すべてのおんなのこは
みんな桃の実のようで

ピンクに染められた指先を
風が撫でてゆくたびに
わけもなく泣きたくなる
揚子江の上流に見慣れない生き物がいて
現地の人は成人の儀式にそれを食べる
雨の降る夜はいつも
腹の中で卵が孵って
鼻の穴から糸が
するすると
巻き付いて
柔らかな
殻になる

 ....
あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている

その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん

いつまでも
その中にいては ....
カリフォルニアオレンジジュースと勝負するこの恋からは決して逃げない



ここで飲むビールもいいねと君が言う上空強風離陸見合わせ



風鈴が止まってしまうほど酔ったあなたとのお酒辛く ....
時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
土砂降りで
街は
真っ白に
光っていて

おれは
雨の終わる場所を
ずっと
探し続けている
「杭 1」

杭を打つ
鍵の形の
杭を打つ

今、一万本打ち終わった

コーン コーン コーン コーン

からっぽのあちらこちらに響いている
杭を打つ音

吹く風
さざ波
 ....
夕景風が鳴る
ふひゅーんあおあお
さざめくざさささ

ふひゅーんあおあおは彼方からの信号で
信号を窓の中から感じている僕は
木のように揺れている頭のなかを巻いて

片頬をうちぬかれたお ....
ほら、見てごらん
無数の蛍  
無数の蝶々

せっかく部屋を暗くしたのに

ほら、見てごらん
僕らはすっかり取り囲まれてる


吐息、ひとつ
(甘く、美味)

喘ぎ、ひと ....

傘をたたく

しめってゆく
ゆく
ひとり
傘の下
の体温
しめってゆく
ゆく
鼻歌
とおる とおってとおる
ハイヒール
しめりながら高く
雨と合わさり

の改札 ....
いずれ姿を消す
だろう月光
光を失った者の記憶には残ら、ず
されどその引力は
植物の{ルビ枝葉=しよう}に
昆虫の触角に
魚の尾びれに
爬虫類の肺に
鳥の翼に
哺乳類の脳に
空の風 ....
今日みたいに
何もかもが
調子悪い日には
瞼の裏の深緑
ただ眺めながら
ぼんやり過ごすのさ
濃い深緑
薄い深緑
光る深緑
暗い深緑
輝く深緑
走る深緑
世界はぜんぶ
おれの深 ....
***Rainy Day***

雨の日に君を想えば少しだけ憂鬱が薄くなる

何にも絡まれてなくていいカラ

ゆっくり呼吸だけ反芻する

ほんのり骨休み

巡るユニゾンの雨音

 ....
しろとくろ
きみが名づけたイタミはそれだ
不安になったらこれを読めばいい
痛くなくなるおまじない

しあわせにしたい、なんてごうまんだ
人は他人がおもうより
ずっとつよいいきものだ
そ ....
「ケメ子の歌」を聴いて笑うのはかっこわるい。「帰ってきたヨッパライ」を聴いて笑うのもかっこよくない。音楽聴いて笑うなら「君だけを」だ。マジメに歌ってるやつを笑って愛でるのだ。それがキャンプだ、と鈴木い ....    
  たくさんの流星が
  空から
  やがて降ってきて
  わたしはちいさな
  おいのりを
  ひとつ

  くちびるは震えがち
  言葉を
  すこし信じたら
  肩 ....
そうぞうしいみちのうえで 
林檎が鳴った
歯をみせて おとは失せる
あなたのつちいろの肌
ゆうぐれと 宵のすきま 

てれびをぼんやり ぼんやり
ながめてすごす
ふとしたとき
とばさ ....
港を背に
路地を抜けると
山の中腹に向かって
道は登っていく
海からの
北風を受けて
枯れかけた草むら
そこにあなたの
標がある

数えるのはもうやめた
齢だけじゃない
なにも ....
土砂降りの雨の中を
黄色い車に乗って走る

そんな夢を見た

助手席には
見知らぬ女がぐっすり眠っていて

いや
もしかすると
眠っているのではなく
死んでいるのかもしれない
 ....
ねぇ、アリス
貴女が居なくなっても
この世界は続くと思っているでしょう

ここは 
たまたま落ちた夢の国

だから
たまたまなんて
二度と起きたりしないのよ


ねぇ、アリ ....
無数のソーダ水の泡が
ソーダ水から夏へ飛び立つ
そのときの一頻りの冷たい破裂音を
私たちは聞きます


ね、
それは、模範的な別れの際だと
ほら、そのあとに残るぼんやりとし ....
冷蔵庫のスイッチを切るとき
すこしくすぐったくて
おにいちゃんの足音を 耳に返していた
今日はきのうよりすずしくて
風が すけてゆくので 


きのうは
カクテルで酔った
ママの ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた


それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
 ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
いま泣いたら
なぜかもう二度と
笑えなくなるような

そんな気がしたから
空に向かって入道雲を
ググっと睨んでやった

まひるに嘘をついたりしてはいけません

善良なあたしは
 ....
私の獏は夢を食べない

捨て獏だったからかしら
母乳で育たなかったからかしら
理由はわからないのだけど
とにかく夢をさし出しても
ふんっと顔を背けてしまうから

長い長い格闘の結果
 ....


嵐の夜の、その翌朝、ひるがえるはずのない翼の夢に目醒めて、少年は歩き出した。岬の奥の家から、岬の先端の、海を臨む小高い丘陵へと。四年に一度の大きな時化の夜。その騒乱を波の背中に残して、空はひ ....
肉を焼きます
美味しいですから
正解は無いにしても
ミスター
それは髭です
目にしみる煙です

ジーンズには穴が開いてます
そこからは夏が覗けます
もう少し肉の話を
美味し ....
{引用=八月の月で海鳴り
それでも僕らは響く波音を知っていた}


  僕は今、紺碧の{ルビ海=マーレ}を閉じ込めた窓辺から
  君に宛ててこの手紙を書いている


  {ルビ ....
あの歌を聴いた
その日の夜に

耳から
目の形の芽が出て
鼻の形の大きな花が咲いて
口の形になって朽ち果てて

あとには
小さな種子が一つ残りました

種は蒔くのが恐くて
大事 ....
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