眠る肢体の硝子の呼吸に
空の落下を錯覚する
心音の宙に浮いてきそうな静けさに
めまいしてうつむく不意なかたちで
水性のからだへと溶けそうで
うわ言をもらすあなたの手に
ドライフラワーを一輪 ....
ゅぽ。
ぽぎぎほぎぎ、
はぎぎぃいげげぽここ、
ぉぱぱちゃぱぱぱ、
ほぎゅ。
ぅゆゆゆゆんゆんゆん。
んゆぅんゆぅうちゅーぅゆ。
んちゅうちゅうーゅ。
 ....
たとえば
地下鉄のホームにゆらめく陽炎を見ることができたり
たとえば
街中の吸い殻捨ての汚れが気になったり
そういう人だけが
私と出会えるのよ
そういう人だけが
私といても大丈夫で
そ ....
冷蔵庫から ほろ苦い
コーヒーゼリーを取り出した
冷風吹きすさぶ 一番上の段
甘いフレッシュの上で
体育座りしている
君を見つけたのは
午後3時

 ああ、寂しかったんだね
 今日は ....
お花畑のようなものでできた駅に
列車が到着して
たくさんの乗客が降りてくる
小さなホームはやがて人で溢れかえり
それでも乗客は降り続ける
もう車内に
人っ子一人残っていないというのに
も ....
水が割れるのです

いま
指先の銀の引き潮に
水が
割れるのです


うなじを笑い去るものには
薄氷の影の匂い
たちこめてゆきます
たちこめてゆくの
です


紫色の ....
ばっさり斬り落とした短い髪に
唖然とたたずむ
 (なんか、めんどくさくって
照れたように君が笑う
右の頬を隠して

僕の知らない君の夏
正しい折れ曲がり方なんて
よく分からないけどさ
 ....
ギョウニンベンと
にんべんの
力比べを見に行った
外国生まれのギョウニンベンが
断然強い
二重の回しを簡単に切られた
にんべんは
吊ろうとしたが
まわしに手が届かない
行事のはっけよ ....
光のなかに陰を求め
憩う人々の姿を探して
地平線に向かう
掟を破って
水平線を求めて船出する
奴隷商人のように
駱駝の群れを飼う男達
舟が出ると騒ぐ少年の不安
すべてのものは
見えな ....
額の汗を無造作に拭うあいつより
きれいに畳んだハンカチで汗を拭う
そんな男のひとに憧れてしまう
えっと…そんなひとなら
細い指先に挟んだボールペンを
くるくる器用に回したりして
わたしのこ ....
これはもの、
こわれものだから。
とっても大切にして、
こわさないで。

生きてないの、
これはものなの。
こわれてしまうと、
もう駄目。

こわれ ....
すう…、と
夏が引いてゆくにつれ
風に乾いた砂が
自ら風になる
砂に埋められていた
右の素足と左の素足が
柔らかに打ち明けられるのは一瞬
直ちに、衣服へ、衣服へと仕舞われ
 ....
金属が激しく鳴り響くような盲目の世界で
sufferの影の歩みに合わせ荒い呼吸を繰り返す大地

風すら消えた暗闇の空間には星すら瞬くことがなく
――夜の螺旋階段を登っていく音がする――
幾千 ....
祈りを土に捧げましょう

記憶は
ひと知れず育ってゆきますから
たくさんの道で迷えるように
そのぶんしっかり
戻れるように


空を翔ける翼のない者たちは
すべての責任を
空に負 ....
木、その大きな直立
階段でいっしょになって笑い
二段抜かしをした九歳のように
セミの声だけが
音でよかった
根元に座って
レンガらしいレンガばかりを
レンガと呼び
それ以外のものは ....
  

雨が降っている


破れた蝙蝠傘をさした賢治さんが
しゃがみこんでいる

100年経っても
芽はまだ出ないらしい


僕らはときどき
種は蒔かれなかったんじゃないかと ....
その者はすべてを悲しくひきよせるという
そして誰も味わえない果実を実らせている
たったひとり)

わたしは{ルビ縁=ふち}の無い波紋であり
行くあてのない
昨日が
おいでおいで
と手招 ....
カラスが三羽
七羽でなくて三羽
散歩するでなくて
散歩するふりをする
古くさい表現
古くさい机
古くさい服装のままに
カラスは
目をきょろきょろさせて
大通りを散歩するでなく
散歩 ....
失われた街が視界のなかを流れる。
忘れられた廃屋に寄り添う墓標の上で、
目覚めた透明な空が、
真昼の星座をたずさえて、
立ち上がる高踏な鳥瞰図に、赤い海辺をうち揚げる。

