職場で仕事をしたり

恋をしたり夢を語ったり

それらをするのがすべて男だったら

登場人物は少なくてすむ

コンパクトに世界をつかめる

つかんで世界と折り合っていける


 ....
一旦、ザルにあげておきなよ。
生活に疲れたなら、旅に出たっていいよ。
宇宙が生まれてからあっという間の
この夏
待っていた風がようやく
畳を撫でた

りーん
ちりーん

光の速さでピントを合わせる
この夏
皺だらけになった母の喉元が
麦 ....
しずかだ

この部屋で飯を食らい
いくつもの賭けをしているかのように
日々の営みがくりかえされる

この骨肉
とうてい理解しえない
この瞬間
けして手元に置くことはできない
握りし ....
なごり蝉が泣いている

生を燃焼しDNAを残し塵に帰る
雨風にさらされ
骸は蟻や微生物の餌になり
地球を構成する大地となる

なごり蝉よ
おまえに後悔はあるか
やり残した無念さはある ....
利用者がうんちを漏らした
トイレに誘導して、ズボンをおろすと
お尻にもデイパンツにもみっちりうんちが付着している

デイパンツを千切って丸めてゴミ袋へ
ズボンを脱がせて新しい着替えを履かせる ....
いまさらで
死ぬの生きるの気が引ける
恋の終わりって遠くを見るよね


旗をふれ
白く正しく潔く
あすはこの手でさわれない恋


酔ってみた
ほんのり赤いほお撫でて
酔 ....
うれしくてうれしくて
とてもさみしげな青空を背景に
ひとりバカみたいに
笑ってる

とおい記憶をたよりに
あの海へ行けるのか
子どものころなんども行った
あの夢の中

のろいなど
 ....
扇風機がまわる まわる
風車のように まわる
地球のように 天体のように
くるくると まわる まわる
風をおこし 夢見るように
まわる まわる
まわり 立つ
止まれば たおれる
May ....
猫は猫背のくせに凛としている。
昨日の恋を悔いたりせずに。
今を、静けさが支配している
静けさは私という不安を抱き留めている
私は静けさのなかで震えている

静けさのなかですべては始まるから
静けさがすべてを支配するから

私は吐きそうになりなが ....
真昼のまぶしさの下
水中眼鏡で世界をのぞく
あらゆるものがここでしかない自由をまとい
わたしだけが不自由だった
にせもののひれを誰も笑わない
ゆるされていた夏
さよなら、まりも
ひんやり ....
ミンミンゼミの蝉時雨
窓ガラス越し物凄く
気が遠くなるよな濁音の渦

彼らはひたすらに生きている
僕らが時をやり過ごすとき
彼らは命を燃焼する
僕らが虚空を覗き込むとき

ミンミンゼ ....
幽霊は容易く夏を越える。
水色のゼリー、たったの一つで。
憎しみも  
羨望も落胆も
今は山道の腐葉土やゴミムシの糞となって
ころがしておこう
葉がはかすかにさざめき
木の樹皮はなめらかにひかり
木漏れ日はさらさらと山道に塗されて
山道を歩く人 ....
みなとみらいを見渡す 
横浜のビルのカフェで 
ひとり珈琲を飲み 
命日の近い詩人の生涯を偲ぶ 

若き日に戦地で被弾し 
負傷兵として帰国してから 
九十三年の人生を終えるまで 
か ....
しじみに砂を吐かせた。
僕もそろそろ白状しないといけない。
珈琲とパイナップルをふるまわれて

味噌汁がのみたいと言って死んだ友を

ぼくはしばらく忘れてしまっていた

おおきな目的ってなんだったんだろう

ずいぶん恨まれそうな変心だ

家 ....
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
闇の重みがぐんにゃりと
魂に激しく切迫し
私の意識は朦朧として
呻きながら覚醒する

