眼が見ることのできる前に、
涙することをやめなければならない。
耳が聞くことのできる前に、
感じることをやめなければならない。*



僕たちはいつも
入り口の前で立ち止まる
様々な ....
海はにびいろ
雨の匂い
忘却された団欒が
遠い漁り火に
燃えている

降り始める雨
降り始める雨
にびいろを打ち
にびいろに渦巻き

 (今頃何処かの街角で
 産まれ落ちる子の ....
行くあても無く歩行する
真っ青な夜に靡く草原を

やがて月の照る浜辺に出る
遠く漁り火が燃えていて
忘却された団欒のようだ

月光がつくる海の道が伸び
僕は何処までも歩いていく
青い空が何処までも
広がっていて
僕は泣く
青く在ること
それだけが
ただ哀しくて
僕は泣く

この無限の下に
曝され歩み生きる人
〈何処から来て何処へ去る?〉
永遠の問い掛け、 ....
跳びはねる
君のちいさな掌のくぼんだ池から


跳びはねる
その透明な小魚たちのまだ汚れていないが


跳びはねる
雲間からひろがってゆく青空と太陽にむかって


跳びはねる
 ....
 奇妙な縁があって、X JAPANやミレーヌ・ファルメール、マリリン・マンソンらの音楽を聴きなおしてみています。そして思うのは、彼らの創作する作品というものは、今ではすでに過去の再構築だけを目指してい ....  このごろ考えていることに、「概念とはグラデーション的な実在ではないのか」というテーマがあります。世の中を科学によって見る物の見方は、遠く過去にはギリシア文明の時代、いいえ、それよりもずっと遠い過去か ....  病院のなかでの自分の定位置というものを決めることは難しい。けれども面白い。制約のなかで何かが生まれる。制約がないのであれば、作ればいい。自由がないのであれば、それを作ればいいのと同じように。制約がな .... 底冷えする
夜に横たわり
祈っている

迫る闇が咆哮し
幾つもの夢が朽ちるとき
心の奥処の祭壇に
火を絶やすことなく
灯して、灯して

(不眠の夜を透過する
純白の雪を待ちながら ....
ピンクムーンに照らされて
今宵、彼方へと旅立とう
仄かな明るみと陰影と
小刻みに震える声達が
旅の一瞬と永遠と
微かなその予兆すら
静かに呑み込み
消していく

ピンクムーン、ピンク ....
「とおこちゃんはしんでるからね
生きなきゃね」
と言う友の
その無邪気で純なやさしさの
受け取り方に戸惑い

そういうあなたは
「もうがんばって生きてるから『生きてね』と言わないでくれ」 ....
一輪の花がゆっくりと、蕾を開く、宵の夢 
創造のわざは、私のなかに働く

私を支える茎は背骨、密かな光合成をとめず
今日もわずかに、背丈を伸ばそうとしている

たとえまだ、日の目を ....
夜の死顔は隠匿される
太陽による窒息死
視覚の分厚い曖昧に覆われて
悪夢の下着を脱いだ獣の顎骨から
乱立するギヤマンの伽藍
涸れた河床を磨かれた顔たちが遡上を始める頃
剥離した脱落者は紐で ....
いつも通貨は飢民を迂回して流通する
いびつな地球儀の舵をとっているのは誰
鍋の底に経済の残滓がEDMみたいだ

僕は誰。僕のからだのなかには吸い殻と
古い写真と優しかった女しかいないから
 ....
この深夜
横殴りの雨が降り
街を冷たく濡らしていく

布団のなか僕は君のことを思う
遠くへいってしまった君のことを
二人とりとめなく温め合った時間のことなど

雨音は空虚を満たし、
 ....
何度も凍り付きそうになる。気の利いたゴムボールのように弾む会話をするということは、きわめて難しい。それは、僕たちにとって、お題を課せられて即興の詩を書くのと同じくらい難しい事のように思われた。(これが .... ヘリポートに出ると猫がいた
そこにいると危ないぞと言うと
あわてて逃げていく

空は高くて雲ひとつ見えない
洗浄機の栓を抜いて顔を洗う
管理者が椈の枝を落としている

ストレッチャ ....
光を感じ窓際に立つ
少女の夢の遥か向こう
今日も世界は廻っている

虹が地平遥かに立ち
吹く風、覚醒を誘うとき
花を世界は少女に置く

(チリチリ舞う風の粒子
光はそれらを透過して
 ....
今日は冷たい北風が吹き
街はもうすぐ黄昏です
西陽が君の横顔を照らし
はにかむ瞬間を捕らえます
それは本当に美しい
この街角の光景です

