銀色の刺に、凍える、空気は、
青い空の下で、
白い、息をつき、声がもれる、
頬の骨に、拳が石のようにあたる。

わたしは、
バラ線を後ろに、殴られる。
放り出された、ランドセルの黒い光。 ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
    雨ふらす空が
    大きな水に映り
    空ふらす雨が
    大きな水にふる


    おちるのは雨
    おちるのは空
    おちるのは午後

 ....
パーティーは散々だった
おやすみ、のあいさつの方角へと
だいだい色のシロップが
ゆっくりと流れて 
しだいに
粘性を増してゆく、
夜の


水の底で ゆうべ、まき散らされて
わたし ....
    ただひとり ここに立って
    ほしいもの じっと待って



    陽と星が見たい
    雨と晴が見たい
    星を全部つないでできる
    ただひとつ ....
たぷたぷ揺れて


君は遊ぶ


シャンプーは手の届くところで
夢と現実を隔てる


掌で掬う仕草に夢はゆらゆら
バスタブの愛は緩やかに萌えて


外は季節外れの木枯らし
 ....
   少女達は


    マグマのように


     やっぱりキレるのかしらね


      ヒラヒラと白陶器のような指を燃やしながら


       美しいアチチュー ....
揺れたものが 残骸になり
と 一言 の 神が 歌う
茂みの中 汚れた 道を
救え
救え

敵兵が 塹壕で 
即身成仏の証
愉快な 騒ぎが
静まる頃

揺れたものは 腐り
英詩の ....
流れこむ
悲しみ
ほころび
流れこむ
幸せの素粒子レベルの胎動

風に乗った翼が
青く脈を{ルビ搏=う}ち
わたしの過去を
虚空に届ける

混沌の光子
すなわち意識の次元的産声 ....
傾きに鳴る傾きに沿い
鏡は鏡の名を告げる
はざまは全と無にかがやいて
重なりと輪のうたをくりかえす


背後から照らされ
影は躍る
足踏みの姿に揺れながら
より速い夜 ....
浴槽に
すだちを浮かべ
涙を肩位置に溜めて
点火
点灯せず
湯冷め浴

果汁の混濁
吐息の白靄
曇りゆく記憶

湯上り
底へ伸ばす腕
栓を引いたなら
渦描いて消えゆく
悲 ....
モノを置かないでください
と張り紙のあるところに
モノを置いた

そんな些細なことがきっかけで
そんな些細なことの積み重ねだったのだろう

「いつもの」
そう修飾された朝は
あっ ....
愛の言葉は砂漠に棲む蛇の肌触り
ガラス片の透き通る
艶やかさを床に滑らせては
汀から細波へ
細波から白ウサギの飛び交う荒波に
感情の姿を次第に変えてゆく。


与えあう愛の軋み。
軋 ....
日常にくたびれた玄関先で
茶色のサンダルが
ころり

九月の夜気がひんやりするのは
夏の温度を知っている証拠

おまえには随分と
汗を染み込ませてしまったね
サンダルの茶色が
少し ....
寝顔だけは
どんなことをしても
取り繕えない

赤ん坊も
うら若き乙女も
お髭の立派な紳士だって
枕の上ではあどけない顔をして

お医者さんも社長さ ....
車と車のあいだに
紙袋が泳いでいる
青信号が
すべてを引き裂いてゆく


地鳴りの夜と
静けさの夜のあいだに
やがて売られてゆく木々が
育っている


もう動くこと ....
えほん や 
ずかん や
えいが や 
うた や
いろ や しゃしん を 
かきうつすだけの
ずるい ことば は 
いりません



あたまのなかも
あたまのそ ....
ムカシ、ムカシ。
目がひとつだけだった頃、家というのは全部が布と革で出来ていました。
壁は革張りで、屋根は布を何重にも重ねて、一番上にはオーガンジーやサテンなどで美しく飾るのが一般的でした。
雨 ....
各駅停車の鉄道がはたらいている
ひとの数だけ
想いの数だけ
星空のなかで
各駅停車の鉄道がはたらいている

天文学には詳しくない僕たちだけれど
きれいだね
しあわせだね
このままでい ....
わたしのキャンディーボックスは閉鎖的な雰囲気
零れ落ちるわたしの手のひらにはフェイク
あくまでアップルフレイバー
でも一粒舐めると甘い夢を遡上する
わたしの原始的回顧
エヴァは、何故、林檎を ....
風が吹いておりました
風が吹いている日に飲む野菜ジュースは哲学の香りがするのです
そんな日は詩を書きたくはないのです
空があまりに無知なので

