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薄紅葉家の庭にもあったっけな

惚けてはうつつに帰る秋の昼

母の味欠けていたのは椎茸や

そぞろ寒戸外に出るも少し震え

果てしない夜中にまんじりともせず目覚め

秋の朝見上げる ....
眠れない夜 眠れない夜。
窓の外には月明かりが照らしている。
その一方で、
西の国では大風が吹いている。

雨は来るのか?
雨は来るのか?
期待と不安の狭間で、

心は風鈴のような微 ....
第二章 詩人の世俗性


 さて、このような副題をつけてしまいましたが、やはりわたしは迷うのです。というのは、このひだかたけしという詩人の作品には、ほとんど世俗性が見当たらないからです。 ....
第一章 主観と映像


  宏大な界が突然開ける

  視界右上奥に
  空の濃く暗らんだ青が微かな裏光りを帯び沈黙して在る

 これは、氏の最初期の詩である「VISION.0 ....
はじめに……時間について


 秋の夜長です。こんな夜には美味しいアップルティーでもほしい……と思うのは、贅沢なのでしょうね。というのは、わたしは今、一人の詩人の批評という仕事を任されて ....
戦士エイソスは舌打ちをした。ウルム・ルーランテの言うところも、
もっともなことだと納得しながら、それを突き崩せない、
己の無力を思ったのである。祭祀ウルム・ルーランテは、
やはり、知謀と術数にお ....
「安泰なものとなるでしょう」と、戦士エイソスは言った。
しかし、ウルム・ルーランテは懐疑的である。
一人の人間が表に立ったところで、政情や国是は変わるまい、
といった一般的な人の持つような、感想 ....
戦士エイソスは、エインスベルを何としても、国家の表舞台に立たせようとしていた。
エインスベルは影で行動する人物ではない。その魔導をもって、
国家を率いていかなければいけない立場、そして能力を持って ....
戦士エイソスは少なからず落胆した。この度の企図に、
エインスベルを取り込めれば申し分ないと、思っていたからである。
しかし、オーバ・ニーチェの反クラース側にとっても、
エインスベルは敵か味方が判 ....
「はっ。今この時にも、我が国の臣民はドラゴンたちと戦っております。
 しかし、それは他国も同じこと。どうしてこの時期に、
 ドラゴンたちが降臨したのか、どの国の政治家も分からずにいます。
 それ ....
「申し上げたいことがあります。それは、アースランテに関することです」
戦士エイソスが、話の口火を切って言った。
「アースランテは今、ファシブルの領土の四分の一を併合しました。
 このままでは、ア ....
そのころ、戦士エイソスは偽名を使って、オーバ・ニーチェに潜入していた。
彼が名乗ったのは、ハンザガリア・ユー・アリガルトという名である。
秘密機関であるオーバ・ニーチェでは、その会合の際、
誰も ....
気もそぞろ、心もそぞろ。雪のひとひら、舞い落ちて、土に溶けるように。

オレンジの皮の厚さよ。ピールにして、紅茶にでも浮かべようか。

久しぶりに、のんびりしたいんだ。心のなかは嵐のようでも、 ....
少女は泣いていた。
それは、何年ぶりの涙だったろうか。

少女は、泣いていた。
物心がついて以来、

少女は己の無力を、
顧みたことがなかった。

しかし、今は涙の時だ。
少女は、 ....
夢はまぼろし。夢はどこにあったのだろうか?
わたしの心のなかに? わたしの未来に?

問うても詮無いことを、今さらのように言葉にして、
わたしは言葉の轍を行く。

そうね。そうして、どこへ ....
月の満ち欠けに思いをたくして、
わたしのこころは欠け、
また満ちる。

思い出のなかに、幸福はあったか?
いや、幸福などというものに、
価値はあったか?

月の満ち欠けに思いを尋ねて、 ....
ここで、クシュリー・クリスティナの話をしよう。
クシュリー・クリスティナは、戦士エイソスの想い人である。
クシュリー・クリスティナは、はじめカラスガラの街で、
奴隷として売られていた。

そ ....
この地、ヨースマルテには、四つの天国と四つの地獄がある。
四つの天国とは、ノエルク、ロンデル、ヤーハン、ポランのこと。
四つの地獄とは、モスヴァル、ベイジャン、シボルト、エイジェスのこと。
いず ....
おお、カーガリンデ。美しく気高いカーガリンデの街よ。
カーガリンデの街は、アドスの平原より続く、
ガイエス河の河口にある。
それはアディアの海に面して、良好な貿易港となっている。

