放っておける人は、愛が深い人だと
昔聞いたわたしが、ひどく取り乱したのを
今のわたしは、ぼんやりおもいます
なにもかもひとの心も軽く流してしまうかのような
さわやかで清々しい風が
カーテ ....
塞がれた傷なら
新しいほど
ほの明るい
命と呼ぶには薄すぎる
生まれたばかりの緑の雲母は
はかなげに震える風の欠片
アスファルトに跳ね返る
光の刃が
明日には切り刻むだろう
....
八月に入って
夏の子が孵化した
春の子はカラスにやられて
しばらく空き家になっていたキジバトの巣
避暑に出かけたカラスがいない間に
夏の子はすくすくと育った
キジバトの巣は我が家のケヤキの ....
なにも見えない
いいとこなんて見てない
そんなとこ見なかった
葉月。の海月から、棘言葉を聞いた。
雨水が海面を打ちつける、
飛び込み方、を間違えれば、打身。
そんな海原をみてい ....
木々が襟を立てて拒む間
風は歌わない
先を案じてざわざわと
意味のないお喋りを始めるのは木
いつしか言葉も枯れ果てて
幻のように消えてしまう
すっかり裸になると
しなやかに 風は切られて ....
あれは化石の街だった
すべてが固まって
ぼくは言葉を失ってしまった
ある漁師は寡黙に作業をしている
ラーメンを啜りながら
海辺の波をみたら
視界は空を広げ
腕の血管のボルトを力いっぱい絞 ....
口の中で消された言葉を想像してみて
私が貪り食ったホットドッグの
無味乾燥さを自分のせいにして
ドロリと、横たわる布団の上
死にたいって、嘯く詩人の戯れ
私は、
私は結局それだけを拠り ....
響きが立つ
色が立つ
輪郭が立つ
知覚が立つ
広がる意識 何処までも
壁が近い
浮き上がり
近い壁
くっきりと
像を結ぶ
わたしは喜びに満たされ
壁の響きを聴く
....
風呂のジャーが爆発する
扉が爆発して
物置が爆発する
戦場だった南側
ガジュマルを観賞した後だった
手帖を読んで居ると
宇宙の田圃でエンジンが鳴る
宇宙から見る那覇市が美しい
笑まい、 ....
りーりー
りりり と
鳴いている
耳を澄ますと
少しずつ違う音色で
合奏している
パソコンの中から
聞こえるようで
二階の窓から
見てみると
明るい夜空に
透明な羽根 ....
理事に選出された
ボーデンはアイスばかり食べて
何もやらない
集いに誘っても
フレーフレーとチアガールの真似ばかりで
ドウ(お菓子)に成って仕舞った
その時リベリアンガールが
駆け寄 ....
逆さまになって
ぶっ倒れ
気付くと
天を仰いでいた
青
濃密な青
漆黒の宇宙空間に
そのまま接続していく
濃密な青
標高三千メートルのアイスバーン
アイゼンの爪先が食い込ん ....
薄曇りの空を浴び
錆びたトタンが発色する
剥げかけた というよりも
薄い金属の表面を
浸食している赤ペンキ
腐蝕しながら
守るべきものを阻害していく
かつては輝きそのものであり
....
充血した虚無
断層に突き刺さった骨
陽は傾き
死者達の視線が
白壁に乱舞する
茜の色を
遠い目で見ている
俺の傷みは血を噴き
おやすなさい
きっと見ようね。
ずっと居ようね。
夢に堕ちても
あなたをみよう
夢の中2人きり。
降り積もった
ましろのケサランパサラン
ふわっと、
さらっと。
....
廃線になった駅のベンチに行ってください
コスモスが揺れているのがみえますか
だれもこない駅の伝言板に
「おかえりなさい」とだけ 書いておきました
ベンチの下に 海の紙でできた封筒を隠し ....
白い人が立っていた
水辺の道に立っていた
水面に浮かび立っていた
(青と白の絡まり合い
ゆっくりと渦を巻き
奥へ奥へと繋がる水流)
白い人が立っていた
水辺と水面、
....
蒙古タンメン中本を攻めに行く
蒙古丼も頼んだりする
寒気がする辛さだった
神様からみれば僕は虫
分からないようで分かっている
皮肉なもんで
別れてからのほうが連 ....
ガラスのように光るその蛇は
青草の影を躰に映し
すべらかに移動していた
怖くはなかった
わたしを無視して
まっすぐ母屋に向かっていくので
なんとか向きを変えさせようと
木の枝で
行く手 ....
とあるあついなつのキセツのこと、キリギリスはなつじゅうバイオリンをひいてうたをうたいながらすきにいきていました。さとさきのことをかんがえずに、まさにじんせいのなつをおうかしていました。いっぽうアリはせ ....
二時です
虹です
やぁこんにちは!
夢の中で
トイレを流す音を
聞いたけれど
雨が降ったんだね
五時です
誤字です
まだ眠いでしょう?
日が落ちる頃に
書いたノートは ....
いくら地図で示されても
いつも時はやがて落ちてくる
黄色い星型の葉の川
喰えもしない栗の実
それでも未だ
ぼくの粗末な宿舎を支配している
年老いたアンパニ族の長
「義務!力!勝利!」
....
草はらを
踏み締め夜を歩き進む
裸足で草いきれに包まれて
むんむんと さらさらと
皮膚と鼻腔を刺激され
生き生き息吸い吐き出し又
広がる意識に己を感じ
深く 分け入る夜の闇、
....
おとぎばなしみたいな月が
雲に風やひかりをあたえる
近づけば歓声がおきる
ぼくがうごくたびスマホがうごく
好きなことして金をもらう
こんなぼくにありがとうな
自 ....
なにかが流れでて
わたしが生まれ
太古のひかり
夜のそこから
力を貰い
未来のひかり
わたしから流れでる
捧げられ 捧げる 全ては捧げもの
とても個人的なことが平準化された朝
すごく躾の良い彼女が眠っているので
ぼくも寝たふりをする
不完全だからきみがすきだ
ぼくは地球の微細なトッピングのひとりにすぎなくて
音楽や詩 ....
ぼくの身に止まった蝶が
羽根をやすめることができる速度と
やわらかさで生きていく
だまされても理不尽に遭っても
戦争になっても
失意のときも得意のときも
その蝶 ....
粥をすすって居たら
出血して焦った
夢の中で君がほほ笑む
アルコールが
夜明けに零れたようだ
五月は眩しい
意志が優先され
寺山の季節が来た
ルビーギリスとむつみ合う事も忘れて
遺影 ....
ひざまづいてしまおう
ーもういっぱいいっぱいのときは
ゆだねてしまおう
ーもうなすすべがないときは
こうべを垂れ土の上に額を擦りつけ
自らの血と熱を地球の青さに流し込む
秋口が ....
ある日
歩いて近くの図書館に行った
詩集を一冊取り出して
椅子に腰掛けて
読みだした
十五分もたたずに
なんだか瞼が重くなってきて
あれれ
ふんわり
文字が
二重三重に揺ら ....
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