四時三十六分 
始発
どいつもこいつも
終着にむかっていきやがる

終着は、またどこかへの始発で
始発は、いつしか誰かの終着で
だれもかれも
途中で降りるのだろう

{ルビ可変電圧 ....
理由をお尋ねしても構いませんか

無用な物事に慣れてしまえば
あなたの哀しみと同等に
わたしも哀しいのです
涙の理由を
お尋ねしても構いませんか

夕闇のなかを
誰も彼もが急ぎ足 ....
  
玄関を開けると
妻はドラマを見終えたところで
「あたしの唇返せ」
と言う
そんなこと尻をかきながら
言うもんじゃない
と思いながらも
冷蔵庫のビールの有無が気になった
僕らは
 ....
ブループードルを飼うことにした

青い物しか食べない
難儀だ

試しに、青い折り紙を置いてみたら
見向きもされなかった

旅に出た
ブループードルを連れて
青いものを探す旅

 ....
                    



今日は仕事ないから
俺たち遅くまで寝てたっていい
でも空がほら
あんまり青いから
外に出ようぜ
競争だぜ
階段駆け下りて
飼い犬に ....
囓りかけのパンを
置き忘れて
二人は立ち上がった

九官鳥の羽根を身に纏い
新月の夜は巡るのだと
顔だけを空に向けて
歩く

垂れた電線を潜り
蛇が
鎌鼬のような顔をして
平行 ....
家に帰ると
なかったはずの、が
いて
言わなかったはずの
おかえりを
言ってくれる
それから
なかったはずの
夕食の支度が始まる
なかったはずの、は
キッチンで月の光のよう ....
  ――すべての夭折を急ぐ者とそれを諦めた者のために


?

たとえば雨が降って
翌日には綺麗にあがって
その間にブレーキを踏んでから止まるまでの
少しこわい距離がかせがれて
僕た ....
アスファルトにいて、
わからない、
夏、激しい群青で遊び過ぎ、その果てに、
すっ、と発狂するようにしてひどく青く、
遠ざかる空、その秋の為なのか、
或いは ....
仮面


産まれたての
あの頃に
戻りたくて人は被る








他人を欺きとおせても
おのれの顔だけは

欺けない





頭蓋骨


そ ....
母とふたり
ブランコを引きずって歩く
強い陽射しに皮膚は焼かれていく
健康に良いことだ
母は教えてくれた

たくさんの人とすれ違う
みな一様に微笑んでくれる
支柱が肩に食い込んで痛 ....
ぐるっと回ったら国道だ

しばらく走れば森がある

色なんか聞くな緑だ
緑に決まってんだろう


緑ばっかだ

なんだっけあれ
あの変な車で行けよ
あの変な車の変な色
な ....
なだらかな野辺に{ルビ錨=いかり}をおろせば
緑色の秋がふりそそぐ

やわらかな雲の群れを辿れば
まぶたは風にまどろむ

じっとしていなければ
追いつけない季節

木漏れ日を新呼吸し ....
ほうらご覧よ
あんなに見事な

ゆるりゆるりと
銀の鱗を光らせて
水面に映る魚のよう

ゆるりゆるりと
眺めていたら
水の底から
見上げてるのは
こちらのほう

銀の鱗の魚に ....
あなたのもとに
つながっているだろうかと
また海に来てしまった
彼方の水平に
上昇気流の痕跡が偏西風に流れて
波間に姿も映さず高く飛ぶ
渡る鳥、それよりもずっと星のそばで
焼かれる今 ....
今朝
澄んだ風が吹くようなので
ぶらりと散歩に出た
用水沿いにも彼岸花
延期になっていた運動会の
開催を知らせる音が響くと
そういえば
と ついつい
よく晴れた空を見上げてしまった
 ....
おいどの大きな者が
持てはやされた遠い昔の
おんなは血を繋いだ。
夜毎
亭主とまぐわって
子を産み
子を育てた。
おいどの小さな者が
持てはやされる今どきの
おんなは血を乱す。
し ....
水鉄砲を空に放つ


リアス式海岸を
走る

気動車
機関車
各駅停車の
車両達
それぞれが
異なる
ジョイントの音を立てて
走る



水鉄砲を携えて
 ....
技術
 技術外れの季節に
議会を解散したかったのだが
主権者の端くれとしては
クレマチスが良かったわ
と言ってくれるまで
くるり棒を振り回す
麦秋の徒に
陰口
影女
悪巧み
古狸 ....
夜の長い季節がめぐって
今年もまた
潤んだ果実の薄皮が
あなたの細い指先ではじけて

  枯色の穂の律動

その春のようなくちびるに
すべり込むのです


かわききった大地で
 ....
あなたとおそろの夫婦箸
いまはもう使う気にもなれない
あの頃は愛の姿を信じていた
同じ季節の同じ日々
それでも、素肌に感じる感触は
あの頃とは確かに違っていて
ひとり台所に立てば
化学の ....
 ・・・ひとりのこどものために

人間の中で
いつもわたしは震えていた一人のおさな子だった
ふたおやの不当な暴力に 無力であり
理不尽な要求に 声を震わせ 慄き
欲望の魔の手に この身体を ....
象の飼育係をやめて
バスの運転手になった
象の目は悲しげだ
と言うけれど
乗り降りする人たちも
体のどこか一部が悲しげだった
遠くに行きたかったのだろうか
数頭の象が停留所にいた
 ....
空中章魚を
紐で吊して干して炙る
焦げる匂いにねこといぬ
鳶がアブラゲ落っことし
財布の紐をつまんでた

春になると
誰も来なくなるから
凧を揚げてみるのだ
ゆっくりと少しずつ時計は時を刻んでいく

叶わないとしていながら

行動に移してスグに失敗

悲しみの奥底の小さな穴から見える

希望絶望そのほかの

万華鏡に反射した波 ....
まだしっかり帽子をかぶった黄緑の
君の大切なたからもの
やわらかい手が両方ふくらんで
哀しそうに助けを求める
ひとつも手放したくないんだね

小さなポッケを教えると
手の隙間から零れない ....
東京行きの列車が
一番線のホームに到着する
 あれに乗ればトーキョーまで行けるのね
娘は言った
 うん、行けるよ
 行きたいな、トーキョー
 この間の日曜日みんなで行ったじゃないか
 ....
秋の空気には
透明な金木犀が棲んでいる


陽射しに晒した腕が
すこし頼りなく感じ始める頃
甘く季節を騙す匂いは
思い出の弱いところを突いて
遠くにいるひとの微笑みだとか
風邪気味の ....
コスモス揺らめくかの丘に
 置き去りのままに鐘が鳴る
なにも言わず別れた日さえ風に鳴らされ
君は今は誰かと
 夜に沈むのでしょう
  明日は晴れです
君なしで始めた暮らしが
君な ....
プラットホームを行き過ぎる風
の形をした夜、の度に剥離する熱
を見送ってわたしたちは
さらさら、
最後の車両の跡地で長引いて
蛍光灯の微かな痙攣音とも分離しながらわた ....
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