今日歩む道、暖かく
急な変化に神経乱れ
沸き起こる不安感に
吐き気を覚えながら
垂直に見上げる空の青さ
半球描き何処までも広がり
遠い遠い記憶の余韻、
胸奥から懐かしく響いて
私は進む ....
ひかり ひかり
青に 眩み
光 光
人は 歩む
ひかり ひかり
大地 廻り
光 光
人は 進む
この深夜、
独り在ることに寛いで
宇宙の時流に乗っていく
すっと孤独に留まりながら
この隙間だらけのあばら家に
雷鳴が轟くのを待っている
境界の門が開く、その時を
誰も居ぬ公園過る猫の顔
砂の城作っては壊す子がひとり
手袋のベンチに一つ凍っており
酒は飲まない
煙草は吸わない
女は妻以外知らない
そして
サイコロは振らない
そんな人生つまらないか
友はいない
仲間もいない
他人を信じない
神も仏もいらない
そんな ....
ただあるがまま
ありのままに
この不安定を
巧みに乗りこなし
絶対未知の際へと至る
(薄明の稲妻と雷鳴は
常に不断にこのあばら家を襲い)
日一日を乗り越え乗り越え
見も知らぬ神 ....
「雪ふってる」
きみがぼくの後ろ肩に額をあてた。
この部屋にふたりは久しぶりだった。
あのころたがいにたがいの仕事を理解できていなかった。
だからぼくはますます仕事に没頭し ....
陰惨な事件が起きると
テレビでタレントたちが
なぜこういう事件が後を絶たないのかと
怒っているのをよく見かける
なぜ私たちの国では専門家ではなく
タレントが事件を語るのか ....
少し早く出かける
済まないがと
彼がつぶやく
老いた女が項垂れて座り
若い女が水を飲みに立つ
それから彼は黙って
寂しい灯りの並ぶ切通へ
ゆるゆると上って行く
いいのかな ....
蒼いテントが揺れている
ドーム状の岩峰が聳えている
真っ黄色な空!走る稲妻!
強烈な雷鳴、耳をつんざき
落雷の波動、脳髄を貫く
割れる、割れる、割れる、割れる
この大地!
....
山をのぼるたびあたりまえのことだが
生き物いがいも存在しているこの世界に
山が石で岩でできていることをおもう
日本でにばんめに高い山は北岳だ
連山にあるのに富士山より孤独な ....
孤独って やだなあ
最近の君の口癖
孤独ってさ 結局
誰も信じられないってこと
ちょっとさ いろいろあって
結局さ
中二病のガキどもと
全然変わってないんだよね
いい歳をしたオ ....
そうなんだ
至らない頭を補ってるんだ
呼びかけて
声張って
どこにいるかも分からない
暗いほうへ
ねえねえ
返事してよ
朝日は夕日
生き物の気配のない夕日だ
でも夕日は
ちっとも朝日ではないのだ
影が長くのびるよ
ビルからひかりの後光さす
朝から立ち止まってるひと
誰も待っ ....
ぶらんこぶらんこ
揺れている
風もないのに揺れている
ぶらんこぶらんこ
揺れている
誰もいないのに揺れている
ぶらんこぶらんこ
揺れている
言葉のとおりに揺れている
蛇がいる
君の微笑む裏切りを
しんじず毒牙で首すじを吸う
キラキラと
瀬戸内海の橋である
入り日を吸い込み赤い息はく
音も無く
飛んで火に入る蜂の羽
そして泣いてるみ ....
荒れ狂う海を見た
防波堤は決壊し
穏やかな海に遊んだ
日がな一日泳いで泳いで
甘やかな海を味わった
夕げに貝をほじくり食べ
律動絶えない海を聴いた
夜の浜辺に蟹を追い
太陽を溶 ....
街の灯が消えるころに
俺たちは跳躍を繰り返した
皮を剥ぐような風が
駆け抜ける午前三時
記憶のなかのサウンドのハイハットが
氷の割れる音に聞こえるような気温だった
あたためて
それは ....
裏切りはいつももう
すでに進行していて
素知らぬふりしていたひとも
あばかれるとすっとぼけてる
星空の瞬きって
その距離と俺の距離って
なんのものまね
す ....
いつも僕らは
誰も知らない街で
わずかなエアスポットで
歌をつむぐのかもしれない
僕たちの存在を証明するてがかりさえもなく
ましてやお気に入りの音楽なんてながれてやしないけれど
....
弟のいない食卓に
仕事前に母がこしらえてくれた家庭の味がのっている
机の引き出しには
計算機やペンや定規が整然と片付けられたままだった
真実、を知りたければ
代償をは ....
巨大な宇宙の夕焼けに
染まり進む人々が
鏡の中を通っていく
さようなら さようなら
言葉を置いていきながら
後から後から奥へ奥へ
張り巡らされたアスファルトを越え
巣から落ちて干涸らびた雛鳥の
虚ろな目が空を見ている
とっても綺麗だから
イヤリングにしたくなるね
ねえ、そんなに見つめても
決して辿り着けないよ?
それとも小さな魂だけは
この惨い ....
思い出のような未来にも
オルゴールから牧歌がきこえている
弱い女が泣いている
この女がどれだけ強くなったかを
死んだ俺がどうして知るだろう
恥など晒して女を和らげてい ....
空にはやさしい雲がかかり
ぼくはストックをつかいはたして
ためいきをついたりしています
ぼくのなかに刃がないか検証してそれでも
缶チューハイを飲んだりしています
ぼくの知り得ない事っ ....
神よ、シオンでは
あなたに讃歌が捧げられ、
エルサレムでは
いま誓いが果たされます。
主よ、聖霊よ、
わたしの祈りをお聞き届けください。
雲から月が顔をだす
....
水面の雲がながれるように
素足で湖の上を歩きたい
つめたく 人をさす ひとさしゆびのことは 忘れてしまいたい
わたしは くつしたをぬいで はっとする
わたしの あしのひとさしゆびは ....
あのころまだ
ふたりは人生一回目だったから
ぶこつだった
ぎこちなかった
ぼくはピンクいろの布団を
蹴とばしたし
あたしはあなたが寝るのに
電気を消さなかった ....
群れを離れたコヨーテなら
後足の
仕留め損ねた獲物に嚙まれ
血を流し続ける傷など舐めるな
私はお前の獲物ではない
まして谷底の
河原の土に掘られた巣穴に
敷かれた生暖かい毛 ....
現の日常の表層が
呆気なく転覆される
その瞬間、
異界の地に
熱風吹き荒れ
在るものすべて
銀の粒子となり
交わり躍り離反する
(広がる広がる光の海!
降って来る降って来る死者の群れ ....
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