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おかず一品足りないと
不機嫌そうな顔をするあなた
でもね、わたしだって何かと忙しいし
お給料日だってずっと先

あなたに足らないのはおかずじゃなくて
もうちょっとの頑張りなのかな
好きな ....
「ねえ、良いだろ?」

何が良いんだかと思いつつ
とりあえず
あなたの左腕にしがみついてみる

押し付けた胸のふくらみに気づいたらしく
慌てふためく様子が可笑しくて

かまととだとか ....
また後で携帯にメールでも入れるから

あなたの去った
バスルーム
鏡に映るのは恋に疲れたひとりのおんな
乱れきった髪が物語る
しがみつこうとしてしがみきれなかったものへの思い

シャワ ....
ひとは指折り数える

その日の訪れを確かなものにしようと
指を折り
心に刻み込む
自らの身体に刻み込む

いつの日か死は必ず訪れることを知っている
それでも
死に往く日まで知ろうとす ....
わたしを手渡されたときの
あなた
ちょっと驚いたように目を丸くしてたよね
ぎこちなく両手で受け取ってくれて
すなおにお礼を言ってくれた

わたしは
この日のために生まれてきたようなもの
 ....
紫色のくちびるを震わせ
熱いコーヒーで暖を取るわたしに背を向けて
あなたはストーブに薪をくべている

見覚えのあるチェック柄の毛布
あなたの匂いを胸一杯に吸い込んでみた

冬の嵐の去った ....
何をどこに忘れたのですか?
駅の係員は開いた記録簿に目を落とし尋ねた

普段から乗りなれた通勤電車
それなのに今夜は何かが確かに違っていた
勧められるまま飲んでしまった新年会
赤ら顔の同僚 ....
めまいがするほどに単純な設問の数々
「はい」か「いいえ」のいずれかで答えよと記されていた
簡単な筆記試験だからと
人事部のひとはわたしを残し出て行った
小一時間もあれば出来るよね
何だかなあ ....
この橋の下には
黒い川の流れがあったはずだ
すべてを押し流そうとした
鉛のように重く黒い川の流れが

燈篭流しの燈篭が流されていった
誰かが投げ捨てた麦藁帽子は橋桁で朽ち果て
パンパンに ....
美術館前の石畳は冷たい雨に濡れ
慌てて開く折り畳み傘は
夢のなかから引き摺りだされたのを
ごねてでもいるのか
機嫌の悪さを隠そうともせず

冷えたこころをあたためてくれた
あなたの背中が ....
働くってことは
否応無く押し付けられた役柄を演じること

食品会社に勤めれば
賞味期限の記されたシールを貼りかえる日々
罪の意識など三日で消えてしまう

コールセンターに勤めれば
クレ ....
手でも叩こうよ
しあわせであっても
そうじゃなくても

しあわせなら
よりしあわせになるように

そうじゃないのなら
少しでもしあわせに近付けるように

できることなら
あなたの ....
良くできたうめぼしは
故郷の懐かしい味がする

すっぱさのなかから
忘れかけていたものが顔をのぞかせて
こんなんだったよね
と問いかけてくれるような

ほどよく皺くちゃで
秋アカネの ....
べれいれん…だなんて
あのひとが新聞に目を落としたまま
ひとりごとを言ったような

ヴァンヘイレンがどうしたのだなんて
おまぬけな返事をしてしまった
わたし

べ平連
ベトナムに平和 ....
ちょっと足らないだけだものね
八時二十分を指している
あなたの眉毛の上に
ボールペンかざしてあげる

いざ出かけようとしたら
小糠雨降り出して
傘を差そうかどうしようか
迷うのにも似て ....
となりのひとの
新聞
読むでもなく眺めていたら
恋のひやりはっと
って記事が
目に飛び込んできた

おとこのひとに見つめられ
ひやっとして
揺れるわたしに
はっとするってことかな
 ....
埒もない想いに身を委ねてしまうのは
この季節特有の気紛れと

触れて欲しい

昨日までのわたしを脱ぎ捨てた
わたしのこころに
この瞬間に生まれ変わった
わたしの素肌に

季節は夏
 ....
ぎんいろの折り紙で
鶴を折る

ぎんいろ
それは
わたし自身を惑わす窓辺の色合い

ぎんいろの街で
あなたとの足跡を探してしまう
例え人違いだったとしても
あなたに良く似た後姿に
 ....
友達同士は
そのとき気分で

だなんて
なんだか寂しい気がするな

友達だと思っていても
困ったときには知らんぷり

お釈迦様の蜘蛛の糸。とっくに切れてしまったよう

ファイト・ ....
一期一会
だなんて、ことばでは語りきれない

こんなデジタルの時代だからこそ
0と1の狭間にあるものを
あなたに伝えたい

それは
感動に震える心臓の鼓動であり
汗ばんでしまった掌の ....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた

