国道で
風上に向かって泳ぐトンボをみた
光の隙間を
上流に向かうメダカのように


少し斜めに傾いて揃って空を見上げる街路樹

一斉に翻る木の葉
光を透かして揺れるエノコログサの長い ....
子供:「わあ大変だ!海がやって来る海がやって来る」
母親:「あれは、海ではなく、波が打ち寄せてくるのよ」
ー小学生時の国語教科書より

  ▼

或る物がある
が、
在る=モノ
とし ....
白い部屋に横たわり
独り時が過ぎるのを
さっきからずっと眺めている

)右足の親指が急につり
)反り返ったまま動かない

無音無言の部屋のなか
時は流砂のように流れていき
私が上げる ....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
猛々しい暑さ、
眩み包み込む
この夏の午後に
園庭は発光し
微睡む午睡の子供達、
ルウ ルウ ルウ
夢の中で
歌っている

通り掛かる街角で
不思議な三角や五角形
浮かんでは消え ....
雨に
濡れる
緑の丘を
白馬たちが
次から次へと
走り去っていく

その響き また その響き
凄まじく獰猛で限りなく繊細で
全ての白馬達が視界から消えた後
深く異様な沈黙が この界 ....
天空の城ラプタを観ようとしたが、そんな映画は見つからなかった。
それは、発音のままならない幼少期にだけ存在したのかもしれない。
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く

二度と取り戻せない時間の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不 ....
折り重なる記憶の襞が
一枚一枚剥がれ落ちては色褪せ
何の感情も伴わずに
震えている、震えている 
脱力して

欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの

反芻される記憶の渦に
今 ....
熱風が吹く
真夏の昼下がり、
子供は遠く奥へ駆けていき
老人だけが残された

ヘチマがぶら下がる縁側で

眩む空の青、浴びながら
取り残された老人は
揺れる地平に身を委ねる
遥か彼 ....
嵌まる
虚の時空
実感無き生
ふざけるな!
鉄槌を打ち込む
固い硬質なビート
過去の影を蹴散らせ
執拗な愛着や温もり
脳髄を垂直破壊し
虚脱の生に力を
内在する何か
を賦活せよ
 ....
そこまで惨いことをしてみせなければ
わたしたちが
気付けなかったとお思いですか
それほどまでして
ただ懸命に生きていた人たちをいたぶり苦しめなければ
地道に生きることの大切さと
命の尊さを ....
真夏の空、玄関口
立ち尽くす我
草木の揺れ、
うねる大気、
光の庭

あゝ世界は無関心に
私という存在には
全く無関心に
広がり在った、圧倒的に
その時私は気付いたのだ
異郷のよ ....
肩幅で生きる
肩に幅があって良かった

夏は草の履歴と
雲の墓場
ただいま
おかえりなさい
言葉が影になる

初めてできた影だ
子供たちに見せてあげよう
昨日いた犬にも見 ....
光に貫かれ
すべてが踊り出す
この八月、
白い波しぶきを浴びながら
旅人は麗らかな海辺の街をいく

静かに客人を待つ庭先には
石と薔薇、薔薇と石
石に刻み込まれた眼は
鬱屈を宿しなが ....
光の矢はもう無数
うねる青のキャンバスに突き刺さり
神の息吹きはもう絶え間なく
熱風となりこの世界を掻き回す

)白衣の少女達、妖精のように
)黄色い向日葵達、満面の笑みで
)鳴き続ける ....
何があったか知らないけど
君のその表情だけで
夏が嫌いになりそうだ

風は凪
蝉が鳴いてる深夜二時
素直な夜は今日だけにする
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て

遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が

風に吹かれて
風に吹かれて

名無しで ....
丸く黄白い
月が
宙に浮かんでいる
この夜は
脈動静か
気は鮮明
揺れる
草葉の陰に居て
絶えざる街のザワメキを
浴びて浴びる
わたくしが
視界に飛び込む
孤独の実を
むしゃ ....
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた

