ひとは感情のいきものだ
なのにこころをモノみたいに使い物にしたりする
それも感情がなすわざなのだろう
太陽はひかりなのに
影をつくるように
包丁が料理をつくったり
....
家庭内性暴力をうけているこどもの
特徴みたいなのが新聞に載っていた
他人のそんなやつ許すもなにもないのに
風邪ではないのに喉の痛みを訴えるって
ひどい泣き寝入りだ
ひ ....
雨などにうたれて
焼鳥屋さんに入る
山崎をロックでやりながら
あの日どれだけ傷ついたのかを
考えている
視点がうごかない、うごけない
答えなどでないのに
....
うどん屋でせき込んでいた私は
知覚過敏を発症して
寝込んでいた
特権化されぬ
市場化されぬ我は
コロッケをパンにはさんで食べていた
門の周囲には魔物が潜む
魔物たちに私は揉まれても居たが ....
生まれる前の闇に
ぽつ、ぽつぅんと
浮かんでいる
光の結晶たち
(すっかり消費されてしまったね)
アタシの葉脈を
衛星軌道上から観察した彼が
火曜日の声で呟く
(きっと
....
雨が糸になった空気をつたうように
青いから黒い艶の景色へと物語と翼を持って
なんだっていいじゃんと雨音が空気に触れて
歌う 口笛の欠片も奏でながら
懐の深さとお人好しの境目と交差点と立 ....
僕は僕の書斎でもうしばらく忘れ去られていた小箱を眺めている。
小箱の蓋には何かで削られたような痕が残っていた。
その時、ふっと風が吹いた。
壁に架かる絵画の中で少女がブランコに乗っ ....
シャンデリア
空のにおいが
なないろの真珠になって
くもの糸にきらめく朝、
なつかしい音楽を
聴いた。
それは
くさむらか ....
チョコレートまみれになって
無罪を勝ち取った男(私)が居た
知覚過敏でも構わない
讃岐うどんが食べられれば
そんなのりだった
中学の頃の合唱が思い出されて
泣けた
オフを楽しめないのに勝 ....
さよならなんて言わないよお
おおきな風が叫んでいる。
Auf Wiederse~hen
またね と 天から吹いてくる。
あおい風が
くびれた腰のトルソーをつれていった。
湖のまん中の ....
腰まで雪に埋まり
全身で空を指す暗緑色の矢印
風に翻弄されないしなやかな直立
透明を深める濃い青の奥から現れる
最初の星屑に
放射冷却を告知する
耐えているのではないが
嗤 ....
お控えなすって
ご当家の 軒先の仁義 失礼でござんすが お控えなすって
障子より目玉だけ出しておられる お坊ちゃんお嬢ちゃんも お控えなすって
わたくし生国は 大海原 水界のはてに発します
....
希望よ どこへ往く
おまえが描いた絵空事
道端に落書きされた
こどものチョーク絵さながらの
夢と理想の地図を
おまえの弟 失望が
炎の姿で追いかける
めらめら尻を炙られて
煙も目に染み ....
虎がくすくす笑って居るので
児童に英語をうまく教えられない
私の心は二兎を追って
天空へと翔けて行く
鳩が中々飛び立たないので
やはり英語をうまく教えられない
私は仕事の面接を二本予約して ....
みんな出来損ないだ
王貞治も
落合も清原も
雪も春も
なぜそれが許せない
謝ることなら腐るほどある
腐って分からなくなってる
なのになぜそれが許せない
....
波打ち際の死体を思い出す
欲望のよの字もないような男にやられる
セミが鳴いている
都庁が見える
夏の曇り空を電線が切り裂いている
八百屋で兄と働いている
暑すぎて人 ....
艶やかなバラも散る
やさしげな言葉と眼差しを添えて
去って往く喜びの日々
誇らしげなバラも散る
たのしげなギターとメロウな歌声
血のなみだ流す心の代わりに
うめつくす雪の空
一羽 ....
妖怪を詰め
妖精を詰め
見たこともない色彩のスペクトルよ
野性と滲み
偶然と繊細
子供が死んでも世界は音さえしない
米中の大量破壊兵器
目ぢからだけで戦う ....
片目を射抜かれたので
精肉部門に逃げ込んで
働かせてもらうことにした
精肉部門では隠れてカイコを
飼って居た様で
絹糸を秘かに作って居ると言う噂だった
私はシルクロードに居る様な気分で
....
一人、
部屋にうずくまりながら
深い海溝に墜落していく
そこには冷たい水のかわりに
闇だけがある
孤独、果てしない孤独
膨れ上がる世界と
縮んでいく自分
エゴに押し潰される自画 ....
🍎 頬杖
{引用=言葉は心を越えられないこと知っているのに
心が言葉を越えられないとうつむいてみる
それが
林檎のように沈んでゆく}
🍎 なり損ねた夜
{引用=夜十一時過 ....
ほんのりが合間を縫ってココアを持たせた
降らない結晶を望みながら
20年前の手の艶やかさを思い出しながら
ハンドクリームを細かい溝に落としてゆく
心は歳を取らない
鎧の全ては時間に ....
薄くひらかれた口許から 吐息を漏らしながら声帯を震わす
まだ 生まれたての皮膚についたりんぷんを振りまくように
僕の唇はかすかに動き なめらかに笑った
足裏をなぞる砂粒と土の湿度が おどけた ....
針先で突き刺した
指先から
私というひとつの海を
絞り出すように
私は激しくもとめている
あなたのその、
果てない闇の底に
うつりこんだ私を
あなたは一匹の魚だ
つかまえよう ....
波は時空をこえていく
過去や未来だけではない
あったかもしれない
なかったかもしれない
そんな世界まで波及していく
そこでのぼくらはどんな感じなんだろう
たぶん ....
月白色の街に降りてみた。
寒色の気持ち。
暖色の気持ち。
両方を持ってきた。
灰色が無い、私。
あってもいいのに、
曖昧。が身を助ける、ことだって有る。
....
わたしとすれ違った
年配のご婦人
車いすの
身繕いをした年配の
もうひとりのご婦人を押している
たしかめるようにゆっくりと歩きながら
昼のひかりで満たされた
安全な通りの
木漏れ日のあ ....
凡の字に似たオッパイに顔うずめ決めた元号諦めた恋
穏やかな秋晴れの日に、絶望の角度を測っていた。
「その角度は、希望だ。死に至る病だ。間違いない」
昂然と、苦渋に満ちた青白い顔を上げて叫ぶ男が近づいてきた。
── おかしな事を言う。 ....
言葉の停滞
言語の解体
言霊たちの
本意を求めて
日を見ぬ閉塞
ひそかな生息
居場所もないまま
ようやく生かされ
道なき隠遁
未知なる混沌
....
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