っている
僕もひだみと言ったものの
ひだ ....
てのひらに乗った 雪が
溶け出して、僕の
一部になってゆく
降り始めに気がついたのが
どちらだったか
もう忘れてしまった
雪は
これで最後かもしれない、と
最初に言ったのは君の ....
ナルニア国の泥足にがえもん殿他とおぼしき方々から、とてもうれしい便りが次々と届き、なんだかとても気分がいいので、かなりの出費が痛手なのですが、いよいよ春めいてきたということもあり ....
わかんなくていいよ
そういってウミスズメは
うなだれて水に入った
ここの漁師たちは野蛮だから
ライフルを持って船に乗る
水面下を飛ぶように泳ぐ君を散弾で撃って
ああ そうさ ....
木漏れ日 胞子
美しい 人
孔雀 ローレル
とまどう 水鳥
暖 かいね
おひさま 涙
この木 何の木
気になる ならない
いいから ほらね
触って ....
素に戻ると
大勢の人の前に立たされた
わたしが
いる
深々と頭を下げて
何を謝っているのだろう
トナカイのそりに乗り
飽きることなく
眺めた
白夜の物語
あ ....
夜だけひらくその店の
すこしよごれた扉をあける。
煙草のにおい。
ソーダ水。
チョコレートと紅茶。
「スピカちゃんは来てないの?」
「さっきちょこっと来て帰っちゃった」
「そっかー。 ....
その水、に違和感を覚えて
やみくもに辺りを手探りすると
両手(否、ひれだろうか)は
ぬるい水を掻き混ぜながら
うっすらと視界を灰緑色に濁らせた
朝の慣例に従い
唇に色を挿して
黒 ....
テキーラと
ラムとウォッカと
ウイスキー
心が痛いよ
いや心臓か
安ワイン
愛想が尽きて
シャンパンを
毎日飲んだら
友達が増え
本当に
人魚が見えるぜ
午 ....
人がいなくなって
街はしばらくざわめいてあきらめて
そうして日が暮れた
ある冬の日
おれはおまえを探している
茶色い瞳は星と月だけを頼りに
上を向いた鼻はおまえの匂いをた ....
街路樹に抱きついて愛情をほしがる
そうしておまえは湯豆腐が食べたいって言う
俺は冷奴が食べたい
おまえの肌のように白く冷たい
交差点がわめき散らしている
スピーカーつ ....
ぼくの、ぼくは、あたまの中を舐めて
うにうに舐めまわして、舐めて
確信が持てないでいるのです、あなたの味、におい
( 体液、体液。したたって、体液のみずたまり
襞、ひだ、うにうに 襞は ....
ある日 やしの木の上で
ぼくは きみを見つけたよ
しっぽの ながく かわいい
きみは まるいマンゴーを持ってたよ
きみのすてきなマンゴー (ま〜ん〜ご〜)
ぼくにくれ ....
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