わたしの青春としての位置づけは
もう随分と前 ....
そしてまた世界は
からっぽに明るくなる
このいたずらな明るさの中では
何かを見分けることなど出来やしない

事象たちが書き割りのように
意識に貼り付く
歩きたい道を見いだすことも困難なの ....
−程なく日本は滅亡する。

地磁気の周期変動も。
社会学的な相互認知の反乱も。
卵細胞に起因する生殖能の低下も全部ぜんぶ。すべてぴたりと一致するのだ。あと1週間、あるいは数カ月。すでに預言の域 ....
しらないのですか

 しらないのですか

わたくしはもはや
すがたなきもの

たいしゃはすれども
かれはのしたの
つち
とおなじ
からだをもっているのです

しこうはすれども ....
回るものの影が
回るものに映り
たくさんの満ち欠け
たくさんの季節をつくりだす


水たまりの空を歩むもの
変わりつづけ 歩むもの
ここに在るだけの世界の上に
足跡は ....
透明な箱の行き先ボタンを押したところで
君の行き着く先は選択出来ない
目をかっと見開いていても
ロバのように耳をそば立てていても


透明な箱の行き着く先は
既に決まっている


 ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない

秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月


家 ....
肩が
うっすらと重みを帯びて
雨だ

気がつきました
小雨と呼ぶのも気が引けるほど
遠慮がちな雫が
うっすらと

もちろん
冷たくはなくて
寒くもなくて
そのかわり少しだけ
 ....
空の瓶が
割れない、音
そして
割れる、音
そして
割れた、音


さ、ゆう、


往復の波で揺れるのは
左右の、
暗い曲線の、
たったふたつの、耳
 ....
 何ともやっかいな詩人を採り上げてしまったものである。しかし、一度決めたからには、筆を先に進めなければならない。
 入沢康夫は難解な詩人である。とても一筋縄ではいかない。僕のような素人が立ち向かうな ....
かおるさんのおすすめリスト(4124)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
バラ線- 光冨郁也自由詩10*05-9-17
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
ノート(37Y・12.6)- 木立 悟未詩・独白805-9-17
過酸化水素の夢- 望月 ゆ ...自由詩45*05-9-16
ノート(38Y・10.5)- 木立 悟未詩・独白305-9-16
Ducky_Lucky_Happy!- 恋月 ぴ ...自由詩12*05-9-16
チムニー- 嘉村奈緒自由詩11+05-9-15
揺れた_塹壕- 奥津強自由詩405-9-15
魔法使いフォトン- こしごえ自由詩10*05-9-15
夜とはばたき- 木立 悟自由詩505-9-15
湯冷め浴- kw自由詩6*05-9-15
修飾されない朝- たもつ自由詩4105-9-15
Snake_Eyes- 恋月 ぴ ...自由詩13*05-9-15
九月のサンダル- 千波 一 ...自由詩18*05-9-15
寝顔- 落合朱美自由詩12*05-9-15
ノート(夜のあいだ)- 木立 悟自由詩605-9-14
ノート(そのまま)- 木立 悟未詩・独白4*05-9-14
ムカシ話- チアーヌ散文(批評 ...605-9-14
銀河鉄道- 千波 一 ...自由詩31*05-9-14
根源的な私的リビドーとアップルフレイバーのキャンディー- 芳賀梨花 ...自由詩8*05-9-13
振り返るとき- tonpekep自由詩18*05-9-13
九月の黙示- 塔野夏子自由詩17*05-9-13
終わりのない唄- umineko自由詩4*05-9-13
ユウレイ_ノ_ウタ- こしごえ自由詩14*05-9-13
ノート(歩む)- 木立 悟未詩・独白605-9-13
名前の無い風- 恋月 ぴ ...自由詩8*05-9-13
夏からの手紙- ベンジャ ...自由詩14*05-9-13
やさしい雨- 千波 一 ...自由詩20*05-9-13
耳呼吸- A道化自由詩805-9-12
入沢康夫(「現在詩」の始まり)- 岡部淳太 ...散文(批評 ...10*05-9-12

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