槍、
眼球突き刺す
空、
紫の光芒放つ
刻まれる私の運命
刻まれる世の運命
私は行き止まり
世界は進み続け
[貴女は真に美しい]
(進化し続ける意志故に)
私は言う
....
数をかぞえて川まで来たよ
回転木馬は考える
きみはガリガリ苦しくて
きっと神さま軽蔑だ
かんざし付けた観光ガール
カード片手にガイドする
こちらにござるは金華山
来る日も来る日も ....
努力が足りないのか
家庭が悪いのか
行政が悪いのか
国がやるべきことをやっていないのか
貧困問題もそうだが
秘密保護法問題にしても
じぶんには関係のない話だと
....
味噌ラーメンには
ウィンナーとナスが入っていた
土曜日の昼餉に
私はシークァーサーの枝が
伸びに伸び
増えて行った葉も
揚羽蝶の幼虫に
大半は食われてしまったと
思い知らされた
コー ....
アフリカの仮面の下で夜が流れていた
どぶ川で切った足から火の霊が入ると
真っ赤なオタマジャクシが身動きできないほど
か細い血管を遡り小さな手足を生やして泡立った
新月と時計の針が向かい合う
....
朝が来たらしい
いつのまにか雨の調べは遠ざかり
ぼんやりと明るい
そして
うっすらと温かい
光が温かいのは
きっと誰かが決めたこと
光が遠ざかれば また
冷たい闇に抱か ....
緑の香を乗せた風が
涼しく撫でる 私の腕を
揺れ動く木漏れ日が
温かく照らす 私の指先を
不思議なことだ
こうして静かな朝を迎えられること
目の痛みも今日は不思議と収まって
柔ら ....
天然物
和歌山県産
近海物と
景気よく書かれた
百円引きのグレの造り
生わさびに咽せながら
辛口らしい
コップ酒を飲みながら
飛び散る湯浅醤油
グレにくっついて煩わしい
セロファン ....
玄関前から姿を消して
死んだと思っていたジニーは
台風が去って
ほとぼりも冷めたころ
ウッドデッキの隅に見えない糸を張っていた
風よけに集めておいたプランターを
少し動かそうかと身をか ....
無知者には憐れみすら与えられない
たとえばシンポジウムの場で
松岡正剛にダメ出しされたり
生まれる前から決まっている
救われないことが決まっているのだ
三一論的に
....
貧しい
電気代
痩せたからだ
ため息
静かな夜も持たない
わたしたち
明日
畳
コップ
プリズム
疼痛など
早く夏が終わんないかなって
思っていたのに
終わってしまうと
なんだかさみしくて
早く秋が来ないかなって
待っていたのに
秋は
なんだかよそよそしくて
友達だったはずなのに
....
長時間眠っていることが
出来なくなりました
妻の手を探ることがあります
海に出かけてみたいです
私は幸せだろうか
明日は早く起きて
六時の快速に乗るのです
鮮やかな色の苺ジャム
娘たち ....
イスラエルで扉が閉まる
イスラエルで風呂蓋が閉まる
全ては南からやって来た(時には西からも)
ガンダムの閉める扉や風呂蓋が
ゴミをまき散らしていた
イスラエルのガンダムだった
癌で死んでも ....
音楽が辺りを小刻みに震わせる時
からだが先に踊り出す人
静かなうねり 心地よい慣性
グラスの中のブランデーのように
心は 甘く揺らめいて
音楽が辺りを小刻みに震わせる時
暗い片隅に ....
目の前にグラスが在る
グラスは透明な水で満たされている
私は喉が渇いていたので
そのグラスの水を一気に飲み干す
空のグラスが残る
ずんぐりとした円柱状の
空のグラスが在る
すぐ眼前に ....
空がまだらに光っている
飛び去った雨の記憶が
まだ薄っすらとかかっている
まだらにかかっている
空に穴を開ける
輪郭の正しい きれな穴を
縁が黒くナイーブに切り落とされて
小さな丸い ....
あの頃島に響くアーハ
エムティーヴイとあの頃
エムティー馬とは何だ?
テイエムを冠した馬なら
ぽたたあと垂れていたよね
彼は統合失調症で
私は統合失調症では
ありません
彼は悩んで ....
静かだなあ
今夜はなんとも静かだ
昨夜からの疼痛が
今は嘘のように収まって
気持ちも
まぁるく落ち着いて
こうして詩の言葉を綴る自分が居る
ちらっと記憶の奥を覗いてみたり
火照る身体を ....
大歓喜せよ
単なる歓喜ではまるで足りない
そうだ
パッパッパッパッ、パッパッパッパッ、パッパッパッパッ、パアッーパアッー、
大歓喜せよ
浅い息
あぶら汗
目を ....
誰かの
妻ちょっと奢り
カンジンカナメ
宵のくちづけ逢われ
マッコリに酔い
星はウツクシですか?
我忘れ鶴橋の駅に
私たちは流され
カラダの温かさになる
汚れた流星群になる
笑い声は好きじゃない
怒鳴り声も号泣も
演説も告発も
講壇やテーブルをガンガン叩くのも
古い写真の笑った顔が好きだ
どこかの いつかの 誰かさん
笑い声は好きじゃない
だけど幼子 ....
ウッドデッキの
木と木の間の細い隙間に
花びらがすすっと入っていくのを見た
少し離れたところから
目を凝らすと虫が抱えていたようだ
蟻にしては大きかった
ごく小さめの細身の黒っぽい蜂の ....
海は水平線を
鋭利なナイフのように突きつけてくる
想い出は残照の別称であり
水のように浸る憂愁である
夏が去り
海岸には打ち上げ花火の残骸が
寄せ来る波間に漂っている
{ルビ流離=さ ....
夏の空、玄関口
立ち尽くす己
庭木の揺れ、うねる大気
ああ世界が広がっていた!
己とは無関係に
何処までも眩しい異郷よ
五歳の時のその体験を私は決して忘れない
じぶんとは全く無関 ....
さびしいというのは
状態としてはべつに悪いことではない
それに起因して
やがて悪い状態になるかもしれないというだけのことだ
だからさびしいということを
悲観的にとらえるこ ....
ガラス管のなかに生身をむりやりねじ込まれるみたいな感覚が長いこと続いていた、閉塞感なんて月並みな言葉で話しても良かったがいつだってそんなものに真実を語る力などない…そこら中をうろついてる、在りもののイ ....
未知へ
タクラマカン砂漠を越えて
間氷期のほそい水系が
稀有のしばりとなるあたり
雪豹の瞳 罅割れて凍る水晶体
天山山脈から崑崙山脈へと
迂回するいのちの循環
毟り取られた緑の草原 ....
今日の午前三時
痛む肉を携えて
部屋の暗闇に沈んだまま
私はひたすら夜明けを待っていた
その時また
意識のふわりと広がり始め
頭上から垂直に響く
無数の秘やかな息遣いに
じぶんの息 ....
五十も近くなって
懺悔の意味がわかりはじめた
世の中は夢まぼろし
そこにとらわれていたら
真実と同居できない
夢まぼろしにとらわれてごめんなさい
真実と同居して ....
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