ずっと憧れていたこ ....
誰かを好きになって
結婚して
こどもを産んで

ごく自然ななりゆき
なんだけど
それを人間らしさと言えるのだろうか

赤ちゃんを抱いた
お母さん
しあわせそうに見えるけど

割 ....
携帯はコンパクトに似ている
電車のなかで
そして街角にたたずみ
見つめる先に映っているのは
わたしであったり
わたしの知らないわたしだったり

お気に入りに登録した
サイトを巡る

 ....
地獄の沙汰どころか
こうやって生きているときから

あの人は言った

ひとと獣の違い
それは
困ったときに
頼れるものがあるかないか

思いとか信じるとかのことなの

そう尋 ....
重ねあう肌のあたたかさに
見いだそうとするもの

胸の奥に秘めるもの

真新しかったスーツに
シワもめだってきて
某寂無人のかかとに踏まれた
つま先が疼く

こんなはずじゃなかった ....
ねえ、ねえ、ねえ、

ねえってば

こんな感じに甘えたのは
あなただけ

生きることの大切さと
初夏の清清しさを教えてくれた
忘れられない優しい笑顔

こねこのように
ベッドの ....
重ねるほどに
見えるものまで見えなくなる

それを情け無用と切り捨てようにも
思うが侭にならぬ身体と
曖昧な優しさで隠す意志の弱さ

諦めることさえ捨て去ってしまい
手の中の小さな夢を ....
あなたに似ている
と。言われたくありませんでした

わたしはわたしに過ぎず
あなたのクローンではないのだから

あなたがいなければ
生を授かることはありませんでした
それだけは否定でき ....
この黒い塊に火をともせば
星空にくゆる灰色の煙で
ふたり。息苦しくて
思わず咳き込んでしまいそう

エンジンを切った
深夜の車内は。ことさらに寒くて
あなたの手のひらだけが
あたしの温 ....
朝刊から目を離さずに
気の無い空返事
それは。あなたの得意技

わたしが何を考えていようとも
お構いなし

空気のような存在

親しすぎる関係の果てに待ち受けるのは
そんな空虚さだ ....
かおるさんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(252)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
足りないひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-3-5
断わりきれないひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-2-27
揺れるひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*08-2-22
数えるひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*08-2-17
甘いひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-2-12
拾われたひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*08-2-8
忘れもの- 恋月 ぴ ...自由詩31*08-1-7
詩を書くことは好きですか- 恋月 ぴ ...自由詩33+*07-11-9
黒い川の流れ- 恋月 ぴ ...自由詩28*07-10-30
秋、さすらい- 恋月 ぴ ...自由詩25*07-10-26
働くってことは- 恋月 ぴ ...自由詩28+*07-10-10
- 恋月 ぴ ...自由詩27*07-10-8
うめぼしの秘密- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-9-3
ラブアンドピース- 恋月 ぴ ...自由詩22*07-8-2
明日になれば- 恋月 ぴ ...自由詩35*07-7-10
- 恋月 ぴ ...自由詩28*07-7-3
- 恋月 ぴ ...自由詩43*07-6-21
ぎんいろ- 恋月 ぴ ...自由詩59+*07-6-9
どうし- 恋月 ぴ ...自由詩19*07-6-6
- 恋月 ぴ ...自由詩32*07-6-3
いちたすいち- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-5-27
- 恋月 ぴ ...自由詩25*07-5-21
- 恋月 ぴ ...自由詩33*07-5-16
- 恋月 ぴ ...自由詩29*07-5-11
- 恋月 ぴ ...自由詩26*07-5-6
- 恋月 ぴ ...自由詩28*07-5-2
- 恋月 ぴ ...自由詩32*07-4-27
- 恋月 ぴ ...自由詩45*07-4-13
- 恋月 ぴ ...自由詩29*07-4-9
あぁ- 恋月 ぴ ...自由詩38*07-4-2

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