冬だというのに
雨が降っている
朝 春のような佇まいに
白い木瓜が満開だ

咲き始めた紅梅の向こうに
なにもかにも霞んで見える

水を下さい いや 水を買ってください
水売り ....
聖なる牛を追って河原に遊ぶ
権力の恣意的な横暴に満ちた企みだ

牛は水辺に顔を背けていやいやをする
なんたって水は不気味だし
入るには深そうだ
それに何が居るか分かりはしない

 ....
退屈を履いて河原を歩いていたら
跳びハゼのような小魚にであった
淡水だからヨシノボリかもしれない

深い溜息をついて老人が河面を眺めている
もう余命幾ばくもないのに
溜息をつく余裕があるな ....
「ロビン・グッドフェローを探せ」


悪を憎む男
ロビン・グッドフェローを探せ
晩秋の森の奥深くに隠れている
弓の使い手を探せ
見えない未来とさかさまな世の中
逆転の力学を背負って迷っ ....
お昼時しか食べられない
よし牛の牛丼
なんだか
味が変わったような気がする
不思議だよね
東京タワーは郵便ポストより真っ赤だし
飯倉の交差点には
いつも機動隊の車両がとまっている
交差 ....
喫茶店の中は
小さなロッジを思わせた
ランプの橙色の明かりは
それでもやはり薄暗くて
カウンター席の後ろでは
まだしまわれていないストーブ
季節に似合わなくても
この店には似合ってい ....
割れた小窓の向こうに
子供の靴が転がってる
幸せはいつも
シャボンが泡立ったときの
匂いに似て苦しい
どうしてわたしは
名前を書いておかなかったのだろう
指を動かして
桟に父の旧姓 ....


君は 泣いて




戸を閉めて
二人はもう一度夜を創造する
血 を ながして




ひ か り
二人が生んだ夜を
野蛮な 夜を 漂白する  ....
カーテンを頭からかぶる、冷えたぬくもり
いつも思い出してしまう
ぼくの好きだった女の子は、ぼくの嫌いだった男の子と
ふたりで、教室の真白なカーテンの中でくすくす笑っていたんだ


いま、ぼ ....
向こうのひと
と思っていた
向こうの世界だと
思っていた
よくわからないまま
手を振った
まだ会ってもいないのに
さよなら
    って


銀河鉄道の話を聞きながら
僕は ....













キタキツネの
ふわふわした
尾っぽのように
跳んでゆく白いキツネの
襟足のような北国の君の姿を
粉雪の舞 ....
山崎くんは六年生
いつもサッカーボール蹴っていた
放課後鉄棒見ないふり
スカート回りで前回りくるりと回ると
山崎くんもくるり

仰げば尊し三色菫
手渡せず見送った

山崎くんはセンタ ....
東京と東京のあいだは
やはり
びっしり東京だった
銀色のパチンコ玉で{ルビ犇=ひしめ}いていて
覗き込めば
ひとつ、ひとつ
{ルビ歪=ゆが}んだ顔を映す

冷たい光の反射に
じっと身 ....
春めくのか夜になると
もぞもぞするもの
それは
あなたのつくしんぼう
今夜のわたしは疲れているのに
背中を向けた闇のなかで
何かを探し蠢いている
辛抱が足らないから
貧乏なのか
芯棒 ....
檻の中には
消しゴムがひとつあった
動かなかった
夜行性
と書かれていた
夜まで待ちたい
君は言ったけれど
その前に
閉園時間になってしまった
帰り道、赤信号で止まった
右左よ ....
冬の雨が上がって
しっとりと潤った空気に
小さな蕾が目覚め始める

春と呼ぶにはあまりに早く
陽射が弱々しく届いて
蕾の外側だけがほんのり白く染まる

冷酷な北風には
他愛もない出来 ....
にぎってみな
ほら
もうだめだろ
そのタマネギ

切ったら泣くぜ
ぜったい泣くぜ
半分ぐらい
腐ってたって

ぜったい泣くから
まあ座って
二人で剥こう
そうして
 ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ

軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
白い海触崖の上
見渡す限りさえぎるもののない
広大な草原の真中にいて
両手を広げ
はたはたと
羽ばたく鳥のまねをしてみたり
帆のように風をはらみ
さらに白い空の彼方へと
消え入りたいと ....
鉛筆を指で回す君
鉛筆に指を回される僕
色の付いた服を着ている先生
お花畑の隣にある工場でつくられた黒板
下手糞なうそ
という言い訳

筆箱を空けると
いつもそこには青い空が広がってい ....
ひまわりが枯れて
バラが枯れて
チューリップがこぼれて
シベリアだけがまだ 
咲き誇っている

切られた花の優しさしか
あげられません
あげたくても
あげられません
 ....
ある朝に、新宿駅東口で待っている

(白くうずくまっている 無音の質量を
回転している(絶叫をとおりこした)声が
雨 のおくへと響いていく

来るのかしら
(いつ?)
遠くはるか遠く
 ....
あたしのスカートの
端っこを切ったのは あなたでしょう?

羽をばたばたさせて 空に浮かぶ
髪が伸びたので あたしは飛べるようになった

まっさらな夜を
あなたの匂いをたよりに飛んで
 ....
ずっとむかし
わたしがまだ、
色になまえがあることなんて知らないころ

わたしはいまよりずっとたくさんの、
色がみえていた気がする

あれは赤
これはあお
それはみどりで、これは ....
暮れかかる
陽の手は伸びて
居ならぶ雲を
染めあげる
夜の扉をひらくため
灯された
あかりのように

瞬き、
という行為の
間に間に見える
人と人を結ぶ
曖昧な影
「優しさ」 ....
あなたはためすように
月を詠むのです
椿の花が落ちる夜に
闇から色を分かてるのか
ためすように
あなたは月を詠むのです

くれなゐは
いつぞの契り
くれなゐは
今わにみ ....
きなこ餅
きなこ
なっとう豆の納豆
おもちのあんこ
うぐいす餅の卵
まごまごして
迷子になった
お餅屋さんの孫に
お菓子をねだられて
負ぶっていったら
お菓子屋さ ....
昼下がり
雲がぼやぼや流れている

ハラピンが道を歩いてきた
ぼーとしながらふらふらしている
俺を見ると
ダッシュでやってきた

汗でふにゃふにゃした原稿用紙を押し付けてきた

読 ....
おかもと君は
わたしの初めての人に
なってもいいと思ってたのに
夢ばかり語って
てんこーして行ってしまった
手紙を書くよと言ったきり
年賀状もこなかった

おかもと君の夢は
とほうも ....
空を揺らす鳴き声で
集まる黒い影に曲がる
夜は満開の花ばかりになる枝の拒絶も
なかったことにしてください
ささやかな群れでも 追われていく高さ
根こそぎの木の道連れた土が
染みこもうとする ....
かおるさんのおすすめリスト(4124)
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窓からみる- たたたろ ...自由詩8*07-1-20
窓からみる- AB(な ...自由詩7+*07-1-20
窓からみる- あおば自由詩8*07-1-19
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