三歳の私は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった

〈今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら
自分はこの ....
あゝ窓ガラス越し
物凄い空の青が広がって
自分が何処に居るのか
一瞬わからなくなる
地球、いや宇宙
そうだ、此処は地球という
宇宙に浮かぶ場所なんだ
まぁるく廻る星なんだ

それにし ....
拡大する意識に
思考が浮遊し始める
感情の奥底に根を張りながら

わたしは別にあなたでもよかった
 あなたがわたしのうちに体験されてから
あなたは別にわたしでもよかった
 わたしがあなた ....
答えにたどり着く気がして
川沿いをひたすら歩く

午後九時
一瞬雲の切れ間に輝いた二等星
願うことから始まる絶望が
いつでもおいでと笑っている

仲間は裏切者だった
でもそれでいいじ ....
芸能人の
自殺に関する
ニュースの最後に
アナウンサーが
「死にたくなったら
周囲に相談しましょう」的な
コメントを
付け加えているのを見ると
「命を守る行動を取りましょう」
と同じ ....
感情が漂白され
漂流していく時空を
速くなったり遅くなったり
緻密になったり大雑把になったり
なんて自由自在に運ぶ移行

魂の打つ突発的な躍動
変拍子や裏拍に
コレハナンダ?
新たな ....
木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
気だるく憂鬱な昼下がり
空は一面の灰色模様、
熱風はもう絶えず吹き
荒れ果てた街並みが
ぱたんぱたんと倒れていく

 ....
林床にはブナ林特有の雑木が生え
そこを刈り払い機で刈っていく
すさまじいヒグラシの鳴き声の海が森を埋め尽くし
私たちの耳に、錐もみ状に刺さっていく

急な斜面を足場を作りながら雑木を刈る
 ....
病床の旧友よ、それでもなお、夏への憧れを失わずにいておくれ。
学び舎は今でも坂の上に、サイダーは学食の自販機で冷えているよ。
机に置かれた一杯の水に
天井のランプは、反射して
小さな虹が架かる

今日も何処かで
人の間に
虹の橋はあらわれる
雨の一滴が右手の甲に 落ちた
ズシリと 重たかった
ミシリと 胸の空洞が鳴った

私は慌てて滴を振るい落とした
軋む胸が一瞬、
張り裂けそうになって
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ポプラ並木の上の空- Lucy自由詩7*20-8-26
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繋縛- ひだかた ...自由詩420-8-18
ある夏の光景- ひだかた ...自由詩6*20-8-17
午睡(改訂)- ひだかた ...自由詩4*20-8-16
白馬- ひだかた ...自由詩720-8-14
ラプタ- クーヘン自由詩7*20-8-14
記憶2- ひだかた ...自由詩320-8-13
記憶1- ひだかた ...自由詩320-8-12
ヘチマがぶら下がる縁側で- ひだかた ...自由詩320-8-11
クラーク- ひだかた ...自由詩420-8-10
平和の祈り- Lucy自由詩1120-8-9
ある夏の光景- ひだかた ...自由詩4*20-8-9
終戦- たもつ自由詩1120-8-7
八月の光- ひだかた ...自由詩520-8-6
夏、怒涛- ひだかた ...自由詩420-8-5
素直- TwoRivers自由詩3*20-8-4
童夢- ひだかた ...自由詩13*20-8-4
光の場所- ひだかた ...自由詩520-8-1
ループ- ひだかた ...自由詩720-7-31
地球に座る(改訂)- ひだかた ...自由詩420-7-27
意識夜愛- ひだかた ...自由詩320-7-26
川沿い- TwoRivers自由詩9*20-7-25
生き続けなければならないとは思わない- 花形新次自由詩1+20-7-24
ポップ・フィールド(改訂)- ひだかた ...自由詩5*20-7-24
佇立- ひだかた ...自由詩520-7-24
ブナ林にて- 山人自由詩16*20-7-24
サイダー- クーヘン自由詩15*20-7-23
- 服部 剛自由詩320-7-22
哀しみ一滴- ひだかた ...自由詩1020-7-22

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