世界が深呼吸する日
望月 ゆき

うまれおちたとたんに
呼吸のしかたを忘れてしまった
たったいま、吸い込んだものは
なんだったろう


流れてやまない日々は いつも
右手を砂へ
左手を空へと のばして
手をつなぎたがるので
しばしば
海を凍えさせる


うまれ変われないことも
やりなおせないことも
知ってる
彼方からの合図を待って
人生を仕切りなおし
しよう


世界が、深呼吸する日


水平線のうえで
朝焼けと
夕焼けは
おんなじ顔をしていた


自由詩 世界が深呼吸する日 Copyright 望月 ゆき 2004-05-21 23:46:26
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