水瓶は水を
湛えたまま夜空を
平然と飲んでいる。

少年は身を
踊らせて蛇口を
ひねり自らの水瓶座を
満たそうと考える。

蛇口は夜を
錆びさせた年月を
経て少年を
飲んだ鉄の ....
さなぎの、笹食べているのを見て
いると暗澹とする。ささ、さあ、
こちらにおいで、さなぎ。どうせ
おまえは動けないのだから、せめ
て、こんな年寄りのところまで、
這いずり回って、混沌のようにや ....
 生まれてはじめてお付き合いをした男性が結婚したことを知った。当時は男性というよりも男の子だった。愛読書だと言い、『風の歌を聴け』を私にくれた。そうして自分の為に新しい本を買っていた。今も愛聴 .... 第三公園にて
子供たちの遊びがバタリと終わり
夕刻が全く遊びではなくなったころ
通称・動物公園、を
理解できずに正しく第三公園と呼んでいたら
わたしの待ち合わせだけが上手くゆかないまま
わ ....
自分の投稿した作品にポイントが入ると、嬉しいです。
それはもう、半端じゃなく嬉しいです。

一応は「良い」という証としてのポイントであります。
しかし、「頑張れ!」だとか「仕方がないなぁ」だと ....
私の中に
午前を飼っている
白い舟がいくつか
遠く漂う午前だ
華奢な草の葉がためらいがちに揺れ
吹く風のなかに
覚束なげな青さが
消えない午前だ

もう長いこと飼っている
だからも ....
まなこ に にちりん

もろて に こがらし


つち の かんむり しろ こだち 



かぐわし みつ むし

たわわ の やま つき    


かぜ の ふところ  ....
僕は感じる君の気配を
弓なりの曲線は
甘い咳払いひとつ


それは涎のようでもあり
差し出した僕の人差指に乗り
鳥かごから出ようとする可愛い小鳥
胸一杯の期待感に
ひ弱な翼を震わせて ....
三発目のライダーキックが、
不発に終わった時。
ジューの命運は尽きていた。

だが、
ここで敗北を、
認める事は出来ない。

来る金目鯛星人の襲撃を、
眼前に ....
残暑が、高らかな色彩吐露を
自ら慎みはじめている
少しでもぶり返せばそれは
奇声、とひとことで片付けられる


薬を拒んでも、夏は引いてゆき
もう夏風邪とは呼べない何かと ....
梅雨が明ける
青空の隙間から熱い風が吹く
素足を焼けた砂に投げ出せば
背中や肩や胸元に焼きついた記憶と
砂塵とともに行方を知らせない記憶たちが
行き来する
だから
こうやってここで
生 ....
胸の小さな鉄板を
裏返しにして
お互いにハンダ付けした

ここはホホエミランドリィ
ミンクのファー投げ込んだ
信号が青になる方へ歩けば
たどり着く場所

30分前、鎮痛剤ぶち込ん ....
妖精が見えるという
塗り薬を瞼に塗って
赤から黒に濁りゆく
暮れの森へ出かけた

不可視
青年の瞳が捉えたのは
影絵の集合
寂しい墨色の森

ざわざわざわ
木の間を流れる風が
 ....
あしもとから吸い上げたあしたの記憶が
葉脈をつたって
四肢に達し
やがて、蒸発してゆく


芽生えを待つからだに
クロスする
光合成の日々
涸れているのは喉なんかじゃなく
わたしの ....
乾いた熱い風が 海沿いの道路に吹きつけても

九月のアスファルトの上には もはや弱々しい陽炎さえ立たないのだ

海岸線と並行して走る二車線の国道は 気味悪いぐらいスムースに流れていて

八 ....
まるで他人行儀な
挨拶で書き始めたのは
あなたの選んだ便箋が
何だか照れ臭く
上目遣いにさせたから



感情を露にせずとも
温かな文となるようしたためたい



そんな課題 ....
何千メートルも 落ちてくる
  

出会い頭が 痛くないのは その肌が 
包み込む 優しさなのか
触れずに 溢れた粒は 足元で 弾けつづける


叩きつけられた 落差は 急いで 
も ....
オモチャ箱には
彩り鮮やかなブロック
そのひとつひとつを
あちこちから眺めては
思うがままに積み上げる


時にはいびつな格好に積み上げては
夏の終わりを告げる土用波に
あっさり崩さ ....
しずかにたたずむ ひとは
風の流れる さやかな笑みを
薄紅色の肌ですいこみ
未練なく放熱し
終りをうちあけて

やわらかに傾いた
音色の日差しにつつまれ
緑は青青と奇声を発しながら
 ....
おかえりなさい、が あったのだよ

ひらけば其処に
おかえりなさい、が あったのだよ


そとから帰って
よごれた手も洗わずに

とってもとっても
温かかったのだよ

 ....
その美意識の中では美しいとされているのか
目のない魚たちは見たことのない光など求めない
もしかしたら、その静寂は、ほんのひとかけらで
そのかけらさえ理解できない未来は過去になっていく
このまま ....
むかしがありました
むかしはいつまでも待っておりました
風は砂時計のように
失ったものをひっくり返し
また失いはじめるのでした

たった一本の
傾いた光の下で
自分を整理整頓したりする ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
その階段は
まぎれもなく階段であった

手入れの行き届いた草木

光を反射する 白の像

そこは
入り口にも満たなかったのだ

まぎれもない階段の途中
この両目は 
 ....
高校二年生の冬、谷川岳で幼馴染が遭難した。きっと、眠っちゃいけないと眠っちゃいけないと思っていただろう。その日の朝刊で捜索が打ち切られたことを知った。

初恋の人は学校を辞めて谷川岳に彼を探しに行 ....
わたし

(現象する
音声に燃えていく
{ルビ紅=くれない}する
空ろな現存の呻き
青ざめる{ルビ夜=よ}

鋭くかげる新月に
引かれる心音のにじみは
血管を震わせて
蒸発してゆ ....
枝に ぶら下がってる
偽者の太陽

発火を夢みて
まどろむ 花弁

かかってくる
濃い 夜の 暗い闇

閉じない 瞳
はずれない 翼

あたたかいのは 私だけ
じっと 冷えた ....
何だか最近こんな感じだね
ちょっと手を伸ばせば
君の優しさに触れられるのに
何故かためらってしまう


あのゲームと一緒かも
無数の穴凹から僕のあたまは
勢い良く飛び出しては
怯えた ....
久しぶりに自転車をこいだ


思いのほか重くって 
にわかに
ふくらはぎが 
注意報

堪え 
堪えて 
焼鳥屋を目指す 
男ふたり



「とりあえずビール」

 ....
蝋燭の炎が
自らのロウで噤むやいなや
細く白い一筋の上昇気流に紛れている、あなたの
残り香の腐乱による、鈍い苦痛を
わたしは貪ります


空耳に耽る耳には、耳の
幻 ....
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