テーブルの上に何かを忘れてきてしまった
いったい何を忘れてきたのだろう

それは大きなもの
ではなかった
かといって小さなもの
でもなかった
賞味期限が切れそうなもの
でもなく
 ....
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね

「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです

ついに私達の娘は
ロングス ....
1 バス待ち


陽だまりの停留所に
車椅子の老人


声かけようか
たとえば
今日もお陽さん輝いていますね
でもすぐそこには冬将軍で
そのブランケットは暖かそうですね
サング ....
愛飢え
丘聞く

濃さ
死す背育ちつ
手となりぬ根の
這ひ
増へ




母屋
射ゆ
獲よ
羽を
こびとは手紙の最後に
「こびとより」とそえたあと
「こ」と「び」のあいだに
小さく「い」の字を書きくわえた

しばらくながめているうちに
恥ずかしくなったのだろうか
てのひらで手紙を丸め ....
隣りでは君の咳が止まらずに
ウイルスが部屋中に降り積もって
負けじと僕も僕のウイルスを飛ばしながら
お互いのウイルスは僕らと同じように仲良くしてるのかなんて
そんなこと
ど ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた

ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った


蝶が来て
狂いたい
と言 ....
彼女からの手紙が
炊飯器の中で見つかった
もう
ほっかほかの
ぐっちゃぐちゃで

炊きたてのご飯はうっすら黒く
食べると微妙にインクの味がする
時おりぐにゃりと繊維をかんだりもする ....
  ☆黒田三郎「逃亡者」の場合




 黒田三郎といえば詩集「ひとりの女に」(1954年刊)であるらしく、はやくも60年代のはじめには「戦後詩人の恋愛詩のなかで古典的な位置を占める」(大岡 ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
天ぷらを揚げているうちに
この世にいるのがわたし一人きりになった
キッチン
みんないなくなってしまった

父も
母も
あなたも
娘も
隣の中村さんも
隣の隣の西野さんも
裏の ....
腰のものを赤く染めて鳥が鳴く。
うぶめ、と呼ばれる鳥である。
産の穢れに死んだ女は鳥となる。
ほう、と鳴くが聞こえるか。

生まぬとしても女は女と男は言う。
うぶめの悲しみを知らぬは幸福と ....
お金があるひとも ないひとだって
みんな
一斉のせ で 口をつぐむ
どうなのよ、どうなってんのよ・・・と

名前が付けられぬまま
もう何十年と 放っぽらかしで
明かりも射せない ....
黒いレースカーテンに透ける色ガラス窓が
めずらしい声で鳴きつつ
さっき
ひび割れてくのを

めでもみみでもはなでも
くちでもてでもあし
でもせいきでも
あなるでも
ないき
かん
 ....
      つらい人は 誰かいますか

   朝がくるのが怖い人 誰かいますか

       自殺したい人は 誰かいますか

          お金がない人 誰かいますか

    ....
捨て金魚をした

近所に川がなかったので
人の多い駅前に捨ててみた
金魚だってわかってもらうために
「大学と手毬です 可愛がってください」とでっかく書いた
気になって一日に何回も駅 ....
ここまでの6章で、私は、ネット詩批評の周辺にある5つのもの―――交流・感想・紹介・添削・観賞について書いてきた。これら5つ以外に「解釈」「註釈」などがネット詩批評の周辺にあるが、私は「解釈」を重視して .... 観賞とは、何かを味わうことだ。基本的には、誰だってできる。教わらないでもできる。しかし、味わえる内容やレベルは、知識に大きく左右される。だからこそ「味わい方」を教える/教わるということがありうる。
 ....
告白すれば、私は詩人同士の交流に限らず交流とゆーヤツが極端に苦手だ。自分の詩に感想をもらっても、どうレスしたらいいかわかんないし、私生活について質問されたり私生活について語られたりしても、あまり興味が .... この一連の文章は、タイトルから推測できるように原口くんの「まず、ないものねだりをしないこと」を受けた文章ではあるけれど、別に反論というわけではない。原口くんが、技術論重視の批評者を真っ向から批判してい .... 虫歯が痛んだので歯医者に行った
虫歯を治してください
口をあんがあと開けたのはいいけれど
白衣を着たおじさんに
ここは目医者ですと言われてしまった