真夜中の病棟にただ独り
呻きながら覚醒する

ハッと息を呑むこの瞬間、
孤独が生きて立ち上がり
 ....
とうもろこしをもぎると、
骨が折れるような音がして
透明な血がじゅわっと溢れて手首を伝った

舐めとるのに夢中になっていると
入道雲が発達してきた

わたしにはまだ涙が残されている
流 ....
今日も空は青かった
にこりともせずただ青く
無限の沈黙のうちに
それは在った

今日も私は無力だった
宇宙の虚無に耐えかねて
あなたにあることないこと
喋っていた

今日も黄昏は優 ....
願い事は誰にも言わない。
君にも、君の耳の産毛にも。
空があり風があり
時は世界樹をかけのぼって
あしたへとながれてゆく

だれかが小ちゃなブルースを
奏でているような気がしてでもそれは

ぼくの知らない紫の小花の群れだった

月への梯 ....
死角がない人を全能という
視覚がない人を盲人という
月の裏側に着陸した資格を
死角はそれで狭まったのか
視覚の拡張現実が伸びたと
月に尋ねて見るきはあるか

四角く仕切られた ....
弱い負け続きの意思を晒して
なにをどうすれば最善と思う?
真っ青な嘘の太陽に近いのは
エアコンの効くワンルームのベッドで
あなたがいない鏡にうつる私。

呼べば応えてくれる大嘘や
あ ....
思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう

たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
たなばたさまも終わってはやいっかげつ
あまのがわにであったわたしとあなたの
まぼろしのおうせも忘れられる季節です
ぎんがのいりぐちには夢と絶望があって
にかこくごを話せると喜んでくれたけど
 ....
ぼんやりとしている意識が
連日の猛暑に洗われて
とめどもなく広がっていくとき

病院の中庭で
熱風にかさこそ転がっていく枯葉よ
お前の姿が妙に懐かしいのは何故?

意識のヒューズがとん ....
硬く硬く冷たい顔
あらゆる解釈を拒絶して
のっぺらぼうの力に呑み込まれ
未知なる混沌へと己を開く

硬く硬く冷たい顔

ある日突然、
不意打ちの死がやって来て
生の細部をみるみる奪わ ....
ナンモナイデスさんのおすすめリスト(3429)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
多能工時代のせれなーで- 函館ドラ ...自由詩119-8-25
ザル- クーヘン自由詩7*19-8-25
風鈴- 自由詩17*19-8-25
無題- あおいみ ...自由詩719-8-24
なごり蝉- あおいみ ...自由詩419-8-23
障害者支援施設に勤めて- 印あかり自由詩11+*19-8-23
恋する旗《改》- 秋葉竹短歌519-8-23
潮騒- 立見春香自由詩719-8-23
まわる- あおいみ ...自由詩219-8-22
- クーヘン自由詩4*19-8-22
叫び- ひだかた ...自由詩5*19-8-21
まりも- そらの珊 ...自由詩1019-8-18
蝉時雨(改訂)- ひだかた ...自由詩719-8-18
ゼリー- クーヘン自由詩3*19-8-18
水の音- 山人自由詩4*19-8-16
「黒い果実」の詩人に_- 服部 剛自由詩119-8-16
しじみ- クーヘン自由詩9*19-8-15
珈琲とパイナップルと味噌汁- 函館ドラ ...自由詩519-8-14
硝子瓶- クーヘン自由詩8*19-8-13
闇と孤独(改訂)- ひだかた ...自由詩1219-8-12
とうもろこし- 印あかり自由詩819-8-10
今日もまた、明日もまた- ひだかた ...自由詩1419-8-9
産毛- クーヘン自由詩3*19-8-8
8月のうた- 梅昆布茶自由詩1719-8-4
まるでシカク- るるりら自由詩3*19-8-4
詩の弱さ- 立見春香自由詩619-8-4
南の島で君は- Lucy自由詩12*19-8-3
おにのすわるあまのがわ- 秋葉竹自由詩1019-8-3
熱風(改訂)- ひだかた ...自由詩419-8-2
死顔- ひだかた ...自由詩419-7-20

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