小指に触れる
時間と光
どちらかの声が
先に応える
骨と草の
はざまを伝う


失くしたほんとうがもどるとき
居たいところに居られるように
響きをひとつ残しておく
そ ....
わたしは感じてしまう
小綺麗に片付けられた部屋の
飾り棚の上で
あなたは仲間達と腕を組み
屈託の無い笑顔をこちらへ向けて
壁際に吊るしたドライスーツからは
泡立つ潮騒の音色がする
そんな ....
      ――Sに




ひとつの雨
ふたつの雨
それらが落ちてきて
地上に 着地して

ひとつの感情を形づくる

ひとたびの雨
ふたたびの雨
降れば地上は濡れそぼる ....
皿の上には電灯があった
鶏肉がなかった、と
きみは言った
どうやって食べるのか聞くと
説明書をくれた
そのとおりに取り付けてみる
電灯はきゅこきゅこ音をたてた
飛べやしないのに
 ....
わわくとは衣がほつれるという意味のようで
ろらんとは人の名のような電波航法のような
いずれにせよタイトルの意味が分からない
分からない場合は食事をしてからニュースを見て
 ....
今時の奴らと来たら
交番電流も知らないで
偶に停電すると
あっ、直接放電なんて訳の分からないことを叫んでいる。

北の宿にも電灯がともり、雪解けのせせらぎがあわただしく駆け ....
君は

一部始終見ていた と言う

誰かに伝えるまでは

眠れない と




遠くの方ではもう

百合のにおいがする


(僕もだよ)





 ....
 
そんなことありえない
って言いながら
しゃがんで花火をする

ローライズの腰から
見えちゃってる果汁100%
まだ溶け合わなくていい




{引用=fromAB}
ゼロからの徒歩
                           {引用=「ちょっと休憩」}
かき混ぜるスプン
スープはさめた
温めなおしはいかが

ミンと名づけた靴
スイと名づけた ....
空のいろには 届くはずもなく
だからこそ
仕方のないほどに
空のいろを 
瞳に宿しながら
きりんは ゆっくり緑を{ルビ咀嚼=そしゃく}している

その
長い長い首の得る高さは
 ....
男を好きになる度に
彼女の体から火薬の匂いがするの


情熱はジリジリと 
へその下から入り込んできて
体中を燃やして行くのよ
 だから いつも
骨の焼ける匂いのする
彼女の手を ....
この路地裏の
アスファルトのひび割れは
どこかの埠頭の 
それと 
似ている

相槌を打ってもらえる筈が
ここにあるのは
頬を刺す風



見上げる雲の隙間から
一筋の光が降 ....
夜が明ければ夢の後
大人の世界に
ピーター・パンはもう来ない



『さよならネバーランド』



開け放した窓が
梅雨晴れの日光を引っ張っている


家具を無くした部屋は ....
夜は綻び
朝が死角からやって来る


陽射しが強くなれば
それだけ濃い影は出来て
ありふれた若さのなかに取り残したわたしと
残り時間を失ってゆくわたしが
背中合わせする毎日に
日 ....
いつものように
午後をあらいながら
うつむき加減に 軽く
雲行きを確かめる
それもまた いつもの事だけれど
その
始まりの日を憶えていない


寒暖の差を道として 風は渡る
よ ....
風をつかもうとして
草をちぎってしまった
てのひらが

鳥を呼ぼうとして
こんちくしょうと叫ぶ
声が

心のかたちを確かめたくて
君のからだを抱きしめた
腕が

今夜もずれてい ....
わたしとしては早く終わって欲しいのに
あなたはまるで厳粛な儀式に望む
いんちきくさい司祭のような面持ちで
わたしのかたちを確めてみたり
わたしの知らないかたちで動こうとする
ふだんと違う表情 ....
海鳴りは遥か遠くでさざめいて 
波間に浮かぶ言霊たちは 
いちばん美しい響きを求めて 
たがいに手を伸ばしあう 

砂浜に打ち上げられた巻き貝は 
もはや亡骸となり果てて 
右の耳に ....
机の人がいた
脚がついてた
幽体離脱の
練習の真っ最中だった
汗をかいて
それでも手を振ると
余っている方の
手を振ってくれた

(2006.6.19)
世界中の風を収集すると
古い書物から頁が捲られてゆく
幾つもの考えは
風の形になる

ベドウィンのテントに吹く風
サーミのテントに吹く風
敦煌の砂に吹く風

風を折るように
また祈 ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋

殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
港の水に映るのは
それは月ではないのです
港の水に映るのは
それはおしりなのでして

おしりは逃げ出したのでして
僕はそれを追ったのでして
漁船に忍び込んだのでして
追い詰められたおし ....
薄く陽光がさしている
植物園では植物がよく育っている
今日は花が少ない、と言って
きみはラッパズイセンを植えている
母親に手を引かれた女の子が
しきりに言葉のようなもので何か話している
話 ....
湾曲している水平線上にて、
しめって酸化しそうな金属の肌が
垂れこめた雲に灰色の腐蝕を放っていて
見あげても星は降る気配
海の月の揺らぎ
飽和した幻影の瞬く電子
この神経を流れ去ることのな ....
空の水がみな注ぐ
水無月ならばこそ
ガクアジサイのぼんぼりに
青色 むらさき
灯りを点けて
こころの内を絵に描いてみる


哀しみ惑う雨模様は
霧雨に溶いた絵の具で
ぼんやり滲んで ....
深い眼差しを、
赤く朝焼けした巨木におよがして、
動きだすふたりの直きせせらぎが、
ふくよかな森の奥行きを高めて。

始まりは、乾いた無音を燻らせる、
茫々とした朝霧を追い越して、
あさ ....
父は歩き続けた
角を曲がったところで左腕を失い
コンビニの前で右腕を失い
市営住宅の駐車場で両足を失った
やがてすべてを失い
最後は昨年まで歯科医院があった空地で
一輪の花になった
 ....
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
  つるかわ

つり革の下には
振動する幽霊の手が
ぶらぶらしているよと
嫁のもらい手がないよと
節だらけの拳を振る
明治生まれの大伯母に
呼ばれたような気がして
リノリウムの床を
 ....
小僧だった頃。

テレビに映っていた、
そのチームでは。

肌の黒い人も肌の白い人も、
同じぐらいうまくって、
パスの呼吸も、
ぴったり合っていて、
 ....
かおるさんのおすすめリスト(4124)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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果汁100%- AB(な ...未詩・独白306-6-23
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帰り道- あおば自由詩12*06-6-18
「_蹴球時感、二。_」- PULL.散文(批評 ...10*06-6-17

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