(あゝ後何百年
待てばこの瞬間に出会えたのか
 ....
坂の下は霊魂の溜まり場だった
降りて行ってはいけない と彼女に言われた

彼女は二十四の歳に逝ったままの若さだった
その代わりにある家を見て欲しいと言う
二階に八畳間が二つ在るのだけれど何か ....
さざめいている
ざわめいている

私の頭のなかで
  何かが、

輝いている
熱している 

巨大な明滅凝視、、

近づいている
波打っている

揺れ廻り 廻り揺れ
予測 ....
から だった
前進しようと思えば未だできたが
から だった

寝ても覚めても
あんまりからからと鳴るばかりで
もう嫌気がさしちまった

(なのに夢の空はまた
淡い淡い紅に染まり
何 ....
   

分厚い雨雲の真ん中が綻び
底なしの穴の遥か遠く
水色の空が薄氷越しに透かし見えると
遠い夕焼けが破れ目の縁を
なぞるように湿らせる

逝く人の
輪郭を切り取るだけの硝子窓
 ....
白い波頭が押し寄せ
次から次に押し寄せ
崩れ去ってゆく
跡形もなく

私たちは 私たちは
何処から来て何処へ去るのだろう?

白い波頭が押し寄せ
次から次に押し寄せ




 ....
夢の底を揺蕩えば
予感に包まれ
陶然となる
夢の向こうとこちら側
遠く近く奥まって
底の底に横たわる
わたし独りのたましいが
融通無碍に踊り出す
この晩秋の青い時
深い眠りに揺蕩って ....
眠りの
夢の
底割れ
目覚めるモノ
輝く尖塔を壊し
ジクザクに走る力線
煌めく城壁を巡り
スイチョクに伸びる力線
開いた瞳から触手伸び
掴み取る、掴み取る
掠め現れる無数の影を
 ....
一陣の風、
吹き抜ける
この晩秋
空は青く
何処までも高く
天蓋は涯までまぁるく
外部はなく
凪いで
人々は歩を進める

この地上にて

神々は居られ
その豊穣なる艶姿
人 ....
間抜けな盗賊ヨランの話をしよう。
間抜けな盗賊ヨランは、(勇猛果敢なはずの)ドワーフのくせに、
ベル=ダッジアのように臆病だ、と言われていた。
しかも底抜けにとんまな奴だと。

ある時、ヨラ ....
カーガリンデの魔法使い、エインスベルには、
常に黒い噂がつきまとっていた。
いわく、彼女は黒魔術を扱い、死者たちを操っていると。
いわく、彼女は墓を漁って死体を集め、その身体を切り刻んでいると。 ....
おお、アイソニアの騎士よ、
誰がお前の勇猛果敢さを歌にすることが出来るだろう。
ああ、アイソニアの騎士よ、
お前はその死をもって死をも凌駕した存在となったのだ。

どんなに秀でた吟遊詩人であ ....
ナンモナイデスさんのおすすめリスト(3429)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
途上の光- ひだかた ...自由詩621-12-8
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友だから- 凍湖(と ...自由詩321-12-2
- 服部 剛自由詩921-12-2
素体回帰- ただのみ ...自由詩3*21-12-1
棄民のうた- 梅昆布茶自由詩1221-12-1
雨は降り続ける- ひだかた ...自由詩621-12-1
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4.5- mizunomadoka自由詩421-11-30
祝福のうた- ひだかた ...自由詩9*21-11-28
影踏み- ひだかた ...自由詩721-11-27
境界夢(改訂)- ひだかた ...自由詩621-11-26
至高の光とドス黒い血- ひだかた ...自由詩721-11-25
からガラ- ひだかた ...自由詩621-11-23
終章- Lucy自由詩1421-11-22
私たちは- ひだかた ...自由詩721-11-22
夢の底- ひだかた ...自由詩621-11-21
カンバス- ひだかた ...自由詩4*21-11-20
この地上にて- ひだかた ...自由詩721-11-18
_間抜けな盗賊ヨラン- 朧月夜自由詩3*21-11-18
エインスベルの賦- 朧月夜自由詩3*21-11-18
アイソニアの騎士- 朧月夜自由詩4*21-11-18

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