金木犀の花を瓶に入れ ホワイトリカーを注ぐ
ひと月ほどして 香りも色も酒に移った頃
金木犀の花を引き上げる

その酒は 甘い香りをたぎらせ 口に含むとふくよかな広がりを持つものの まだ ....
汚れきったダイヤモンドを
土の中に隠し持って
ひたすら澄ましていた
ずっと澄ましていた
不自然な清らかな微笑みを
見抜かれぬよう
震えていた長い冬
誰かがきっと待っていたのだろう
無条 ....
胃が強い前田は
葛西と対決するために
山道へ向かった
ロバを乗りこなしても
山道は遠かった
前田のルーツは鰓で
魚かもしれなかった
渋い顔をしながら
葛西と対決するために
ロバに乗っ ....
幼い頃から
ぼくは時計が大好きで
何時も秒針を眺めては
朝日に光る産毛の中に
満足を覚えていた

117の電話を聴いて
今も正確さに
その美しさを享受している

多分ぼくは前世にお ....
 私は中学を出て、友人の家を転々としながら生きていた。時たま家に帰ったけれど、親は何も言わない。マンションの台所のテーブルやそこらには、たっぷりの食事やおやつが大量に何日もそのまま置かれ、腐って匂いを .... 孤立

死病

人は人と
繋がらなければ
生きていけない
のに

金を持って
いないと
キリストだけ
を信じて
いないと
健康で
いないと
胃ナイト 
クエネェシ ....
マーガレット色の街灯が
午前三時の路上で
墜ちた月のように佇んでいる
ジンの酔いは
俺のこめかみを
左から右へ真っ直ぐに射貫いて
思考がそこから全部漏れていく
 ....

私は人間ではない
生物でさえない
生きているのに


私は一本の直線だった
貴方のことを知りたくて三角形となった
私のことを知りたくて四角形になった
いくら角が増えても角(つの ....
わたしはもう
石になってしまいました
かつてわたしにも
水だった時代があり
白濁した粘質の水となり
やがて泥となり
固まっていったのです
土として長年を過ごし
生き物をすまわせもし
 ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
真白な画面に
昨日の出し物が思い出された
ワイルドな田圃での
豊年祝い
裸踊りに酒がふるまわれ
私は控えめに生中だけを飲む
飲食店のストライキは
ストップした
これで心置きなく
少年 ....
土佐の海辺の村で
毎日毎夜薄暗い電灯の
野外畳の上にでんと座り
鍋に茹でられた貝という貝
爪楊枝でほじくり出して
それぞれに違う味覚
食い喰らい喰らい食い
瞑黙ひたすらに
味わい味わい ....
口笛のような

オカリナのような

電子音楽のような

みらいのような

懐かしい時代のような


内なる世界へ

校長がこの文化祭に掲げたスローガンだった

先輩とふた ....
まっ白で
海の波とうねりに
磨かれた貝の
欠片を集めて
ぼくはオルゴールを
つくった


貝でつくったオルゴールが
奏でる音色は
聞いたことのないメロディー
なのだけれども
ど ....
霜降りた田園のあとかたに

朝日の残滓が

それは早すぎる追憶

天涯より撃ちつけられる萎び

もう戻れない日々のなかにいる


最初からなければ良かった原発

誰にでもある ....
断崖絶壁を前にして
落石も気に掛けながら
桃太郎の里を目指す
空手の達人ヤンスエは
桃にかじりつきながら
相棒のEvaに微笑みかける
すばしっこい蜂に刺されても
ノアの大洪水で込み合って ....
障がい者が殺された

19人も殺された

殺人の理由がひどい

そんな理由なら

世界は俺をいらない


それでも泣きながら

歯でも食いしばりながら

誰かのために生き ....
明日ぼくは
アンドロメダに向かって飛んでゆきます
幼い頃からの夢を叶えるために

サヨナラは誰にも言いません
何故なら
ぼくたちは何時までも一緒に居るからです

何処にいても一緒にいる ....
光の万華鏡
旋回する宇
浮遊する
温かく熱と溶け
輪郭失う体と体の
紫に静まる矛盾の浸透

[個我意識鮮明に保持サレ、私達はシッカリト抱き合い、
何処マデモイキ、何処ニモイキハシナイ] ....
戴いた去年の賀状を
眺めながら
一枚 書くたび
次々に
押し寄せてくる
記憶の波に
浸るのではなく
溺れるでもなく
むしろ
耐えている
再生多発する 複数の痛みに

