忘れることができたのは
ついに自分に勝てたから
ではなく
燃え盛っていた胸の火が
ただ儚くもかき消えたから


恋慕い
ついに手に入れたもの
手に入らなかったものたちが
木立の間に ....
坂の下は霊魂の溜まり場だった
降りて行ってはいけない と彼女に言われた

彼女は二十四の歳に逝ったままの若さだった
その代わりにある家を見て欲しいと言う
二階に八畳間が二つ在るのだけれど何か ....
激しい痙攣のあと、強制終了のように訪れる眠りの中で見る悪夢にも似た感覚を現実まで引き摺り出してしまう不得手な目覚めの数十秒、果たして俺はすでに死人なのか、と無意識に手首に触れている…微かに、致命的な嘘 .... 向かいの家の屋根瓦が
黄金色に照り輝き
高い高い秋晴れに
遊ぶ子供達の声も軽やかだ

一方私は布団のなか
鉛の憂鬱を抱えながら
それでもこの美しい秋日、
天高くから降って来る
青い青 ....
ちまたには暗いニュースばかりが続いているから
明るい話題が欲しくなる

そんな思いを数にたとえるなら
きっと算数だよね
数学じゃなくて

悪い噂は
それがたとえデマでも
一度立つと
 ....
ことばって何処にあるの
辞書のなかに埋もれているの

人間って何処にいるの
へそまがりな生き物じゃあなければよいけれど

幸福と善とはいっしょなのでしょうか
あるいは幸福のしっぽが見え隠 ....
みずうみに
おれんじの泡を沈めたら
柑橘しぶきのみずうみ夕闇


葉の落ちる
ソファーの上に西陽さし
どくどくどくと心が鳴ってる


一匹の
星座の名前を知ったあと
 ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で

)金木犀の花が軌道を舞い
)秋の大気が生まれるところ

 ....
優しい声が届かない夜は
深層意識の土に立つ
一人の木をみつめます

夕陽をそそがれながら
ひとつずつ実りゆく言葉の果実は
あなたの部屋に届くでしょうか

この道は哀しみだけで終わらず
 ....
正面に
半月が浮かぶ、
白銀に
空の青は
次第に濃くなり暗くなり
やがて漆黒へと変わっていく

)西の空は茜に燃え立ち

この美しい夕暮れを
風に吹かれて眺めている

巨大な静 ....
終わりの前には
阿鼻叫喚があるのだろう
それには馴れていない
ので
終わりについて
思いを巡らすことができない
映像が映し出されても
目の当たりにした人の
インタビューが流れても
臨 ....
鼻が低いせいで眼鏡がずれる?
眼鏡がずれるために鼻が低い!
これまでに余りに
多くの音楽を聴いてきたせいだろうか
ふっと頭に突然メロディが流れてくることもあれば
TVを観ていてCMや番組の曲が思い出せないことがある
脳にメロディが張りついた感覚だと言え ....
宵に呼ばれて寄れば良い酒 酔ってよろけた夜の路


魚も鍋も奉行がさばく アクをすくって膳こらす


熟した柿はむかずに啜れ 女むかずにゃ啜れない


周回遅れ時代と競う 若さ失くし ....
陽射しの強さは夏日でも
日陰に入れば秋の色
さんざめく光の中を
無数の影が踊っている

黄金に輝くアスファルト
金木犀の香が舞い降りて

行く秋、迎える冬のその間
今日も僕は歩いてい ....
愛情
漢字を逆さにしたら
情愛

私には
はっきり言ってよくわからない

性欲とか
性愛とかは
体からわいてくるから実感してるけどさ

愛情
なんて見えないし
触れないし
 ....
日本橋のミカドでモーニングセット。
隣のおばちゃんが、スポニチをたたんで薬を飲もうとしていたら、
サラリーマンのおっさんが、「新聞いいですか?」と奪おうとしたのを、
「いや、ちょっと」とあっ ....
君と僕の手と手を合わせて
世界の光を反射させよう

カゲのある微笑みでささやく
今朝の起きぬけの君の愛の言の葉
とても遠くから聴こえて
美しく透きとおっているかと思った

君 ....
風、吹き抜ける
俺の背後から
風、浴びる
首筋の私

公園のベンチに座り
ヘッドフォンを耳に煙草を吹かす若者
その前を
杖をつきながら通り過ぎる痩せ細った老婆
 
風、吹き抜ける
 ....
この青に青を重ねた空の許
真っ白な花瓶が倒れる
戸外に置かれた机の
茶色の平面に無音で

風一つないのに
倒れたのは 何故だろう?

青に青を重ね眩み輝く空の許
真っ白な花瓶が壊れる ....
アレをする
理由がほしい君が好き
なのですからと、ちゃんとアレする


夕焼けの
死んでしまったこの街で
天使のふたりを信じたバカ有り


空の下
全てが青く染められそう ....
腹底から
ヒンヤリと突き上げて来るモノを
ナイフの刃先に乗せる
熱く紅い血の滾り

)際の際に時を遡行すれば

緑と湧水の大地に到達する
沢登りの記憶の壁突き抜け
唐突にプスップスッ ....
或るひとのことが心から離れない
胸がときめき締め付けられる
そのひとを思うと切なくなり
夜が一気に長くなり眠れなくなる
それはいつかとまた同じ

きっときみは笑うだろう
いい歳をして何を ....
水道水にヒマラヤの岩塩を溶かして
瓶に注いでいけば四〇億年前の海だ

空っぽの冷蔵庫の唸りとぶつかる
海鳴りに耳を傾けている台所の
卓上の猫たちの我がもの顔
原始の海に釣り糸を垂らす
僕 ....
食パンの耳に独り言を聞かれてしまった。
どうしよう、はずかしい、あああー、ぱくっ。
肥沃な土にまかれた種子
渇いた荒れ地に落ちた種子
そして平凡で普通な土壌で芽吹いた種子

その数の比率を数字にするまでもないだろう
平凡で普通が大半を占めている

それは

人間の社 ....
いちめんの漆黒の空に
銀色絵の具を 振りかけて
秋 星座 またたく 地上には すすきゆらす風

生きて味わった苦しみが
嘘でもあるかのように消えていき
一日を そこそこ懸命には ....
網戸の外は青い空
網戸の内は灰の心

青はあくまで深さ増し
鬱はどうにもどん底で

世界と私は無関係
私が無くとも世界は続く

ああ、全くそれなのに
涼風が肌を不意に撫でる
その ....
右足の親指が
反り返ったまま
さっきから奇妙な音
何処からともなく響いて来る

薄暗い部屋の白壁の隅が
僅かに滲み明るんで
柔らかく括れ揺れ動き、
懐かしい影
ひとつ、浮き上がる
 ....
ぽかんと ひとり
  立っている
秋の青い空の下
ぽかんと ひとり
  立っている

誰が来ても来なくても良い
もうくたびれてしまったよ
ただ一つだけいえるのは
この病んだ己のその奥 ....
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