今日の別れが
永遠のさようならに
なるのかもしれない
そんな思いが過るので
玄関の外に出て
あなたはそんなにも
手を振るのだ
今日の別れが
最後になるはずがないという根拠など
....
撃鉄を起こし引き金を引いた
でももう弾は残っていなかった
初詣の足を止めて人々の絵馬に目をやった。
僕に見られたせいで、それらの願いは叶わない。
今日に負けたなら
昨日に戻ればいい
明日に負けたなら
今日に戻ればいい
未来は一方通行じゃない
ふたり、
そのメロディーを聴き
冬の青空を眺め、
とても
たいせつな、
でもガラクタみたいな竹とんぼが、
紙吹雪みたいな軽さで
ただ、
風に舞っている
悲しみを、知った。
....
もう金輪際
遠い異国を夢見たりしないと
誓った日から
私は翼を折り畳み
地に足をつけて生きてきた
地面をコツコツ歩きつづけ
生活圏を見回っている
あまっちょろい夢など追わずとも
....
つかれた つかれたよ
おれはほんとに つかれたよ
いつも うえには だれかいて
いつも かおにつばをはいて
いらないね はいらないね
きくみみもたず
だまくらかしたあいつが ....
詩は動いている
迎える向こうの死を前にして
絶えず絶えず動いている
暮れては明ける、
遠い山並みのシルエットのように
その万年筆が本当に万年筆だと言い切れますか?
9999年目で壊れたら、九千九百九十九年筆ですよ。
凍り付くような冬の空に
星が瞬く
まばたくまつ毛にイルミネーション
偽りのマドンナは夜のムーンカナリア
粉々にひび割れた心をセメダインで繋いで
夢は孤独の水槽に泳がせる
とまどう ....
こっくりさんに使った右手人差し指の先。
あの夏夕の魔力、未だに僅かばかり残ってる。
もっとたいせつな
丸いこころがあると
しっているけれど
そんな玉ねぎみたいな
ひとを泣かせることばを
なんどもきかされると
全てをおわらせても
ないふでそのかわを
むきたくなる ....
黙して待つ
それだけのことが
辛い
私はここよと
叫びたくなる
目を閉じて
眠ってしまえば
逃げ場を亡くし
回り続ける
水の中に
ゆだねたのは
存在理由 ....
その冷たい花が
君の心へ舞いおちて、
白雪みたいと思った
僕は、
そんな、おろかものだった。
ただ揚羽蝶を切るような
疾風が、
この野原に吹き狂う。
瞳が汚いヤ ....
やわらかな
白雲の群れ、
流れ流れ
踊る影は
光の万華鏡
私は静かに傾いて
遠くの街のざわめきを聴く
1
そして今僕が見ているのは
雲から降ろされる光のはしご
指から零れ落ちる
2
あの日の雨は
もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない
....
ちんちんは生えてるんじゃなくて植わってるだけだよ。
だから抜きすぎると本当に抜けちゃうから気をつけてね。
ケモノに呑み込まれる
わたしという存在が
身動きとれぬまま
呑み込まれ
渦の中
闇の中
焦りと 苛立ち
頭は混乱するばかり
奴の胃袋なのかで
もが ....
吹雪の夜明け
見知らぬあなたからの
着信
もう一度踏み出そう
未来が
ホワイトアウトなら
地図も不要の
幸運
ビーナスを抱く貝殻の形
あるいは軟らかい耳
砂のどこかに
解読してくれるのなんか
待てない
水平線に
眼を凝らしても
足跡は
波に吸われ
風船は
萎んで落ちるだけ
....
回転する序曲の韻律はすべて逆さまだ、首を傾げたって上手く読み取ることは出来ない、そんなときは頭で理解しようとしないことだ、頭で理解すれば理屈っぽくなるだけだ、イメージを読み取るのさ、まんざら素人で ....
裏切りが
怒りが
失望が
ふっと静まる
この白い部屋で、
思いは萎えて郷愁が
弱った心に押し寄せる
遠い山のシルエット、
駆ける友の背を包み
それぞれの場所で
背負わされた ....
白い螢の舞う朝に
人魚たちは孵る
顔の裂け目から一斉に現れて
辺りの言葉を食い尽くす
囁きも擬態語も残らない
煽情の尾鰭 くねり
思考のすべてが
白い泡に包まれる
望遠鏡の前に ....
均衡は崩れている
もうとっくに
)大地の空の裂け目から
)鮮血に染まった手を伸ばす人、人、人
)同情でも訓戒でもなく
)ただ助けを求めて
〇
独り冷え切った身体を震わせ
....
怖いものの先に
見えないものの先に
きみの求める何かがある
きみの探している何かがある
だから向こう見ずになってご覧
或る作家が書いたように
見るまえに跳んでご覧
その何かと ....
どんなに学歴よくても
どんなに職歴よくても
定年退職してしまえばそんなの役に立たない
なんて
高学歴も高職歴も持たない俺だから
言うんだけどさ
最高学府出て高級官僚になった人や
....
これらの日々が過ぎていく
畏れと驚きと怠惰を呑み込み
*
幸福は捨てた、世間体は捨てた、
ただただ至福を待ち望み
神々の生誕、闇の抱擁
爆発宇宙の渦を巻き
*
....
餓鬼の頃
駄菓子屋で引いた籤は
紐が何本もあって
その内の一本の先に当たりと外れが出た
当たりが何で外れが何だったかは忘れてしまった
俗説なのか何なのか知らないが
男と女は運命の赤い糸 ....
アリバイは、崩れない、
紙飛行機は、落ちていた。
雪だるまが、崩れていた、
見渡す限り、雪景色。
お正月の、少し寂しい
公園に行って、冬空をみた。
あとで、 ....
愛と平等という
矛盾に気づいた深夜に
冷蔵庫は唸り出す
絶えることのない
沈黙にも似た説教に
何一つ解決策は見出せず
労働者は眠る
冷蔵庫の不眠不休
労働者の不平不満
実 ....
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