カーガリ ....
 奇妙な縁があって、X JAPANやミレーヌ・ファルメール、マリリン・マンソンらの音楽を聴きなおしてみています。そして思うのは、彼らの創作する作品というものは、今ではすでに過去の再構築だけを目指してい ....  このごろ考えていることに、「概念とはグラデーション的な実在ではないのか」というテーマがあります。世の中を科学によって見る物の見方は、遠く過去にはギリシア文明の時代、いいえ、それよりもずっと遠い過去か ....  病院のなかでの自分の定位置というものを決めることは難しい。けれども面白い。制約のなかで何かが生まれる。制約がないのであれば、作ればいい。自由がないのであれば、それを作ればいいのと同じように。制約がな .... 間抜けな盗賊ヨランの話をしよう。
間抜けな盗賊ヨランは、(勇猛果敢なはずの)ドワーフのくせに、
ベル=ダッジアのように臆病だ、と言われていた。
しかも底抜けにとんまな奴だと。

ある時、ヨラ ....
カーガリンデの魔法使い、エインスベルには、
常に黒い噂がつきまとっていた。
いわく、彼女は黒魔術を扱い、死者たちを操っていると。
いわく、彼女は墓を漁って死体を集め、その身体を切り刻んでいると。 ....
おお、アイソニアの騎士よ、
誰がお前の勇猛果敢さを歌にすることが出来るだろう。
ああ、アイソニアの騎士よ、
お前はその死をもって死をも凌駕した存在となったのだ。

どんなに秀でた吟遊詩人であ ....
Seal-Womanという者がある。
それはアイルランドかどこかの伝説だそうだ。
アザラシのなかには、女性が隠れている。
それが月夜の晩、本当の姿を現すのだそうだ。

しかし、アザラシの娘た ....
石垣に小さな花が咲いていました。
幼いわたしは傘を差し伸べて、可憐な花を守るのでした。
子供心は純粋で、
哀れという気持ちで、ただその花を見守りたく、

そして、傘の上に不意に見つけた蝸牛を ....
冬の雨が何よりも嫌い。
言葉など出て来ない。ただ、ひたすらしのつく雨。
雨の音に目覚め、雨の音に眠る。
わたしは自動人形のようで、「叫び」というものをこらえている。

人の生きることの苦痛に ....
見つかって、見つからないよと君が言う。まるで透明人間みたいに。

目に見えない電車に昨日乗りました。ゆられていく先すら分からずに。

打消し線の線を取り上げ弦にする。ラ音の調べ、この世のものか ....
無邪気になれるのは、
いつ、どこで?
無邪気になれるのは、遠い過去で。

無邪気になれるのは、
いつ、どこで?
無邪気になれるのは、遠い場所で。

一つ、二つと、
数え歌。
ひとり ....
ナンモナイデスさんの朧月夜さんおすすめリスト(44)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つれづれと俳句- 朧月夜俳句8+*23-11-8
それぞれの孤独- 朧月夜自由詩6*23-7-11
読むことのスリル──ひだかたけし小論(3)- 朧月夜散文(批評 ...3*23-3-16
読むことのスリル──ひだかたけし小論(2)- 朧月夜散文(批評 ...3*23-3-16
読むことのスリル──ひだかたけし小論(1)- 朧月夜散文(批評 ...4*23-3-16
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(七)- 朧月夜自由詩3+*23-2-21
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(六)- 朧月夜自由詩3*23-2-20
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(五)- 朧月夜自由詩2*23-2-20
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(四)- 朧月夜自由詩2*23-2-20
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(三)- 朧月夜自由詩2*23-2-19
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(二)- 朧月夜自由詩2*23-2-19
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自由律短歌雑詠(2023年1月)- 朧月夜短歌5*23-2-11
クリスマスの夜に- 朧月夜自由詩5*22-12-28
Everything_is_okay.- 朧月夜自由詩3*22-12-28
幸福のありか- 朧月夜自由詩3*22-12-28
クシュリー・クリスティナ- 朧月夜自由詩2*22-2-15
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カーガリンデの歌- 朧月夜自由詩3*21-12-16
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概念とはグラデーション的な実在ではないのか?- 朧月夜散文(批評 ...3*21-12-5
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sonnet- 朧月夜自由詩3*21-6-14
sonnet- 朧月夜自由詩5*21-4-9
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