仕方なく
僕は自動車の整備工であ ....
1.
顔を洗って髭を剃ると
私の顔は鏡の中にあった

洗面所の窓
その外にはいつも外があって
夜がまだ薄っすらと残っている

貞淑なやす子は朝食の後片付けをしている
今までの毎朝 ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
【透明人間の憂鬱】

透明人間の悩みは
最近、髪の毛が薄くなってきたこと
これでも若いころは
リーゼント、ヨロシクきめて
ハマのあたりでバリバリに透明だったぜ、ってなもんで
今ではバ ....
ハピネス。
幸せについて語ろうとすれば
それは光のように輪郭をなぞって透けていく
影はすべて
光を雄弁に語るハピネス。
流れ、を捉えることが難しいのと同じくらいに
私たちが生き残るのは ....
  わたし
  ごくつぶしの耳鳴り芳一と
  反転した橋の下
  こうもりみたいな夜を過ごす
  森の、もっと森の方
  ただのニレだったという屍が
  糸を引いて地面に伏せるまでの時 ....
地下鉄で
あなたは手首だけの幽霊と手をつないでいる。
もうさびしくないね、よかった。
あなたを慰めるためだけにこの世界に生えているてのひら。
それはまるで、

薔薇のよう。
私が小さな頃、ママが作ってくれたキャベツいっぱいのチキンヌードゥルスウプ。それは簡単なインスタントスウプでパッケージには英語でテイストグットって書いてあった。もう、ママもそのインスタントスウプも見当 .... {ルビ西御門=にしみかど}のフレンチレストランで女友達と、春野菜のソテー、小鳩のロースト、ワインもまぁまぁ、早めに戦線離脱したわたしはデザートのメニュー。ルバーブのパイ。そういえば、今朝、谷川俊太郎詩 ....
かおるさんのおすすめリスト(4124)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
忘れ物- たもつ自由詩1603-10-24
告白- 山内緋呂 ...自由詩35*03-10-24
花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる、ように- AB(な ...自由詩1003-10-23
五十音の実験- 岡村明子自由詩1203-10-22
風にわたって- たもつ自由詩1403-10-20
ウイルスの夜- いとう自由詩16*03-10-14
世界エレベーター- たもつ自由詩3903-10-14
ノート(緑透火)- 木立 悟自由詩1703-10-6
置き場- たもつ自由詩1803-9-30
風のオマージュ_その1- みつべえ散文(批評 ...1403-9-26
「___」に言葉を入れてみろ- たもつ自由詩3203-9-17
天ぷら- たもつ自由詩1403-9-17
私は石である。- 佐々宝砂自由詩24*03-9-14
ジオラマの街- 阿麻自由詩7*03-8-18
啓示もどき- 阿麻自由詩6*03-8-15
今夜- 阿麻自由詩8*03-8-7
捨て金魚- 嘉村奈緒自由詩33*03-8-3
Cry_For_The_Moon_7「批評へ、あるいは_Le ...- 佐々宝砂散文(批評 ...16*03-7-29
Cry_For_The_Moon_6「観賞、あるいは詩のソム ...- 佐々宝砂散文(批評 ...903-7-29
Cry_For_The_Moon_2「交流、あるいは火星の人 ...- 佐々宝砂散文(批評 ...503-7-27
Cry_For_The_Moon_1「序論のよーなもの」- 佐々宝砂散文(批評 ...803-7-27
素敵なこと- たもつ自由詩1303-7-14
時代- たもつ自由詩1703-7-11
醤油- たもつ自由詩9203-7-9
透明人間と- たもつ自由詩4703-6-23
ハピネス- いとう自由詩5703-5-12
ニレ- 嘉村奈緒自由詩1303-4-19
薔薇の花- なを自由詩1903-4-13
Is_it_good_or_not?- 芳賀梨花 ...自由詩10*03-4-11
Die_Forelle_D550_Etwas_Lebhaft- 芳賀梨花 ...自由詩4*03-4-11

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