2007/05/12
テレビの中にも
イースターエッグが飾られて
西欧の春のお祭りとして
楽しげに語られていて
季節の再生の喜びで
人々は笑顔ではち切れそ ....
いい子ねえ、って
大人からいつも
あたまをなでられていたから
ぼくはおおきくなれなかったんだ
と、いって
そらちゃんは笑う
海のみえるブランコが
そらちゃんのなき ....
2007/05/12
ギリギリギリ
なにかごようは
ありますか
擬音の世界に
ぎりぎりの
擬音の狭間に
押し寄せて
夜明け前
擬音の忍者と
計ら ....
2007/05/12
ギビギビギビ
なにかごようは
ないでしょか
ごようのないおと
おことわり
擬音の世界に
擬音を運ぶ
義理人情も
お断り
義理人情は ....
地獄の沙汰どころか
こうやって生きているときから
と
あの人は言った
ひとと獣の違い
それは
困ったときに
頼れるものがあるかないか
思いとか信じるとかのことなの
そう尋 ....
少し離れた
海のようなところを
目覚まし時計がひとつ
泳いで行きます
古い色のバス停で
返却期限の過ぎた図書を
二冊抱えたまま見送る
息継ぎだけが
わたしの動作でした
山鳥は、
語りえない
ゴム、しゃぼん
せかいは いとも
かんたんに
喧嘩する
きみを ぼくは零す
しゃぼんのせかい しゃ
ぼんの せかいは 簡単に
....
{ルビ劔箭=つるぎや}神社からの
細い参道の坂道が好きだった
不思議な人体図がかけられた漢方薬局
古ぼけた占いの館
必ず救われる新興宗教の教会
日本で3番目に大きいという大仏
確かめようの ....
1
教授の息子は
父親の話す世界を
土を捏ねてひとつずつ作り
アダムやイヴのかわりに
幼いころから憧れていた
ネイティヴの顔を描いた
はるか
はるかの時の後で
ただ
....
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく
うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち
昇るもの ....
海に還る
手続きはいらない
横たわり
網膜を青で満たしたら
循環する感情を
濾過する
やがて
余分な手足は
抜け落ちて
流線型になる
心配するな
そのころには
陸な ....
リッコちゃんのお耳からおみずがでたので
リッコちゃんはじゃぐちをつけてもらいに耳鼻科へいきました
しょんぼりとして帰ってきました
どしたの、ときくと
「むらさきいろのじゃぐちがよかったのに ....
春がじかん切れとなり
贅沢な地下鉄のゆれにまかせて
それぞれ 肩から鳥を逃してゆく
そらにまいあがれ、ちぎれないままで
そらを
みじゅくな鳥が
春の隅っこを
ゆっくりと ....
2007/05/09
彼処に
白い雲が一つ見えます
窓の外を指さして
所感を述べる
君は表現が正確だねと
ニコニコしながら
先生は相づちを打つが
求人に来た社長 ....
帽子の話はひととおり終わり
白い塀が先の方まで続いています
突き当たりの干物工場を右に
道順を教えてくれる指先は節くれだっていて
足元には重いものに潰されたような
カマキリの一部が残っていま ....
いずれにせよ桜は散っていく
まるで、まわりくどい恋文のように
あなたと僕の間を、{ルビ廻=めぐ}っていた感情は
不意に来たあなたの訃報でかたちとなって
ただ、ひたすらに他人でありつづけた奇 ....
2007/05/09
ポイントはありません
小さいご不在連絡票が
黄色い髪の毛を立てて
吠えるように伝える
こだわりを捨てて
気密服を脱いで
カプセルに滑り込 ....
赤い夕日が広がって
誰かの背中が燃えている
ゆっくりとオレンジ
急ぎ人が赤々と
今日の日よ さようなら
夕食の炎と共に
醜い私達 燃えてしまえ
赤い夕日が広がって
誰か ....
街角でポストが見張っている
僕は急いで携帯を隠す
桜の葉が、ぬるい風にざわめく
雨!
雨の予感だ
宛名のインクが溶けぬよう
ビニールのファイルに挟み込む
ビルディングに巻かれ ....
小さな馬が一頭草を食んでる
いただきます、も
ごちそうさま、も
一生分言ったのに
まだ何も言い尽くしていない
クイーンズタウンの山の上にある
レストランで食事をした後
近くの牧場で馬 ....
もう読みたくはないのだ
わたしは明るい光のもやもやと
たゆたうなかに身を落とした
ここでは視界も聴覚も澱んで
生温くて居心地がいい蜜液のような
見詰め過ぎたのだよ秒針の動く早さとたど ....
ひとがひとの形をして笑っている
ひとがひとの形をして泣いている
国道を走り
国道は走られ
やがて国道は海へと続き
ほとんどのひとはその手前で右か左に折れ
他の所へと行こうとする
ひとがひ ....
しろ
とおもっていました
はいをゆきにまきました
とけてなくなることは
ないのです
そのしみに
ああ
と
こえがもれました
{引用=fromAB ....
2007/05/08
灰神楽の三太郎とは
私のことかも知れない
共通点は3男の戯け者か
実在の人物か分からないけど
昔、浪曲師相模太郎がよく演じてた
....
七十二歳になりて
永い連休が過ぎた。5月7日72歳の誕生日である。フランス大統領は保守になった。共産党・社会党ご苦労さんである。その役割を果たし、社会主義は終焉しつつある。
フランスは ....
蝉の羽根は綺麗だね
落葉樹が真冬に
枝に張った
シャボンの虹色だ
大人になりたかったかい
ほんとうはずっと
いごこちの良いこの樹の根元で
ずっとずっと、すごしたかったろう
....
オシロイバナがどこまでも咲く
原っぱの真ん中で
日焼けのしていない細い腕を
嬉しそうに振り回している
いくつになっても夢をあきらめない
ここまできてやっと
あなたは扇風機になれたのだった
数多くいる詩人たちの中で、八木重吉ほど語りづらいと感じる詩人はそういない。何故だろうか。私だけの感じ方であるのかもしれないが、そんなふうに感じてしまう。おそらくそのあまりにも無防備すぎると思えるほど ....
重ねあう肌のあたたかさに
見いだそうとするもの
胸の奥に秘めるもの
真新しかったスーツに
シワもめだってきて
某寂無人のかかとに踏まれた
つま先が疼く
こんなはずじゃなかった ....
夜風をくれるひと
真昼の温もりがさめた後の
森の湿り気の冷たさ
ビル風が懐かしいとき
吐息のように
寄り添って
いつも真夜中を知るのは
まぶたを閉じる仕草
あちこちに仕掛けられた
....
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