積もる話もあろうから雪が止むまで話そうか暖まろうか。
「きみからふって、
ぼくからつもった。」
そんな雪の日だったね。
別れの日。
....
2007/02/10
ぶり大根のように
生臭くて
柔らかい物が好きなんですよ
歯がないお年寄りのように
笑顔を漂わせて
見知らぬ人が挨拶するから
....
伊勢の南島町
漁師の友達の両親
おばさんは嫁いでから
一度も休みがない
その息子 親友 純 日本人 世界中を回って
ハワイにたどり着いた波乗り くらげに襲われて
....
2007/02/10
頸のない手足と
頸のある手足の
ご神体があった
頸城 ....
蒲鉾がなくなったので、
あたしは買いに行く。
近くのスーパーは深夜まで開いている。
あそこの練り物はコンビニのよりも美味しい。
そう彼が言っていた。
自転車に ....
崖っぷちでお父さんが寝ていた
風邪などひかないように
布団をかけてあげた
ああ、これは夢なんだな
と分かって目が覚めると
崖っぷちで寝ている僕に
お父さんが布団をかけてくれていた
細い腕 ....
コーヒーカップの中に
スカートをはいたライオンがこっちを睨んでいた
動物図鑑を投げ入れたら
羊の写真でセーターを編み始めているので
砂糖を入れてスプーンでかき回した
匂いを嗅ぐと春の草が漂っ ....
あいかわらず武士だった
参代する日でもなかろうに
女房殿に渡された温かい包みを抱えて
坂を下ってゆく
*
何やら人垣ができていて
たいそうな{ルビ賑=にぎ}わいである
隣の女房が ....
ファスナーあいてるぜ
ビーズのドレス
子羊は
オーストラリアで死んで凍えて
この白い皿に乗って
おれたちの血肉になる
あたたかいから
おいしいから
たくさん ....
気が付くと、
また曖昧なものになっていた。
前回はあいまいで、
その前はアイマイだった。
…ような気がする。
これもまた曖昧である。
曖昧なものになった ....
カブトガニが
切り開いた
密林の中の
焼け残った
畑の中に
落ちていたのが
乾いた魚の腸
鯨の尻尾の先が
草むらに浸かって
元気の良い
水音を奏でている
乱れた髪の毛を解して
....
「いいの、わたし、ここで暮らすの。」
おんなのこの言い分って、すごくわからない。
こんな真っ暗でなんにもないせかいで
放っておいて、と言うように。
ぼくは、
耐えきれずきみの
葉脈 ....
踏み切りで電車がすれ違った
「電車と電車がおおまちがいだよ」
坊やは言った
大間違いするわけにもいかないので
電車は最後尾が離れる瞬間
少し間違えてみせた
「あら、間違えちゃったみ ....
まいったぜ
ふろ
おでん
日本が
おまえになるなんて
まいったぜ
MEIJIの
いちごチョコ
それが
おまえに会うための
チケット
トリスウイスキーと
....
なつかしい匂いに
ひたる冬、
寒さは
使い慣れたはずの指先に
疑いようも無いくらい
数をつのらせて
まもるべきが
すべて、に
なる
泣いてしまうことも
ねむ ....
キミを愛してるの「ミ」はきっと"E minor."
どれからはじめる?。
ドレミから?。
砂浜に、
五線譜引いて、
別れた ....
傷口に口づけ。
(塩を舐めて、)
どれぐらい痛くして欲しいの。
沈黙には沈黙。
出したくなったら出してもいいのよ。
口の中。
....
優しさにぶらさがる
重なる星の巡り合わせに
ふたりだけの夜
ドブ板通りの古びたカウンターで
わたしをみつめる
瞳と
Never mind
歯並びの良い口元が闇に浮ぶ
迷路のような船底で ....
天の岩戸の完全黒体
まっくろくろの黒助と
揶揄された記憶も忘れ
世間は今も
岩戸景気に浮かれてる
黒体炉の中で目を覚ます
スペクトルの子供たち
明るい光に迎えられ
わいわい ....
しっかり掴まっていろ
サンダーバードの
エンジン唸る
1/4開度のグリップで
ゆうゆうと国道を突っ走る
トラボンの後を追っかける
追っかける足跡が
草臥れる足跡が
怖い音が ....
西日のうちよせる窓辺に
幼い貝がひとつ
もぞもぞと動く白い靴下を
つん、とつけば、また{ルビ蹲=うずくま}る
どうしてこの子は
こんなに静かな遊びを
思いついてしまったのだろう
座り ....
死んだ鯔が漂っている
ゆらゆら ひれをふりながら
近づいてくる 油の浮いた港の水を分けて
俺の思い出を裂いて
一漕ぎで 鯔はあきらめる
記憶の追跡を 死というやわらかな退廃を
この ....
水面の戯れ水紋の喘ぎ。
乱れる波、
果てるを知らず。
満たされし満たされぬ果て、
月に焦がれて肥ゆ波高く。
悲しの海。
別れ ....
?.
日が沈むぜ
ウォッカの氷に
日が沈むぜ
おまえの鎖骨に
観覧車に
モップ犬に
道行く人に
カモメの声に
書くしかない
書くしかないんだ
おれたちこんなに ....
名前を呼ぼうとして
ことばに拒絶される
あなたのくちびるなのです
だきしめたいのは
いえ、むしろ
ことばでは居られないから
そばにいて感じたい
あなたのおこす幽かな風まで
....
うにゃーとか
ごろにゃんとかで生きてみたい
そう云うあなたはナマケモノ
ハイエナが
悪者だなんて酷すぎます
一生懸命生きてるんです
ラブレター食べさせられても困りま ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
実を言うと俺は男の身体も好きだ
前も言ったっけ
そう言うとゲイやバイの奴らが集まってきそうだが
残念ながらその気はねえ
天国に連れてってやると色々誘われたりもしてたんだが
ツボをよく分か ....
その恋は
可笑し味
私の胸をおおう
パウダァスノウ
並べたふたりは
マトリョーシカ
不細工なその指先が
触れるか触れないか
その恋は
いつも今
私の前髪を薙 ....
道路に似た人がいたので
間違えて歩いてしまった
慌てて謝ると
よくあることですから
道路のように笑ってくれた
よくあることですから
そう言って
許したことや諦めたことが
かつて自分 ....
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