繰り返し、磨きあ ....
回転木馬が
ひっくり返って
首がない

恐ろしい光景を
日常化する
ところてん

風景が摩耗化してからは
錆びたナイフで
リンゴを切った
ジャムは
煮詰めるから
どんなに甘く ....
この向こうに、
きみへの窓があると、
そう信じていた夏。

返ってくるはずのない、
手紙を書き続けていた。











 ....
わたしの余白には言葉を埋めないで、
どうかそのままにしておいて下さい。
あなたが埋める言葉はとても想いので、
ふたりはいつも沈んでしまいます。

句読点のない ....
一羽の鳥が空をゆく

わたしには
その背中が見えない

いつか
図鑑で眺めたはずの
おぼろな記憶を手がかりに
爪の先ほどの
空ゆく姿を
わたしは
何倍にも引き伸ばす

こんな ....
パンに トマト ぬるぜ

カタルーニャ式 だぜ これ

オリーブオイル かける よ

バージン エクストラ です よ

たまご も 焼いちゃう 

べーこん イベリコ豚 だよ 
 ....
自転車から転げ落ちた
右の頬の痣と 切れた唇
またそんなに酔っ払ってさ
殴りあう暇があったら
海を見な
切れた唇に
寄せる さざなみ

笑い声は
痛いこともあって
七色 ....
僕が天文学者だったら


その星帯の向こうの
カロンを指差しながら
あたしを見た



あたしは
冥王星のあなたの側で
足をぶらぶらして

そんなに遠いんか


笑 ....
空を眺めてると
涙が出そう
 って君は嘘をつく
ときどき
そういう意味のない嘘が
心地よくてしかたがない
今日も
暑い一日
蜩は
まだ鳴かない
相変わらず僕は間が悪く
グラウンド ....
昆布の匂いがする、と

おんなの言うままに
おとこはそっと確かめてみる


漁師町で育ったおんなは
季節ごとの海の匂いを
知っている

おとこは
ただなんとなく海がすき、とい ....
晴れのち曇り 雨 みぞれ

空のほんとは
どの日でしょうか

わたしたちには
空を知るすべが少なくて
たまたま覗いたその日の空を
強くこころに
留めがち
です


吹雪  ....
五山の文字の
ゆえんなど知りません
それでも私は
わずかに香る炎が尽き
夜が少し涼しくなるのを
ただ待っているのです

まだきっとどこかで生きているだろう
あなたを見送っているのです
 ....
かおるさんのおすすめリスト(4125)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
帰省- こしごえ自由詩13*06-8-25
「_壊私音。_」- PULL.自由詩4*06-8-25
castaway- いとう自由詩14*06-8-24
寂しかったんだね- 千月 話 ...自由詩12*06-8-24
発声- たもつ自由詩806-8-24
十六夜- 千波 一 ...自由詩19*06-8-24
檸檬色の夏- 佐野権太自由詩39*06-8-24
にんべん- あおば未詩・独白2*06-8-24
キャラバン- あおば未詩・独白6*06-8-24
ハンカチ王子はお好き?- 恋月 ぴ ...自由詩29*06-8-23
「_もの。_」- PULL.自由詩10*06-8-23
夏だった- A道化自由詩1006-8-23
黒い大地- 結城 森 ...自由詩1*06-8-23
祈りを土に- 千波 一 ...自由詩13*06-8-23
旧友- たもつ自由詩1706-8-23
黒い大地- AB(な ...未詩・独白306-8-23
静止する声- こしごえ未詩・独白10*06-8-23
カラス- あおば未詩・独白3*06-8-23
愁色の午後- 前田ふむ ...自由詩16*06-8-23
ところてん- あおば未詩・独白5*06-8-22
「_夏影薄命。_」- PULL.自由詩13*06-8-22
「_余白。_」- PULL.自由詩18*06-8-22
鳥のうた- 千波 一 ...自由詩17*06-8-22
イベリコ豚- 水在らあ ...自由詩39+*06-8-22
ハッカ水- 水在らあ ...自由詩25*06-8-22
4000億の星の群れ- AB(な ...未詩・独白406-8-21
ときどき- AB(な ...自由詩706-8-21
海の匂い- 千波 一 ...自由詩18*06-8-21
空を想う魚- 千波 一 ...自由詩15*06-8-19
送り火- Rin K自由詩27*06-8-18

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