懐かしさな ....
十二月、空はひくい。
落ち葉の季節も過ぎた。
竹箒を立てたようなケヤキの並木がつづく国道。
鳥の巣が傾いたまま、
ケヤキの梢にひっかかっている。
いつ落ちてもふしぎではない、そんな気がする。 ....
この前まで鉛筆をもっていたひとが
木の匣にはいる
燃やされてちいさくしろくなって
木箱にはいる
鉛筆で書いた文章が
もう そのひとだ
そのひとを見ると
鉛筆をもてない
あのひとのこ ....
愛娘が毎朝八時に起こしに来る
歪み捩れた時空の層を超えるのは
なかなか大変だそうだ

[合鍵を作ってやろうか?ちゃんと電車に乗って来いよ]
おはようのキスをしながら僕は言う
[そんなことし ....
塵屑を捨てる人がいれば塵屑を拾う人もいる。
僕はその間で眺めてきた。
クリスマスには赤い電球の羽根。
僕は公園から煙突の下をみる。
一体何を捨て何を拾い集めてきたのだろう。
予告もなく八年間住みついた野良猫が出ていった。
厄介な貧乏神だと思っていた。
周りの庭が寂しくなって僕は餌を撒いた。
やってきたのは縄張りから逃げ出した犬
あとから飢えた野良犬の親子が住み ....
ふと思ったのだけれどね
人間には通気孔が必要だってこと

きっとどれかの上着に入ったままの入場券もいつかは必要なんだ
なくてはならないものなんてそんなにないんだけれども

たやすい自由はい ....
叩きつけ合う鋼鉄
反響スル
この森に
霊魂をぶら下げ
午後五時に入る

 異界ノ息、
  異様ナ相、、
 移行ノ刻、、、

穿たれる
窪みに
今や鉛と化した
前頭葉をズブリ
 ....
今日も りゅうが 脱走した
「理由」なんて聞く奴がいるから 逃げだしてしまうのだ
話の尾ひれなんて無視して
ゆらぎは水の色

ゆがむからだのまるみに いかす光彩くねらせて
す ....
別に気取らずにいた
伝説のジョーカーですら
選挙戦で破られたばかりです
もはやキングの手札も
全てプレジデントになっているでしょう
なにせ米国は
むかし英国にいた
キングから独立した
 ....
ぼくは雨になれるのかな
晴れになれるのかな
曇りになれるのかな

花を咲かすことができるのかな
実を結ぶことができるのかな

部屋の隅に蹲り
未来予想図をなぞってみた
時計の秒針がコ ....
ナンモナイデスさんのおすすめリスト(3429)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桂花醬- 鵜飼千代 ...自由詩27*16-12-31
死の中で生きる- 星丘涙自由詩5*16-12-28
山道- 間村長自由詩4*16-12-28
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うみのほね- 田中修子散文(批評 ...7*16-12-26
イナイト(自由参加詩)ー増殖中- ひだかた ...自由詩16*16-12-25
銃を取れ(それがどんな感情だろうと)- ホロウ・ ...自由詩10*16-12-24
棄てられたモノローグたち- 宣井龍人自由詩15*16-12-24
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短詩2篇- 白島真自由詩24*16-12-22
豊年祝い- 間村長自由詩7*16-12-19
底の記憶- ひだかた ...自由詩19*16-12-19
懐かしい時代- 吉岡ペペ ...自由詩416-12-18
貝のオルゴール- 小林螢太自由詩9*16-12-17
黄昏る- 吉岡ペペ ...自由詩716-12-17
辿り着いた- 間村長自由詩7*16-12-13
世界は俺を- 吉岡ペペ ...自由詩816-12-13
彼方より- レタス自由詩516-12-12
造形未知〇霊的交感- ひだかた ...自由詩5*16-12-12
年賀状を書きながら- Lucy自由詩17*16-12-12
ことばを灯す- たま自由詩22*16-12-11
鉛筆- 白島真自由詩23*16-12-10
最近は- ひだかた ...自由詩14*16-12-9
ごみ箱- ツノル自由詩8*16-12-9
貧乏神の予告- ツノル自由詩3*16-12-8
入場券- 梅昆布茶自由詩14*16-12-6
未決咆哮(改訂)- ひだかた ...自由詩516-12-6
ゆくえしらず_- るるりら自由詩15*16-11-28
聖地に捧げた詩- りゅうの ...自由詩2*16-11-27
明日- レタス自由詩916-11-27

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